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明け方の若者たち 個人的な感想

ちょっと前から気になっていた明け方の若者たちをみた。

まず映画開始5分で黒島結菜が演じる『彼女』が携帯を無くして主人公の北村匠海演じる『僕』に話しかけるシーンがまず印象的だった。

明大前で開催された就活が終わった大学生の飲み会で、初対面の相手に対して携帯なくしたから電話番号言うからかけてほしいと言って電話番号を聞き出す。

なんてあざとい連絡先の聞き方なんだ。これなら自然と電話番号を打ってかけてしまう。自分がやられても何の疑いもなく自然と電話番号を教えて交換することになってしまうんだろうなと思った。

その連絡先から

「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」

なんてきた時には誰だって行っちゃうよね?

そんなこんながあり飲み会を抜け出し『彼女』の元へ向かった『僕』は年上の『彼女』に惹かれ恋心を抱いていくという話だ。

あ、これ完全に花束みたいな恋をしちゃったやつね

って思いながらずっと見続けていた。普通のカップルが幸せそうにしている話だ。舞台を見に行ったり一人暮らしを始めたり旅行に行ったりとごくごく普通のカップルがすごく幸せそうに暮らしていて社会人一年目で苦労しながらも幸せに過ごしている姿が描かれているんだなと思ってたある時点までは。

物語が半分くらい進んだところで見ていて何だか違和感を感じ始めた。最初の違和感はフジロックに対抗するために行った旅行先でのことだ。ホテルで2人で楽しく枕投げしたり海見たり食事したりしている。何の変哲もない幸せな時間。

ベットシーンが始まる。

事後に『僕』が泣きながら好きだと言うが『彼女』はありがとうと言ったのだ。

ん? ありがとう? ん? 泣いている?

どうやらおかしい。何かがおかしいと感じた。案の定その後『彼女』からの連絡は1週間ほど来なくなる。

その間に『僕』友人とバッティングセンターに行くシーンがあり、そこでの友人の一言でこの違和感の原因を理解することになる。

「いくら好きでも相手が結婚してたらハッピーエンドは望めないよ」

え?『彼女』結婚してたの?

その後回想シーンが入ってくるのだが最初から『彼女』が結婚していることを知っていて一緒に遊んでいたことがわかる。

花火を2人でしているシーンがあるのだが、どんなことでも終わりはくるという『彼女』の言葉に『僕』が少し落ち込んでいた理由がその時分かった。

1週間後に『彼女』ともう1度会い喫茶店で話をする場面で一番胸が苦しくなった。

『僕』が最後に

「嘘でもいいから言ってほしいんだけど、少しは好きでいてくれた?」

と聞きその答えとして『彼女』が

「ごめんね ちゃんとすごく好きだったよ」

という場面でめちゃくちゃ苦しくなった。

共感できたシーンは『僕』が傷心している時に友人たちと風俗に行くことになって『僕』は風俗に行くことになる。

そこでミカさんという風俗嬢に心を見透かされ好きだった子はどんな子だったの?と聞かれ

「ミカさんより貧乳だった」

「貧乳好き?」

「別に」「でも好きな人のならなんでもよかった」

というシーンがあるのだが好きな人のならなんでも良いっていう部分に共感できる。もしそれまで自分が好きではなかったものでも自分が好きな人が好きなものなら好きになるし、好きな人のものなら何でも好きになってしまうというのは自分も同じだなと思った。

もうすでにかなりのネタバレだがこれ以上書いたらさらにネタバレになるのでこの辺で終わりにしよう思う。

最初に感じた花束みたいな恋した作品かなという感覚は全く違うことだけは伝えたい。

ではまた。

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