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ミスドの思いド

あれは約30年前。私がまだ幼稚園児で、足立区の西新井駅前にあるイオンがまだニチイというショッピングセンターだった頃。ニチイの1階にあったミスドに母と幼い弟と毎週水曜日に通い、スクラッチタイプのラッキーカードを10点分せっせと集めることに必死でありました。

当時狙っていたのは、ミスドでお馴染みのオサムのお皿でした。男の子と女の子の絵柄があり、女の子のお皿は少し前に貰っていたので男の子のお皿を狙っていたのです。今日こそはお皿を貰うぞと意気込んでラッキーカードを削ったところ、幸運にも合計10点分集まりました。私は嬉しくて鼻息を荒くしながらレジのお姉さんに『男の子のお皿をください!』とお願いしました。

ところが、残念なことに男の子のお皿はちょうど在庫切れのため女の子のお皿しか渡せないと謝られてしまったのです。弟に男の子のお皿をあげたかった私はとても悲しい気持ちになり、レジの前で泣きそうになってしまいました。涙がこぼれそうになった時、レジ横に見本として本物のお皿が飾られていることに気づいたのです。私は思わず『ここに男の子のお皿があるよ!』と店員さんに叫びました。店員のお姉さんは少し戸惑いながら『そうだね、お皿あったね』と笑って、見本の男の子のお皿を土台から剥がし、皿底の粘着テープもきれいに取り除いて渡してくれました。

優しく機転を利かしてくれた店員さんの神対応に感動したことを今でも覚えています。今のご時世では、バイト的な店員さんお一人の判断ではなかなかこのような寛大な対応は難しいかもしれませんが(いろいろとコンプライアンスとかルールとかありますもんね(^_^;))、あの時代ならではのおおらかで素敵なサービスだったのではと思います。ちなみにこのやり取りを近くで見ていた母は帰り際に『やるじゃん!』と一言褒めてくれました。シャイでなかなか褒めてくれない母からのこの一言は今でもミスドがくれた良い思い出です。

ちなみに男の子&女の子のお皿は、1986年11月の『直径23cmのOSARA』でした。

これからもミスドは私の人生の大切な場所です。50周年おめでとうございます。


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