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Kの具合が良くないんだ。

パチパチと鳴り響くプラスチックの音。そんなに叩いたらそうなるわけだ。

***

その音は、いつかの雨音と同じくらい好きだ。心地が良く、耳の奥からスッと滞在的な第六感を優しく撫でてくる。

いつもなら、ただただ心地良い音なんだけれど、その音が第六感に到達する前の段階で、僕は少し気落ちしていた。

Kの具合があまりよくないんだ。

よくよく見てみないとそれはあまり気づかないかもしれない。でも、いつも僕はみんなを見てる。だからこそ、Kの異変に気づくことができた。

僕はその小さな変化を見逃さなかったことに、まずはホッと胸をなでおろす。

だって、Kの具合が悪いことを知らないままだったら、気づいた時には、Kが消えている可能性だってあったんだから。

でもまだ、Kはそこにる。

具合が良くないけれど、確かにKはまだそこにいる。

Kのことを考えれば、これ以上傷つけるわけにはいかない。でも、「か行」の存在は僕にとって重要だ。

生ぬるくなったブラックコーヒーの苦さが、いつもより僕の顔を歪ませた。

今日、Kのことについて決断しなければならない。

***

寒々しいアルミニウムに包まれたK。

日々、Kを酷使していたことは認めるが、どうにもリンゴに対しての懸念が消えない。

リンゴの仕業なんだろ。そうでなければつじつまが合わない。しかし、そんな風に誰かのせいにしたって、Kの具合は良くなるわけではない。

だから、Kの具合をできるだけ悪化させないようにしなくちゃならない。

だから、仕方ないだ。

僕には許せないんだ、そんな哀れなKの姿を見ながらパチパチすることが。

だからそっと蓋をすることにした。

Kの削れていく姿を見ると、イライラするんだ。いた、辛いんだ。

残念だよ、君の姿を見れなくなるなんて。

ちなみに、AとSはもうずいぶん前からダメになってた。

だから、もう蓋をしたまま。

あと1年くらい経ったら、僕の友人たちはすべて無刻印になってしまいうんだろうな。

寂しくなるよ。 

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デザイナー/ブロガー/メディア編集長。月間20万PVの”自分の人生の【好きなモノゴト】を発信するブログ”『俺的デザインログ(https://oreteki-design.com/ )』を運営中。1981年生まれ。ここでは日常的なエッセイや小説などを書きます。