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米国の引き起こす戦争について--「三正面戦争」

 米国は第二次大戦後、世界の覇権国となり圧倒的武力・圧倒的核戦力で世界を支配してきました。そして、世界のあちこちで戦争を引き起こしてきました。朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争など、みな他国の政権の転覆を目指し乗り込んでいった侵略戦争です。
 現在、米一極支配体制が崩れ始めています。その対極にはグローバルサウスの台頭、世界の多極化があります。そういう時代にあって、米国は一極支配を維持するために「三正面戦争」を強行しています。この戦争に米国はG7諸国を筆頭に日欧の西側諸国を巻き込み、軍事費急増、戦争経済に従うように要求、日欧諸国はこれに応じています。

「三正面」とは

「三正面」とは、対中東、対ロシア、対中国です。21世紀の世界戦争であり、それをいかに停戦に追い込み、阻止するか、これは今日の人類の重大な課題となりました。

①   中東…ガザ大虐殺戦争が周辺諸国を巻き込む中東戦争へ拡大される危機

 米・イスラエルが、ガザ侵攻の行き詰まりを軍事的暴走と戦争の拡大で打開しようとしています。対レバノン、対フーシ派、対シリア、対イランの全面戦争へと拡大する危険が高まっています。
 ガザのジェノサイドへの対抗措置を取る、ヒズボラ・レバノンへの軍事越境攻撃は既に繰り返されています。同じくジェノサイドへ対抗阻止をとるイエメンのフーシ派拠点へは、米軍・英国軍がミサイル攻撃・空爆を繰り返しています。4月にはシリアのイラン大使館をイスラエルが空爆したり、8月にもイランへの攻撃でハマスの最高幹部・停戦交渉の責任者ハニヤ氏の爆殺などを行っています。戦争がどんどん拡大されています。
 ハマス殲滅、ヒズボラ・フーシ派制圧、反米イランの破壊、それを通じた植民地主義的、帝国主義的な中東支配が、米・イスラエルの共通の利害となっており、米・イスラエルのやりたい放題をこのまま許せば中東大戦争が現実のものとなります。
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② ウクライナ(対ロシア)…欧州大戦争の危機 核戦争の危機

 ウクライナ戦争も、ウクライナによる「代理戦争」状態から、NATOによる対ロシア戦争・欧州戦争へと拡大する危険が高まっています。NATOの75周年首脳会議(7月)では、停戦が議論されるのではなく、疲弊しきっているウクライナに対して、事実上、引き続き先頭に立って最後までロシアと戦うことを要求しました。引き換えに、約7兆円の支援とウクライナ支援の新司令部創設、対空ミサイル、F16など武器・弾薬供与を継続するとしています。
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 その一方で、米・NATOは対ロシア全面戦争の準備にも入っています。
 北欧でNATO加盟国を増やしロシア包囲を拡大しました。
 ドイツ・ショルツ政権が軍事費急増、大軍拡を開始しました。
 フランスは繰返し派兵の意思を示しています。
 英国は軍事費GDP比2.5%への拡大を決めました。
 NATO全体が対ロシア戦争のための軍の増強に走り始めました。
 ウクライナ・ロシアに近接のルーマニアには欧州最大のNATO基地が建設されています。
 NATO即応部隊の規模を、4万人から30万人に拡大すると言います。
 米国はINF全廃条約後、初めてドイツに中距離ミサイルを配備することを決定。実現するば対ロシア核戦争の危険も高まります。
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https://vpoint.jp/world/eu/230135.html#google_vignette ←ルーマニアに欧州最大のNATO基地 


③  中国…自衛隊・日本列島がその最前線に

 3つ目の戦線は中国です。
 日本、韓国、台湾、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランドなど、同盟国を総動員した対中軍事包囲体制が構築・追求されています。これに欧州のNATO諸国も合流させて、対中軍事同盟が「アジア版NATO」を構築しようとしています。
 日米安保の歴史的な大転換で、自衛隊は、対中戦争の指揮を担うことになる米のインド太平洋軍の統合司令部に指揮系統が統一されることになります。自衛隊・日本列島は対中戦争の最前線に立つことになります。
 米国が「台湾有事」を引き起こせば、米軍指揮下の戦争に自動的に突入するという極めて危険な体制整備が進められているということです。
 比・豪・英・独と軍事的連携を推進していますし、日米韓や多国籍での共同軍事演習が強化され日常化されています。日本は、この「アジア版NATO」構築を先頭に立って、対中戦争の準備を強力に推進しています。

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