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からすのパーティ

わたしが悪いんです。
うっかりゴミ袋を外に出しっぱなしだったわたしが悪いんです。

空気でぱんぱんに膨らんだゴミ袋は無惨にもペチャンコになっていた。
ゴミ袋には人間の手のひら大ほどの穴が開けられており、そこから色とりどりの紙屑が引きずり出されていた。
あまりのカラフルさにパーティ後の紙吹雪を思い起こしていた。

犯人は、アイツだ。アイツしかいない。
カ、ラ、ス。
早朝5時に見かけた、あのときのカラスなのか…
わたしがアイツの道路ど真ん中での食事を邪魔したことへの復讐なのか…
アイツにとって紙屑のなかを漁るその瞬間はパーティだったに違いない。くそう。

しとしとと降る雨を吸い込んだ紙屑を箒と塵取りでとる。
ずっしりと水分を吸い込んだ紙屑がこんなに重いなんて知らなかった。
片付けから始まる一日、パーティ後のアイツはきっとどこかで道路の真ん中をつついている。

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