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[Game]ゲームはともだち、こわくない

フォロワーさんがコンシューマーのゲームを始めた。うれしくてうれしくて仕方ない。
ので、ゲーム作法(移動とかの操作方法や、"こういうオブジェクトがあったときは大抵裏になんか書いてある"的なお約束とか)にまだ慣れてない方でも、気軽に遊べるPS4のゲームを、独断と偏見でお届けします。

基準は以下に合致するものを選んでます。
・戦闘とかのアクションがない
・安価(ささっと遊べる)
・DLで買える
なので、いくらアドベンチャーでも、AAAタイトルの『Detroit: Become Human』とかは入ってません~。あしからず。

■『Gone Home』

<ストーリー>
1995年6月7日午前1時15分、1年におよんだ海外生活から帰宅したケイティ。しかし、なぜか家には家族の姿が見当たらなかった。
あなたはケイティとなって空になった家を探索しながら、家族がどこに行ってしまったのかを探ることになる。

このゲームは、ホラーではありません。ビジュアルから誤解される向きが多いようなんですが、むしろしんみり系です。
まあ家族が待っているはずの実家が真っ暗、というのは人によってはホラーなのかもしれないけれど、少なくとも心霊的な存在や、超自然の現象などは出て来ないので安心してください。

総プレイ時間は4時間程度。ゲームに慣れていなくても5~6時間あればエンディングまでは辿りつけると思います。

2013年の発表以来、少しも古びず愛され続けている作品。「ゲームならでは」の体験とはこういうことかと目をみはるようなつくりは、賞をたくさん獲得したのも納得。
ひっそりと火の消えたような家を歩き回り、電気をつけて回りながら、自分が巣立った場所で何が起きていたのかを探る行為は、懐かしさと切なさをともなった胸の痛みとともに、暖かな感情を連れてきてくれます。

家の中のオブジェクト(家具とか、本棚とか、置かれたモノ)をじっくり眺めながら、積極的に色々なところを漁ってみてほしい。きっと、ゲームが終わる頃には、大切な人に会いに行きたくなるはずです。
自分のペースで歩き回れるので、FPS(一人称視点)移動に慣れるのにも最適ではないかと。

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☆レビュー:「キャラクターがまったく登場しない青春アドベンチャー!? 90年代が舞台の『Gone Home』をインプレッション」【ファミ通インディーゲーム】

■『Unfinished Swan』

<ストーリー>
母親の描いた未完成の絵画。
10歳の少年・モンローは、その絵の中の白鳥を追いかけて不思議な世界を冒険する。絵の具やインクを発射して、ステージ内にある謎を浮き上がらせ、隠された謎を解いていく。今までにない不思議な体感アドベンチャーゲーム。

ゲームを開始すると、画面は、まっ白。
いつ始まるんだろう?と思っても、いっこうに何も起きない。
不思議に思い、コントローラーの右スティックを回す。左も回す。やっぱり何も起きない。ん?なんか、画面に中央に白いちっちゃい○が出てる。やっぱりこれ、ゲーム始まってない?仕方ないので、ボタンをガシャ押しする。するとどれかのボタンを押したとき、偶然に黒いボールのようなものが放られ、ぴしゃっという音ともに画面に黒いインクが飛び散った。ペイントボールだ!しかも、ペイントボールが当たって色がついた場所には、ベンチの形がうっすら浮き上がっていた。慌てて左スティックを動かして視点を回すと、どうやら草も生えているようだ。
何もないと思っていたまっ白な空間は、見えないだけでたくさんのモノに充ちていた。
ここに至ってようやく、これが亡くなった母のスケッチブックを手にした男の子の物語だ、ということを思い出す。

……というのが、私の初プレイ。衝撃がいまだに鮮明です。
すごく原初的な喜びというか、目の前に土があったらこねてしまう衝動みたいなものを上手に誘導して物語を紡いでくれる、不思議な感覚を味わえるゲームです。
シンプルでかわいく、どこか空虚なビジュアルのハイセンスさもさることながら、創造にすべてを掛けた人間のさびしさと誇りに焦点をしぼった、多くを語りすぎないストーリーも非常に秀逸。
ちょっとthe pillowsの「プライベート・キングダム」を思い出したりもしました。

プレイ時間はゆるく遊んで7時間程度かな?慣れてないと10時間くらいはかかるかもしれません。酔いやすいという意見もあるようなので、適度に休憩挟んでくださいね。

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(PS3のサイトにつながります。買うときはPS4のストアからどうぞ。)

■『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』

ついでに、『Unfinished Swan』と同じデベロッパーの次作、こちらもおすすめ。
ゲームと小説が一体化したような不思議な表現は圧巻です。ホラーじゃないです

『Unfinished~』は美術寄りの創作に執着がある人の共感を呼ぶのではないかと思うのだけど、『フィンチ家~』は読書好きにグサッと刺さる。物語をつい求めてしまうけれど、耽溺するのはいいことばかりじゃないよね。という物語の毒について、正面から向き合った良作です。
プレイ時間は5時間程度。

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☆レビュー:『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』レビュー。100年間の悲しみに耐えた屋敷と、そこに封じられた一族の魂

■『Firewatch』

このゲームには関しては、↓こちら↓のレビューにすべてがあるので、ぜひ読んで下さい。
「心に傷を抱えた大人たちを見下ろすワイオミングの大自然。一人称視点アドベンチャーゲーム『Firewatch』」
(※記事内では「日本語未対応」となっていますが、現在では完全ローカライズ版として発売されています。ご安心ください。)
ていうか、ミル☆吉村さんが紹介してくれるゲーム、ほぼ間違いがないのでおすすめですよ(小声)

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■『Everybody's Gone to the Rapture -幸福な消失-』

<ストーリー>
1984年、イギリスのシュロップシャーにある農村から住民や滞在者が全員消失した。プレイヤーは誰もいなくなった村“ヨートン”を訪れ、色々な場所に残された、人々の“想い”を見つけだしてゆく。消失した人々の“想い”を聞くことにより、“世界の終り”の謎を解き明かし、終末のドラマを再び体験するアドベンチャーゲーム。

人間が消えた世界、などというと怖い話と思われそうですが、これも、ホラーではありません
ある日突然、村からすべての住人が消えてしまったイギリスの田舎町。プレイヤーはこの村を訪れ、謎の「光の玉」に導かれて村の様々な場所をめぐることになります。
Raptureとは、キリスト教の終末思想における「携挙」を指していると思われます。
町に起きた「携挙」とは、果たしてなんだったのか。今生きていること、そのささやかで美しい幸福を噛み締めたくなる物語。
イギリスの風景が好きな人にもおすすめ。プレイ時間は5時間程度です。

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■『INSIDE』

最後にこの傑作を。
アクションは除外、と言っておきながら、これは横スクロール系謎解きパズルなんです、が!凄まじい傑作なので、どうしても紹介したくて……。
難しい操作もないので、マリオの最初の穴に落ち、クリボーやノコノコに屠られ続け死に続けた私にもクリアできました。難易度は決して高くないです。ご安心を。

寒々しい廃墟を駆ける一人の少年。彼が誰で、どこへ行こうとしているのか、目的は何か。
説明なしで幕を開けるこのゲームは、どこまで行っても暗く侘びしい世界が続きます。プレイヤーは何度も残酷な死を経験し、ステージ進めていくことで、少しずつ操作キャラクターの置かれた状況を推測することになります。
「近未来なのかな?」
「監視社会?逃げてるの?」
ちょっと怖くて不気味なビジュアルや、頭を悩ますことが快感になる数々のステージギミックに導かれ、気がつけばドはまりしてしまうこと間違いなしです。
そして、その先にある衝撃の真実とは。

最後に注意。
ラストに大きな大きなどんでん返しがあるので、プレイ動画系のネタバレを一切遮断することを強くオススメします。私はこのエンディングで、号泣しました。

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