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実は気になっている人が多いんです!日系大手企業へのPM転職実態

みなさんこんにちは。クライス&カンパニーの松永です。
今回のnoteでは、日系大手企業におけるプロダクトマネージャー採用、転職の実態についてお話しします。
近年、日系大手企業におけるプロダクトマネージャーの需要が増えており、一方で特にシニアPMの方々からの転職希望も増えている傾向にあります。

どんな企業でPM募集がある?

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の流れの中で、新しいサービス創出やビジネス変革を目指す企業が多く、そうした企業でのPM募集が増えています。
これまでのフィジカルな商品の販売やオフラインでのサービス展開だけではなく、デジタルの力や大量のデータを利用した新サービスの立ち上げに関わるポジションです。

傾向としては消費者に近い事業を展開している企業から徐々に増えてきています。具体的には流通・小売や、金融の中では保険、toCの一般消費財メーカーなどです。

<募集企業の一例> ※本社採用パターン
東急、良品計画、ベネッセコーポレーション、日本経済新聞、ユニ・チャーム 、ソニーグループ、パイオニアなど

その他、デジタル子会社を設立して採用するケースもあります。これには、優秀なデジタル人材の給与をできるだけ維持して採用するために、既存制度とは異なる給与レンジや評価基準を作るという意図があります。
いわゆる「子会社」というと本社より劣後してしまうイメージもありますが、DXを推進するための「出島組織」という位置づけとご理解ください。

<募集企業の一例>デジタル子会社採用パターン
ニトリデジタルベース(ニトリ)、TFHD digital(東急不動産)、GAKKEN LEAP(学研)、OPhrs(小野薬品)、MCデジタル(三菱商事)、InsightEdge(住友商事) など

どんなPMを求めている?

上記のような企業へ応募するにあたり、ポジションの必須要件にはどのようなことが書かれているのか、一部をご紹介します。

・複数のステークホルダーのマネジメント経験
・アジャイル開発経験
・Webサービス/プロダクト系企業でのPdM、プロデューサーなどの経験
・大規模Webもしくはアプリサービス開発のプロジェクト管理、プロダクト管理の経験
・BtoCサービスの企画経験
・WebやアプリのUX/UI設計の経験
・新規デジタルプロダクトの企画・開発・運用を立ち上げから一貫して行った経験
・エンジニア、デザイナーと協業し、事業を成功に導くコミュニケーション能力
・新規事業の立ち上げ経験
etc…。

ざっくりまとめると、
「Webサービスの企画開発経験があり」「複数のステークホルダーと関わりながら」「新規事業を立ち上げられる」「アジャイル開発に精通している方」
という感じでしょうか。
ここに企業によっては関わったサービスの規模感などの条件が入ることもあります。

どんな人が実際に日系大手企業に転職している?

弊社でも多くの方のご支援をさせていただきました。内定となった方々のご経験の中から傾向のようなものも見えてきており、その一部をご紹介させていただきます。
※下記を満たしていないと難しいというものではありませんが、いずれかの要素を持たれていることが多いです。

■出身企業
・WebやSaaSの企業でも大手、メガベンチャーと呼ばれる企業に在籍されていた経験のある方が多い
・コンサル出身者もいるが、コンサルだけでなく前後で事業会社経験がある

■年齢層
・30代後半以降での決定が多い。年齢が高くなるほど圧倒的な成果や、特定領域(デザイン、UX、開発など)のとがった強みがあることを求められる。
・大規模なプロジェクトマネジメントの経験者なども評価されやすい。
・~30代前半での決定は新卒大手→現在ベンチャーという経歴が多い

■業務経験
・手を動かして開発した経験(現在でなくとも、キャリアの初期でもOK)
・外注と内製を併用していた経験
・多くの社内の関係者、特に利益相反する他部門との折衝
・(クライアントワークの中で)エンタープライズの顧客の社内力学を理解し提案も行った経験
・サービスを立ち上げ、現職の事業の柱にまで育て上げてきた経験
・特定分野関する圧倒的な知見(UXや開発などのスキル、ECや決済などのサービス領域 など)

「複数の、複雑なステークホルダー間の調整」は特によく見られているように感じます。また、企業から出されている必須要件にないところで言えば、一人前に自走できるのは最低限のラインとして、できれば「責任者としてサービスを立ち上げた」くらいの経験がある方が安心して採用ができるという本音が見えます。

日系大手企業を選ぶことはPMのキャリアとしてどうなのか?

今までになかった「日系大手企業のPMポジション」をキャリアとして選択することについて、私なりの見解もお伝えしたいと思います。

ポジティブな面

明確にキャリアの幅出しができる点です。
弊社顧問の及川も、LinkedInの曽根原さんも、PMとしての成長にはコンフォートゾーンを出て新たな挑戦をしていくことが必須であるとおっしゃっています。
具体的には以下のような幅が増えるでしょう。

・意思決定プロセスが複雑な中で関係者を巻き込みながら前に進めていく
・大量の顧客アセットを使い、既存事業とは別の新たな収益の柱を生み出す
・nonIT企業でプロダクト組織を立ち上げ、拡大する

これらはメガベンチャーでもできるのでは?と思われる項目もありますが、プロセスの複雑さや顧客アセットの膨大さはWeb企業とは一線を画します。
自らのスタンスをしっかりとり、ストーリーテリングをして、自らも手を動かしながら小さな一歩を積み重ねて大きなゴールにたどり着く、というPMとしての総合力が求められる環境でもあると言えます。

注意すべきこと(ネガティブな面とは言わないまでも)

一方、十分に注意せねばならないのは、採用企業の「本気度」の高さです。ここをしっかりと見極めなければなりません。
残念ながら「この求人って、プロダクトマネージャーですか・・・?」というところからの確認が必要な求人が出ていることもあります。「DXだ!プロダクトマネジメントだ!」という言葉だけが独り歩きして、まずはハコから作っていこう、という採用も存在するのです。

そういった本気度の見えにくい環境にある日系大手企業でPMとして働くことが、キャリアにあまりいい影響を及ぼさないのはご想像の通りです。
トップダウンで降りてきたことを実現しようとするだけ、関係者の調整をするだけ、そして変わった方針に右往左往するだけで数年が過ぎてしまうこともあるでしょう。

そうならないためにも、面接の中で
・部門のミッションがはっきりしているかを確認する
・部門トップと会話の機会を作ってもらう
・エンジニア等を含めたテック人材の採用状況、中途入社者の人数/比率
などは特に意識してみてください。

ミッション、アウトカムの期待がはっきりしているチームの採用であれば、まずはそこに向かっての体制づくりを進めているはずで、そのチームの一員としてどうか?という目線での採用になります。
そして目線が理解できれば、自身が活躍できそうか、新しいスキルが身につきそうかなどの判断材料を得られるのです。

また、部門トップとの会話の機会は必ず設定してもらいましょう。そこでミッション・アウトカムの期待値を改めて確認するのも有効です。
部門トップがどれだけの熱意や本気度で取り組んでいるのかでチームとして出せる結果がまったく違ってきますし、優秀な人材が集まるかどうかもそれ次第といっても過言ではありません。
あとは意思決定の権限が部門トップにどこまでゆだねられているのかを確認したいところです。経営からどれだけ権限移譲されているかも大事なポイントです。

最後に

日系大手企業におけるPMポジションは、新たな挑戦を求めるシニアPMにとって魅力的なキャリアパスといえます。
ただ、これはどんな企業を選ぶ際にも言えることですが、とはいえ結局は、日系大手企業に入ることが目的ではなく、そこで何を為すか、為したいのかがとても大切です。

この辺りの壁打ちも、もちろんお付き合いします!
新たな挑戦として日系大手企業を考えてみようかな?と思われた方はぜひご相談ください!

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