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トランスジェンダーの葛藤と理解がわかる3つの作品

こんにちは

「トランスジェンダー」一度は耳にしたことのある言葉だと思います。

男と女。

この大きな枠組みに収まらない性のほんと。

そして性を中心に考えた時の社会について。

現代では世の中にも浸透し理解が深まっているテーマですよね。

私の友達のひとりに、トランスジェンダーの子がいます。私にとってはごく自然なことで人間関係を築いていく上でなんの障害も感じたことはありません。当たり前ですがひとはみんな違うのだから。本当にそう思うのです。私だって、好きになる人はいつだって悪趣味だとか周りに言われたりしますけど、全然気になりません。笑

そのような思考、価値観が生まれたのは映画の影響が大きく関係していると思ったのです。

トランスジェンダーをテーマに取り扱っている映画は数多くあり、先日私が観た作品がたまたまこの題材を取り上げていて、久しぶりに感銘を受け数日経ってもなかなかこの気持ちを消化できずにいるので今回はジェンダーについて書こうと思ったわけです。

これを機にジェンダーについて少し考えてみませんか。

そして映画が新しい気付きをくれるヒントになるかもしれません。合わせておすすめの作品も紹介しますので最後まで是非お付き合いください。


トランスジェンダーとは


まず、トランスジェンダーとは病気(精神疾患)では無いということ。

これはWHOが2018/6に発表しています。

簡単に言うと社会から割り当てられた性と自認する性が異なるセクシャリティのことを指します。

トランスジェンダーとは、大きく「トランスセクシュアル」「トランスヴェスタイト」「トランスジェンダー」と3種類に分けられます。

1. トランスセクシュアル(TS)

こちらは先ほど説明した身体的性と性自認が一致していないことに対して違和感を抱いていること。

2. トランスヴェスタイト(TV)

性自認と身体的性は一致している状態で、それとは異なる服装を身にまとう状態。又の名をクロスドレッサーともいうようです。

3. トランスジェンダー(TG)

トランスジェンダーの中のトランスジェンダーという狭い意味で、ここでは性自認と周囲からみられる性が異なる状態を指します。

例えば性自認も身体的性も男性だが女性としてみられるといった場合。

広い意味では、この上記の状態と1.2を合わせたもの

ということになります。


今回紹介する3つの映画はこれらが広義の意味で取り扱っている作品を取り上げたいと思います。


「彼らが本気で編むときは」(2017)

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時間/ 127分 監督/ 荻上直子 キャスト/ 生田斗真、桐谷健太 他

予告編

荻上監督をご存知の方はかもめ食堂やめがねといった癒し系を想像されるかと思いますが、本作も終始優しさで溢れている時間が流れます。この作品が冒頭で私が久しぶりに感銘を受け、改めて性を考えさせられた作品ですが、第67回ベルリン国際映画祭・パノラマ部門正式出品、ジェネレーション部門特別上映作品で、ベルリン国際映画祭で日本映画初のテディ審査員特別賞と観客賞の二冠に輝いている注目を浴びた作品のひとつです。

あらすじ

体は男、心は女のリンコとその恋人マキオ、マキオの姪っ子で母から育児放棄された少女トモとの60日間の同居生活を描いたヒューマンドラマ。

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今作は監督自身の経験と、ある出会いから生まれています。12年前海外で感じた性に対しての日本とのギャップに「日本だからしょうがない」と諦めていたそうですが日本で息を殺して生きているセクシャルマイノリティの人々から目を背けることができずに出会ったある親子を題材にしたそうです。「性は男と女だけじゃない」そんなメッセージです。

社会問題も同時に含めていて、様々な視点、角度からトランスジェンダーが語られているところがむずがゆくも現実味があるのですが、映像がとても綺麗で、何と言っても主人公リンコの心の優しさと温もりがこの映画に深みを与えています。家族、母親の愛とは何かじっくりと考え直させてくれました。

Netflixで鑑賞できますので是非、一度は観ていただきたい作品です。


「わたしはロランス」(2013)

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時間/ 168分 監督/ グザヴィエ・ドラン キャスト/ メルヴィル・プポー、スザンヌ・クレマン 他

予告編

あらすじ

主人公は国語教師ロランス。30歳の誕生日にロランスはガールフレンドのフレッドに自身がトランスジェンダーであり、女性として生きることを願っていると告白する。その告白がもたらす自由と苦悩、葛藤を描いた愛の物語。

私がグザヴィエ・ドランを知るきっかけとなった思い入れ深い作品で、当時ストーリーはもちろん、映像美やキャストの独特な撮影技術全てに惹きつけられました。

最初は戸惑いながらも恋人フレッドはロランスの理解者として未来へ歩んでいき、それぞれが自分の道を見つけていく過程での感情が音楽や色彩に彩られる様には目が離せません。

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- 「取り戻した健康、破滅した危機」

-「思い出なき希望に君の名を記す」

-「自由」

彼のピックする言葉にいつもえぐられるような痛みと心地よさを感じます。外に出られない今、美術館に行った後のような満足感やアーティスティックさに感動します。心が豊かになるそんなおすすめ作品です。

こちらはU-NEXT、Prime videoで鑑賞可。


「アバウト・レイ 16歳の決断」(2015)

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時間/ 92分 監督/ ギャビー・デラル キャスト/ ナオミ・ワッツ、エル・ファニング 他

予告編

あらすじ

16歳になったレイ。身も心も男の子として生きたいと決断した。医者から受け取ったホルモン治療の資料をレイから手渡されたシングルマザーのマギーは戸惑い共に暮らすレズビアンの祖母ドリーもレイのことを理解できずにいた。そんな複雑な家族がぶつかり合いながらもやり直していく感動作。

オリジナルタイトルの「Three generations」がしっくり。様々な生き方を肯定していてこの物語の本質だともいえます。なかでも母親マギーがレイのために奮闘している姿がもう。性を変える大きな手助けをそう簡単に決められるわけもなく、ここの葛藤にも焦点を当ててあるのがラストシーンのレイを見つめる瞳の感動的シーンにも繋がっていると思いました。とても清々しく色んな形のゴールがあり、答えはひとつじゃない。素直に生きるための希望のメッセージが感じとれます。あまり喋りすぎるとネタバレになってしまうので続きは是非本編をご覧ください。

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感動物語ですが、コメディータッチなので観終わった後も気落ちすることなく楽しめます。トランスジェンダーを演じたエル・ファニングの演技も必見です。美少年。


最後に


つくづく思いますが、映画は本当に色んな意味で大きな影響と思考する時間を与えてくれます。

映画を観終わった後に誰かと感想を共有して意見交換をするのが映画の醍醐味だとも思っていましたが、ひとりで考えもの思いにふけるのもいいですね。

今回紹介した作品はとてもポジティブにトランスジェンダーというテーマを捉えていて専門的な知識がなくとも踏み込みやすいストーリーです。ジェンダーに関わらず、今まで考えてもみなかったトピックや価値観に触れてみる良い機会かもしれません。

映画が誰かにとって素晴らしい人生経験になりますように。

Filmarks @mmko1220

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