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Take-12:映画『人質/韓国トップスター誘拐事件(2021)』は面白かったのか?──韓国映画の突然変異は凄い──

【映画のキャッチコピー】
『皆さん事件です! 本日、俳優のファン・ジョンミンさんが誘拐されました』



『人質/韓国トップスター誘拐事件』のワンシーン、ファン・ジョンミン
MOVIE WALKER

 少しイカれた5人の若者に誘拐された韓国スター、ファン・ジョンミン。自分の武器である「演技」を使い何とか逃亡を試みるが……

 皆様よき映画ライフをお過ごしでしょうか? N市の野良猫ペイザンヌです。

🙄どうしても自分の傾向として洋画をチョイスしてしまうことが多いというのもあり、今回ここらで韓国映画をひとつ選んでみようかなと。

 こちらも劇場で観ました。なかなか息詰まるサスペンスが面白かったですね。

 主演のファン・ジョンミンといえば、『アシュラ(2016)』『哭声/コクソン(2016)』などに出演している実在の韓国有名俳優。

映画『アシュラ』のワンシーン。黒幕である市長を演じるファン・ジョンミン
サンオフィス

 本人が「本人役」を演じるとかこういう設定は邦画でもたまにやってほしいですよね。
🤭面白そう。

 監督はピル・カムソンという方で、この作品が長編デビューらしいですが、全くそんなことを思わせない鋭さがありましたな。

 ストーリーは所謂「実話にもとづく話」で、2004年、中国で刑事役などで人気だったウー・ロウフーという俳優が誘拐された事件がもとになっております。

 展開もかなり速いし、無駄な部分は徹底的に排除してますね。最近は作り手側も意識してるのか、俗に言う「早送り視聴」する間もないって感じでいいんじゃないでしょうかね。

 特筆すべきは犯人側のリーダー役が『ヒメアノ~ル(映画版は2016年)』など古谷実の漫画に出そうな静かなサイコっぷり「怖さ」がすっげー良いです。なんでも日本が誇る巨匠、そしてボクの通っていた日本映画学校(現・日本映画大学)の創設者、そして初代校長でもある今村昌平監督の『復讐するは我にあり(1979)』の緒形拳さんを見せて演技の参考にさせたのだとか。

映画『人質/韓国トップスター誘拐事件』のワンシーン、キム・ジェボム
クランクイン‼

 その犯人側のリーダーを演じたキム・ジェボムという俳優さん、どことなく「嵐」のニノくんみたいな雰囲気がありましたね。

 彼にも一度こういうの演じてほしいね~。まあ日本でそういうのは「好感度が下がる」とかで事務所があまりいい顔しないのかもしれんけどw

「芸能人が誘拐される映画」で思い出しましたがマーティン・スコセッシ監督&ロバート・デ・ニーロ主演の『キング・オブ・コメディ(1982)』。有名コメディアンが熱狂的なファンに誘拐監禁されるコメディ調スリラーですが、あちらもかなり面白い作品なので、まだ観てないという方はぜひにも観ておいてほしいところ。
ジョーカー(2019)』と対比して見てみると面白いと思いますw

映画『キング・オブ・コメディ』のワンシーン
サブカルクソニートブログ

 彼ら役者の武器と言えば、そう「演技」。
 本作、『人質』でもなんとか犯人チームを「演技」でだまくらかして逃げられないものかと手足を縛られた主人公が悪戦苦闘します。その駆け引き押し引きこそがこの映画の前半の醍醐味(ん〜ここらへんはもうちょっといろいろやってほしかったかも🙄……)。

 そして後半はアクションへ、といった感じですね。 

『人質/韓国トップスター誘拐事件』のワンシーン、ファン・ジョンミン
クランクイン!!

 ボクが韓国映画を観たのはテレビの深夜にやってた『恐怖の外人球団(1986)』(DVD・Blu-ray販売なし)という、知る人ぞ知る、それはそれは「トンデモぶっ飛んだ」映画。

 カルト映画といってもいいハチャメチャぶりに日本やハリウッドとはまた違う衝撃を受けたわけですが、近年の韓国映画もまた、進化の飛躍が本当に凄いと唸らせられますやね……

 ↓こちらのポストのツリーからは現在でも観れるYouTube動画のリンクも貼ってあるみたいですね。

 にしても最近の韓国映画はハリウッドばりのアクションやチェイスシーンなど、もはや進化というより「突然変異」と言ってもいいほど。
 欲を言えば中盤から突如登場し、バッタバッタとなぎ倒すアクションを見せてはしれっと退場してしまう女性刑事。

😅なんとなくその存在がもったいないというか、ちょっと中途半端な描かれ方だったかな……くらいで。

 最後の最後にちょっとドキッとさせてニヤッと終わったのも良いね。

 ちなみにこの作品は中国のアンディ・ラウ主演『誘拐捜査(2015)』という映画が原作、そのリメイクとなっておりますが「企画はあったが先に撮られてしまった」という感じで後手に回ってしまっただけのようです。

 なので実質「別物」と思っていいんじゃないでしょうかね。
 この『誘拐捜査』、刑事役を演じたのが「実際に誘拐された」ウー・ロウフーが演じてるというのも面白いです。なんか頭がごちゃごちゃしてきますねw

 😀ではまた次回に!


〈作品の舞台〉

現代:大韓民国。後半のカーチェイスは首都ソウルや、ソウルに隣接するインチョン(仁川)でロケが行われている。好きにできるということで取り壊しが決まっている地域で撮影された。


[原題]
『Hostage: Missing Celebrity』 直訳で『人質:行方不明の有名人』




【本作からの枝分かれ映画、勝手に8選】


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