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日本一深く潜る男、プロフリーダイバーの篠宮龍三さん

『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』は偉大な演出家、ピーター・ブルックの2週間にわたるワークショップに密着したドキュメ­ンタリー映画です。そこで語られる言葉は、演劇や創作という枠を超え、「クリエイティブの教科書」といっても良い内容です。

あなたのクリエイティブの教科書はなんですか?
そこからどんな影響を受けていますか?

今回は『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』公開記念企画として、アーティストやクリエイターなど、日々創作に携わる人達を中心に、「あなたのクリエイティブの教科書を教えてください!」というテーマで、連続ミニインタビュー特集を実施いたします。

様々なジャンルで活躍するクリエイター達が、何に出会い、何に影響を受けて、日々表現することに向き合っているのか?普段あまり語られることのないであろう、ど直球の質問にどんな答えが帰ってくるのでしょうか。

あなたのイマジネーションを刺激する情報が満載の特別インタビュー。

第1回目は、日本一深く潜る男、プロフリーダイバーの篠宮龍三さん。

フリーダイビングとは酸素ボンベを使わない潜水競技。2009年あのジャック・マイヨールの自己ベスト記録105メートルを超え、翌2010年水深115メートルを記録し現アジア記録保持者となる。国内唯一のプロフリーダイビング選手として国際大会を中心に参戦中。競技活動の傍ら、アプネアワークスの代表としてスクールや大会も運営している。また『ONE OCEAN~海はひとつ』を自身のメッセージに掲げ、海洋保護を訴える様々なイベントをプロデュース。まるでイルカのようにしなやかな体に呼応するかのごときしなやかな思考の持ち主で、心も体も人間の限界を超えて行く唯一無二のダイバー。

オフィシャルサイト http://www.apneaworks.com
著書:ブルーゾーン(オープンエンド刊)
   心のスイッチ(竹書房刊) 
   素潜り日本一 人体の限界に挑む(光文社新書刊)

【 interview 】                                                                                   Q. あなたの『表現の教科書』はなんですか?
A.  『アート・スピリット』ロバート・ヘンライ著(国書刊行会)            

本の紹介(「BOOK」データベースより)
1923年、当時人気画家だったロバート・ヘンライ(1865~1929)による実用的かつアジテーションに満ちあふれた美術講義録は、刊行後すぐさま若き芸術家たちにとってのバイブルとなる。以後80年ものあいだ、画家の名声は消え去っても書物は残り続け、芸術書としてだけでなく人生哲学の書として読み継がれてきた…幻の名著を本邦初訳でおくる。 

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 
ロバート・ヘンライ(1865‐1929)。アメリカの画家・教師。20世紀初頭、都市のリアルな現実を描くムーブメントを創りだした“ジ・エイト”のメンバーとして活躍。美術学校の教師としての名声も高く、教え子にエドワード・ホッパー、マン・レイなどがいた。1923年、講義や書簡をまとめた『アート・スピリット』を刊行。以後、若き芸術家のバイブルとして、現在も版を重ねている。

Q. そこからどのようなインスピレーションを得てどのように実践していますか?

A. 「この世をつかさどる自然の法則のなかで、人体ほど美しく、また意義深いものは、ほかにない」本文より ヘンライの言葉はアスリートにとっても深く響くものがあります。 自分の肉体とその動きをある種の作品に仕上げ、そして新記録という作品を作ること。アスリートでありアーティストでありたいと思っています。 映画の中のピーター・ブルックのこのような言葉が心に残りました。 「特別な才能がある役者は純粋な想像力と 身体の動きを正確に結びつけられる」 この「役者」を「アスリート」に置き換えてみても全くその通りだと感じました。多くのアスリートに観ていただきたい映画です。

Q. あなたが表現する上で一番大切にしていることはなんですか?

A.  本や映画、音楽などで、「ここではないどこか遠い場所」へ連れて行ってくれるような作品が好きです。フリーダイビングというスポーツを通じて、海の深みに挑戦するとともにそのチャレンジを見てくれる人がその心の中でどこか海以外の遠い場所へトリップしてしまうような、そしてその人の思考も言葉も行為も止ってしまうような、そんな美しい泳ぎが出来ればと思っています。


次号もお楽しみに!

9/20(土)渋谷・シアターイメージフォーラムほかにて全国ロードショー
公式サイト www.peterbrook.jp