おくりものパワー
バイト帰りおひるすぎ、ちいさな雑貨屋さんがあいていた。
かわいいものがたくさんならんでいた。
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ふと、友人の誕生日が、このまえの自粛期間の間に過ぎ去っていったことを思い出した。メッセージは送ったけど、自分の中でちいさなイベントになってしまっていた。
「友人の誕生日プレゼントを買おう」
彼女はメイクが好きだ。
化粧品を買おうと思った。
でも、わたしはあまり詳しくないし、色の違いとか分からない。彼女はきっと、自分に似合う色は自分で知っているだろう。
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次に、部屋に置くにおいを買おうと思った。
彼女の部屋を思い出しながら、あの雰囲気に合うにおいはどれだろう
いつもどんなにおいの香水をつかってたっけ
でも、においはほんとうに好みがわかれる。自分じゃ選ばなさそうなにおいは、ただ単に選んだことがないのか、それとも好まないのかわからない。
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次に、ぬいぐるみを買おうと思った。
彼女の部屋はちょっとクールで、唯一部屋にあるのはトラのぬいぐるみだった気がする。
このうさぎちゃんのぬいぐるみを贈ったら、食物連鎖が起こるかもしれない。
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なやむなぁ
何を贈ったら喜ばれるのだろうか?
すごくなやむけど、なぜだろう、すごくたのしい。ワクワクする。
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贈り物をするとき、ほんとうに幸せなのは「贈る側」なんだとおもう。
なんでかって、贈る側は1つのプレゼントにつき3回幸せをもらえるから。
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まずなにを贈ろうかなやんでいるとき。少なくとも悩んでいる間はずっと相手のことを考えるわけだ。
今まで自分の生活の中にそこまで入り組んでなくて、よく知らなかったけど、「贈る」というイベントを通して今まで自分が見てきた「相手」を手探りであたまの中をさがしていく。
そうすると、今まで気づかなかった相手の側面にきづく。
「好きそう」の直感がどんどんするどくなっていく。
相手のよろこぶ顔を想像すると、おもわず顔がゆるんでしまう。
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そして、一生懸命かんがえた贈りものを相手にわたすとき、相手の反応をみてまた、顔がゆるんでしまうだろう。
自分の贈るプレゼントで、相手に笑顔が生まれる。
こんな幸せなことはないだろう。
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そしてさいご3つめ、相手がそのプレゼントをつかっているとき。
たとえばプレゼントを渡して数か月後、相手の部屋を訪れた際に、自分がわたしたプレゼントが飾られてあったら?
プレゼントを渡して数か月後、相手がそれを使っている場面に遭遇したら?
めっちゃうれしいとおもう。「あっそれ!」って言いたくなると思う。
相手に気に入ってもらえたという実感、相手の生活に自分の化身がはいっていって、より親密になれたという感覚、さまざまなものがうまれる。
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自分にとってなんでもなかった日が、誰かの特別な日だから、自分の特別な日になる。
だれかの幸せを、いっしょによろこべるようになる。
目に見えない幸せを、目に見える形で、のこすことができる。
「すてき」だ。
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結論?
わたしはFOR OUTDOORのボディースプレーを買った。
彼女は全くアウトドア系ではないけど…(笑)
わたしがアウトドア好きで、そのスプレーは虫よけもできて日焼け止めにもなってにおいもさっぱりしてて、めっちゃええやんってなったから。
たぶん、自分じゃ絶対買わないだろうし、、、
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彼女は、これをもらったとききっと、
「ももらしい(笑)」
って言って笑うだろうから。
放浪癖もち飽き性単位諦めがち注意散漫の限界大学生です