生まれて初めて、ヨガクラスに参加した日(マガジン2)
一話「海外で日本人一人のヨガのティーチャートレーニングに行くと決めたから読む人はこちら
これは、私が初めて入ったクラスの話です。
その頃の私は、ヨガは一回もやったことがなく、運動も全くしていませんでした。
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ある日、フランス人のDさんから誘われました。
「エイミー、私はヨガのクラスを始めたのよ。小さいクラスで、友達だけ誘ってるの。来てみない?」
きくと、ティーチャートレーニングから戻ってきてすぐのDさんは、友達に教えて経験をつみたいのだそう。
断る理由もなかったので、お試しだけ、と行くことにしました。
この時は、続けるつもりなんてありませんでした。ヨガをやりたいと強く思っていた訳でもありません。せっかく誘ってくれたのだから、断るのは申し訳ないと思っただけ。
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次の週、教えられた場所に行くと、そこはヨガスタジオではなく、アート教室でした。使わない朝早い時間だけ、ということで貸してもらったそう。
壁にはアート教室での作品が飾られ、画材やアート本が入った棚があり、棚の上にまで、絵の具、ペンたてや筆があふれていました。
立て掛けられたキャンバスに囲まれ、ヨガマットを敷くスペースは、4-5人でいっぱいになりそうな小さなもの。
前に座るDさんは、白の上下を着て、白いターバンを巻いています。今日のクラスの動きを思い出しながらイメージしているようですが、少し緊張している様子で、話しかけるのははばかられました。
ヨガクラスも初めての私は、何をするのか分からずに、ストレッチらしき動きをしてごまかしていました。
開始二、三分前になると、ようやく他の生徒たちも入って来ました。全員、西洋人。Dさんの友人たちやDさんの60代の夫でした。
他の生徒たちは、昨日はこのレストランに行ったのよ、などという話をしていました。
言われるままに、足や手を動かして、その日のレッスンは終わりました。
ヨガマットを丸めて帰り支度をする私に、
「エイミー、楽しかった?」とDさんがききました。
「Did you enjoy the lesson?」
エンジョーイという言葉と、なんだか分からずに体を動かした時間とが結びつかず、
えええ、と口ごもりながら、
「エンジョイと言えるかどうか分からない、、」そう言いながらマットを持ち上げました。
声をかけてくれたDさんに悪い気がして「でも、それは私がヨガ初めてだからだと思う」と付け足しました。
立ち上がった時に、ふっと思いました。
エンジョイか分からない、
このレッスンは、分からなかった。
ああ、そうか。
エンジョイでは、ない。
だって、私は分からなかったんだから。
知らないものだったから。
沈黙する私を、Dさんは困惑した顔で見つめていました。
「私、続けるわ。次のレッスンも来る」
そう言って、初めてのクラスを後にしました。
分からないまま、続けよう。
運転しながらの帰り道、私はそう思っていました。
***
この日から3年後に、自分がティーチャートレーニングに出発しているとは、予想していませんでした。
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