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人生を賭けた笑わず嫌い王【後編:本番そして10年後まさかの告白】

めちゃイケの笑わず嫌い王、収録前夜。元来、寝付きの悪い僕は味わった事のない妙な興奮からか、いつも以上に眠れな夜を過ごしました。僕のベッドからは斜めに夜空が見えていたので、ただただ、ぼんやりと月を眺めて過ごした事を覚えています。

翌朝、フジテレビまでは車で行く事にしました。普段はタクシー移動なんですが、この日は何故か自分の車で行く事にしました。こういう勝負事の日は、あまりイレギュラーな事はしない方が良いのかも知れませんが、朝起きた時に車で行こうという気分になっていたのです。ここで、ご存知じゃない方もいらっしゃるでしょうから、ついでにご説明しておきますが、吉本興業の場合、他の事務所のようにマネージャーが迎えに行く事はしないので、基本移動は1人です。タクシーでも自家用車でも構いません。車の場合は自分で運転します。運転手を雇うのは個人の自由ですが、僕にはそんな余裕はりませんので、自分で運転する他ありません。お台場までは高速で15分。その間、僕はウルフルズさんの『ええねん』1曲をずっとループで聴いて移動しました。レインボーブリッジに差し掛かると、左右には東京湾の景色が広がります。右手にフジテレビの球体が見えて来たので、僕はボリュームを上げ、サビを歌いながらテンションも上げていきました。

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