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災害、守るべき命は?

CWAP?

災害時に被害のしわ寄せが行きやすく、特別な配慮が必要な存在を災害弱者と言います。

こども(Children)、女性(Wemen)、高齢者(Aged)、病人(Patient)の頭文字を取って、CWAP と総称します。

災害時における小児・周産期医療における問題点

災害急性期の医療を担うDMAT隊員の多くは、救急医であり、妊婦、新生児を含む周産期患者の扱い、幼少児(特に内因性疾患)には不慣れです。この為、災害弱者である小児・周産期の患者に目が行きにくい事は否めません。

また、小児周産期医療は、平時独立したネットワークを築き、特に新生児領域では独自の搬送のためのネットワークが形成されている地域が多く存在します。発生する患者数に対して、救急車なども含めた医療リソースがふんだんにある状況では、大変有効に機能しており、日本の新生児死亡率は世界の中でもトップレベルに低い状況にあります。

小児周産期医療の担い手である、新生児科医、産婦人科医の先生方は平時のネットワークが有効であるが故、それに頼ろうとします。しかし、災害時はこれらの連絡手段、搬送方法、ネットワークが全て破綻します。医療のニーズが供給を大幅に上回る中、災害急性期医療を担うDMATがなんとかその病院間のネットワークを維持し、医療供給を維持しようとしていますが、なかなか災害時の医療体制そのものが浸透していないのも事実です。

これらを背景として、東日本大震災では、小児周産期医療における問題点が以下のように挙げられています。


【参考文献】
災害時小児周産期リエゾン養成研修資料

小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン