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泣いて食って寝て、最後に笑うのは私だ。

専業主婦になって2年目になる。

まさか自分が主婦することできると思っていなかった。なぜなら、私は結婚するまで実家から出たことがなかったからだ。オフィスでパソコンをいじったり、かかってきた電話を受けたり、人の話を聞くことは出来ても、毎日の生活維持に焦点を当てて生きたことがない。

大学卒業してからずっと働いてきた。ある専門職として朝から晩まで、他人の幸せのために必死に働いた。仕事が終わってからも勉強したり仕事のことを考えたり調べたりして、あっという間に1日が終わっていった。気がついたらオバサンになっていたけど、特別気にならなかった。

と、いうのは嘘だ。

仕事から帰る電車の中で、このまま年老いていくのかと不安に押しつぶされそうになることも多々あった。先々の不安や恐怖を感じていることすら見ないようにして、仕事をして、ただ毎日を過ごしていた。

主人と出会って、恋に落ちて、あっという間に結婚した。結婚が決まってから慌てて母に料理を教わった。あと、母にこれまでしてもらってきたことを改めて教えてもらった。きっと家事なんて誰でもできるし、なんとかなるんじゃないかとか思っていた。

実際に主婦を始めてみると、私はいろんなことが苦手で、誰でもできるようなことが思うように出来ないことが分かった。結婚さえしなければ、自分が出来ないことにも気づかずに仕事だけして生きていけたのに、とか思ったりした。四苦八苦しながらなんとかやっていることを、主人は褒め続けてくれたのが救いだった。彼のお気に入りのセーターがピチピチになってしまっても怒らずに、塩辛い煮物でも美味しいと食べてくれたことには本当に感謝している。

衣食住が整うと心地よい。当たり前のことだけど、当たり前なんかじゃない。独身時代、ヘトヘトになって帰ってきても綺麗なベッドで寝ることが出来たのは、家族が洗濯してくれていたから。日中に布団を干しておいてくれたからなのに、そんなことも、仕事ばかりしていて気づかなかった。享受だけして生活を維持することに協力してこなかった。だから今は、一生懸命働いて帰ってきた主人のために、気持ちの良い布団を用意して待っている。

私はとっても幸せに生きてきました。それに気づくことがあまりない人生だった。これからは、今まで受けてきた優しさが誰かに繋がればいいのになって思った。そして、誰かの転ばぬ先の杖になればいいなとかも思った。なんだかふと、自分の経験を文章にしたいと思った。くだらないことでも誰かの役にたつかもしれない。

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