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決算分析 テイツー(2023年2月期)

皆さん、こんにちは。
銘柄分析を共有して少しでも皆さんの投資戦略の一助になればと思います。
本日はテイツー(証券コード:7610)の2023年4月14日に発表された2023年2月期決算を解説します。

サマリー

・2023年2月期は業績見通しを大幅に上回って着地
2024年2月期予想は売上が4.6%増、純利益が0.3%増の予想と出店ペースと比較して売上(トップライン)・純利益ともに控えめな業績見通し
・業績予想は足元の業績より中期経営計画の数値がベースと推測

第一四半期・中間決算で上方修正の可能性が高い

2023年2月期決算

まずは決算発表の数値を見てみましょう。2023年2月期の通期業績予想は2023年1月26日に上方修正されておりますが、上方修正後の業績見通しに対して売上で29億、純利益で1.8億と大幅に上振れして着地ております。

決算発表資料より作成

2023年1月16日の第三四半期決算発表後、10日後に上方修正を発表しましたが、月次が好調にもかかわらず上方修正幅が保守的であったため、株価にもほとんど影響なし、でした。過去の傾向からテイツーは保守的な業績見通しを行うことがわかります。

上方修正の可能性

①出店攻勢
2023年2月期(2022年3月~2023年2月)はふるいちの業務提携・FC店で14店、直営店で11店など、計26店を出店、退店2店のため、店舗数は24店増えており、これらの店舗が通年で売上に貢献する見込みです。
また、2024年2月期も同程度の出店を見込んでおり、足元(4月14日現在)でも直営店を2店、FC店を4店出店、更に5月までに4店の新規出店が確定しており、四半期ベースで10店出店と、昨年の四半期平均(6店出店)を上回る出店ペースとなっております。

決算説明資料より

②トレカ市場の拡大
2023年2月の業績拡大をけん引したのはトレカブームです。
特に利益率が高い中古品は160%増加、新品も139%増加と大幅に増加しています。トレカ市場(新品)は2022年度は2,100億円に拡大し、2023年度は2,400億円まで伸びると予想されております。
4月14日に発売されたポケモンカードはニュースでも大きく取り上げられました。一方、中古市場の過熱やレアカードを狙った強盗なども発生しており、中古取引の規制が求めらえるとテイツーの業績には悪影響につながる可能性もあります。

セグメント状況(決算説明資料より)
トレカ市場の拡大(決算説明資料より)

業績予想は中期経営計画ベース?

中期経営計画では2027年2月期に売上354億円を目指しています
2023年2月期の売上は312億円で前年度(268億円)より44億円増加しており、今後も同程度の成長を仮定する2024年2月期に達成できる勢いです。
2024年2月期の業績見通しは中期経営計画の数値をベースとし、足元のトレカブームや出店加速は加味されていない(加味されたとしてもかなり保守的)数値では?と推測してます。
トレカの規制強化、トレカブーム終焉のリスクもありますが、外国人・インバウンドによるトレカの売上貢献等も予測されるため、月次予測を確認しながら、勢いが続くのであれば第一四半期での上方修正もありえる、と予測します。

業績予想と長期目標数値(決算説明資料より)

信用買い残には注意が必要

4月7日の信用買い残は1,400万株、信用倍率は8.7倍に及んでいます。第三四半期の決算発表前も信用買い残が膨らんでおり、決算発表後に株価は3日間大幅下落しました。
今回も同じような状況のため、4月14日の夜間取引(PTS)で株価は下落しておりますが、数日間は株価が大幅下落になるリスクはあります。

株価目標(300円)の修正要否

今回の決算発表を受けて、2023年度の株価目標300円に変更はありません。出店攻勢・トレカブームを追い風に業績は上方修正が見込まれるため、株価が下落したタイミングで拾っていっても良いかもしれません。

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