こんなふうに P8(goチンパー)
「ちょっと誰か手伝ってくれよ」
早朝自分の絵を持ってきて売ることにしたおじさんは
パタパタと説明に忙しそうだった。
どの絵も5000円。
若い人には厳しい額だろうか
それぞれに交渉してくる。
「俺は100万円で売ろうとしていたんだぞっ」おじさんは言う。
こそこそと笑い出すゲスト達。
「100万円とか」「まじか」
「それな」「それはない」
「それをお前らみたいな若造に譲ってやろうと5000円にしたって言うのに、ったく、値切ってくるなんて、お前らはバカか」
何故かその言葉に若者達は笑みをこぼしながら次を待つ。
「人の情けもほどほどだ。それ以上は安くしないぞ!」
おじさんは手を振りまわす。
特に人気がある「goチンパー」は
上空に真っ赤なチンパンジーが描かれていて
その陰は鳥の形になっている。
おじさんが言うには
「どこまでも逃げていける鳥が、いつか自分の好きな姿になれる様子だ」
そうで
「ああ~!この世界には逃げ場所が空しか無くなったあ~」と
天を仰いで独り芝居のように嘆いた。
この言い回しがゲストに受けるらしい。
「この絵を値切るなんておまえらはバカだ」
「何度も言うね」「クスクス」
「この絵を得ると言うことはな。物欲を満たすだけじゃなく、誰かをいっときでも救えるんだ。いっとき、そう、いっときだよ。一生は無理だ。それでもな、一度でも美味しいご飯をおごってやれるんだ。お前らだって美味しいご飯を食べたいだろう」
・・・・・・・・
おじさんの独り芝居横町を存分に楽しんだ後、数人が欲しいと手を挙げた。
「みんな本気か?」おじさんは言う。
だって値切っていた時よりも人数が増えたんだもの。
黒の超ワイドサテンパンツに白の高級Tシャツ。それに黒のロングシャカジャン。シルバーのアクセサリーをした若者が一歩前に出て
「じゃあさ、オークション形式にしようぜ」と言った。
手にもっていた分厚い財布を掲げて。
おじさんは慌てた。
「そんなのはダメだ。不公平じゃないか!
お前が100万に値段をつり上げるつもりだな。
俺はお前みたいな奴には売らないぞ!
金が物を言う世界はこの店の外だけにしてくれい」
黒い若者はニヤニヤと財布を開き
「買いますよおじさん」と言った。
おじさんはカウンターにメモ用紙を取りに来た。
「今時の若者で遠慮しなでものを言うのがいるなんてなあ。
面倒になっても身を引かない珍しい連中だ。
俺の絵を家に飾りたいと思っている奴らが?あんなにいるなんて、、
、、、奇跡はあるんだなあ」
呟き
しばらく考え込むと
用紙に数本の線を引いた。
そして振り向いたとおもうが紙を振り上げた。
「ほら、あみだくじだ!」
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takuが周りをくねくねと踊る。希望者の中には「やおよろずの橋」を描いたリーンも混ざっていた。
「私も今の自分に捕らわれずにここを逃げ出すわ」
jはそのやり取りを見るともなく眺めていた。
・・・・・・・・・・・・
To be continue...
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price・・・・・3,000円~1,000,000円
金額内訳・・・50%アーティストへ
50%目的資金(食べられない人の食料になります)
絵の価値・・・購入金額の50%になるか100%になるかは
あなたの想い次第です。
レンタル・・・月に5000円
事務所や会社のロビーをギャラリーにして下さい。
絵の交換可能です。
コーヒー・・・・・100円
オニオンスープ・・100円
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