あのミットに向かって2nd 28話(88話)
村上:健吾！すまん！
大:大丈夫
佑美:今のは嫌ですね…
監:嫌な流れだな
4回表、0ー0、2アウト、ランナー1・3塁
大谷が打ち取ったあたりをサードの村上がファーストへ悪送球
先制点を与え、2・3塁へとさらにピンチを広げてしまった
監:山﨑！準備しろ！
山﨑:はい！
村上:くそっ
せっかく健吾がいいピッチングをしていたのに俺がミスしてどうする！
拓:タイムをお願いします
今のはしょうがない
大:わかってます
ここまでピンチを広げた自分にも非がありますので
拓:ここを凌いで何もなかったかのようにベンチに戻ろう
大:はい
ウ:6番、センター、織田君
織田:1打席目はカットボールを引っ掛けてセカンドゴロ
ここはよくみていこう
拓:1塁空いてるし、最悪歩かせても構わない
ドン！
大:！？
拓:後ろには絶対に逸らさない
〇〇:これだよ
この安心感が俺たち投手を救ってくれる…
拓:こい！
大:これ程の人が俺のために身体を張ってくれる
これほど頼もしいことはない
ふー
俺はあのミットだけを目掛けて…
ゴゥギャンーーー
織田:なんだこの球！？
カキーン！
織田:手が出してしまった！
東海大菅原監:あのバカもん…
〇〇:！？
高津:パシッ
審:アウト！
実況:スリーアウト
ここは1点で凌ぎました。ピッチャーの大谷
解説:最後のボールはいい球でしたね
雷道高校は早く追いつきたいです
拓:最後、ナイスボール！
バンッ
大:ありがとうございます
〇〇:ナイスボールじゃねぇか！
はい、しっかり飲め！
大:ありがと
ゴクッ…ゴクッ…
〇〇:打順は誰からだ！
春:和真君からだよ
監:村上、この打席までだ
村上:わかりました
監:絶対に塁に出てこい
村上:はい！
〇〇:いけ〜
かずまっち！
真鍋:この先制点は大事に…
和多:1つずつアウトとっていこう
真鍋:コク
村上:ここまでチームに迷惑しか掛けてない
ぜってぇ塁に出る
和多:インコース厳しく
真鍋:コク
ンァ！
シューーーー
村上:ﾋﾞｸ
パァーン
村上:初球からインコース…
集中…
ギューーーン
ん！
バン
審:ボール
和多:ここは手を出さないか
村上:よし、みれてる
ビューーー
スパァーン
審:ストライク！
真鍋:よし
村上:ここまでは全部真っ直ぐ
きた球を打つ
和多:アウトコースに手を出さないのは苦手なのか？
もう一度…
真鍋:コク
んらぁ！
シューーーー
村上:ここまで手を出さなかったのは誘ってたんだよ！
カキーン！！
真鍋・和多:！？
村上:シャー！！！
バシッ
観客:うお〜
三塁側スタンド:シャー
実況:セカンド、友坂のジャンピングキャッチ
super playだ！！！
村上:マジかよ…
(今日ついてねぇ)
〇〇:ドンマイドンマイ！！！！
いい当たりだったよ、かずまっち！
春:これは向こうを称賛だね
村上:ありがとう…
佑美:あのセカンド、投げた瞬間の守備の位置どりが上手ですね
監:あぁ
相当練習してるな
麻:来るところがわかってるみたいだわ
美月:春一君と同じくらい上手ですね
麻:いや、もしかしたらそれより上かも…
春:(判断が速い、そして1歩目が迷わずでてる
この人が東京1のセカンドの名手)
東海大菅原高校 3年
"友坂浩成"
西:春一も負けてねぇからな
春:あ、ありがとうございます
佑美:うちにもセカンドの名手がいますから
5回表
カキーン！
シュン！
ザーッ
春:パシッ、シュッ
小笠原:パン
審:アウト！！
観客:うあ〜
実況:1・2塁間に抜けそうなあたりを町田選手
止めました
こちらもsuper play！！！
どちらのチームともセカンドが素晴らしいです。
〇〇:ありがとう〜
春いっち
これからもよろしく〜
春いっち
拓:ホント頼りになるわ
これでどれだけ投手陣が救われてきたか
友坂:向こうのセカンド、2年であれは上手すぎるわ
西:(日本一の二遊間になれる…)
智博さんに似てきたな
大:俺の投げたいように投げれる
このバックがそう思わせてくれる
ンァ！
ゴゥーーー
ギューーーン
ｽｶｯ
バザーッ
審:ットライクアウト！
実況:空振り三振〜
最後は縦のスライダー
この回は3人で抑えました。大谷
大:よしっ！
監:後半に入る前に同点に追いつこう
雷道ナ:はい！
ウ:5回裏、雷道高校の攻撃は、
3番、ライト、橋本君
橋:まずは塁に出る…
和多:4番に回す時、塁にいるのといないことでは
あのバッターは打率が大きく変わる
ここは意地でも抑えたい
厳しく…
真鍋:コク
パァーン
審:ボール！フォア！
東海大菅原監:何やっとんのや
厳しくとは言ったが歩かせろとは言ってない
和多:攻めすぎた
ウ:4番、キャッチャー、御幸君
雷道ナ:かっ飛ばせ！御幸！御幸！御幸！
拓:さぁ何狙おうか…
〇〇:ここで打たないとピッチャー可哀想だよ〜
拓:アイツうるせぇな
でも、大谷が頑張ってるから
打たないとな
真鍋:ンァら！
和多:バン！
審:ストライク！
拓:次…
パシッ
審:ボール
拓:今のがボール…
和多:ホント嫌なバッターだな
ここは変化球でカウントを稼ごう
真鍋:ふーっ
1塁ランナーは走る気配なし
バッター集中…
ッシュ！(ダダダダダダー
和多:ここで走ってきた！？
しかも変化球の時に限って…
拓:ふん！
和多・真鍋:エンドラン！？
実況:1・2塁間抜けた〜
流石の友坂も捕れず！
1塁ランナーは3塁へ！
エンドラン成功
拓:✊
〇〇:キャップ最高！！！
実況:ここで雷道高校仕掛けてきましたね
解説:そうですね
早く追いつくことは投手にとってこの後のピッチングが楽になりますからね
ウ:5番、ファースト、小笠原君
小笠原:強く叩く…強く叩く…
監:そんな窮屈なバッティングでは打てるボールも打てないぞ
小笠原:はい！
監:小笠原は強く叩くイメージでやってみろ
長打よりも単打のイメージ
コンパクトで鋭いスイングは強い打球が打てる
お前のスイングで内野の壁を打ち壊せ
小笠原:はい！やってみます
小笠原:最初は詰まったり、空振りが多かったけど
強く叩く。
このイメージだけを…
和多:インコース苦手なイメージがある
ここは攻めよう
真鍋:コク
ノーアウト1・3塁
同点までは全然大丈夫
攻めないと勝てない！
ンァ！
ギューーーン
小笠原:強く…強く…
カーーーーン！
(監:内野の壁を打ち壊せ)
友坂:捕れるか…
実況:センター前ヒット！！
セカンド、ショートの間を抜けていった〜
それをみて、三塁ランナーホームイン
橋:しゃあ
小笠原:ダラっしゃ！！
雷道ナ:世那〜
佑美:上手く打ちましたね
監:インコース厳しいところをセンター前に…
最後にして自分のものにしたな
実況:これで1ー1の同点になりました
尚、ノーアウトランナー1・2塁で
ピッチャーの大谷にまわります
バギィーーーーン！！！
〇〇:マジかよ…
実況:は、はいった〜
逆転3ランホームラン
自分で自分を援護する！
これぞまさに二刀流！！！
観客:うおーーー
拓:出来すぎだろ…
大:良かった。
真鍋:バケモノ過ぎる…
完璧に運ばれた
この回、雷道高校は4点を取り逆転に成功
その後は、健吾が調子を上げていき
ギューーーン
ｽﾄﾝ
バシッ
ットライク！バッターアウト！
ゲームセット
〇〇:しゃぁあああああ！！！！ベスト4
雷道高校は5ー1で東海大菅原を破って準決勝進出を決めた
審:礼！
両チーム:ありがとうございました
友坂:君上手いよ
春:ありがとうございます
まだ友坂さんには敵わないのでこれからもっと頑張ります
和多:甲子園行けよ
拓:あぁ必ず
拓:よく投げたな
大:途中から自分でも調子良くなってるとは思いました
拓:次も頼むぞ
大:はい！
大谷健吾
9回、109球 被安打5 四死球4 三振11
失点1
という結果であった
他の試合はというと…
第2試合
英明高校 vs 西清高校
7回まで投手戦
しかし8回、4番の若松のホームランで均衡が崩れ
そこからなんと5得点
西清も裏に2点を返すが力及ばず
5ー2で英明高校の勝利
これで4日後の準決勝は
雷道高校 vs 英明高校となった
そして、反対ブロック
優勝候補筆頭の
神城実業は府中第二高校と対戦
エース成宮が登板し、
7回 90球 被安打3 四死球1 三振13
失点0
完封勝利
神城実業は8ー0で難なく準決勝進出
そして、今日1注目となった
日大工業 vs 龍谷高校は
初回から乱打戦となった
松風嵐の先頭打者ホームランを皮切りに
龍谷が初回3得点
負けじと日大工業も
2回・3回で2点ずつ取り返し逆転
そして5回…
嵐:ガッギーーーン！！！！
気持ちぃ！！！
あはは！！！
打った瞬間誰もがホームランだとわかる音
今日2本目のホームランとなり
再逆転
7回を終了して7ー6で龍谷高校リードで迎えた
8回、ここまで登板してなかった
エース真田が登板
真田:ンァラァッ！！！
ビューーーーー
ｽﾄﾝ
バシッ
真田:ﾆﾔｯ
実況:空振り三振〜
真田の登板により日大工業の打線から音がなくなった
日大工業監:今日の真田君は出来すぎてる
結局、日大工業は真田からヒット1本すら打てず
7ー6で龍谷高校が競り勝ち
夏の大会初のベスト4進出
真田:らぁ！！！！
〇〇:松風嵐と成宮さんですか…
拓:秀がどうあのデタラメ打線を抑えるかだな
俺達は英明とか…
久しくやってないからな
〇〇:今日観る限りだと下位打線も振ってきますね
拓:そうだな
どのバッターもベルトより上は迷わず振ってくる
〇〇:いかに低めに集められるかですね
拓:お前ならイメージできてるだろ？
〇〇:振ってくるならわざとバットに当てさせる…
拓:！？
〇〇:俺が練習してきた
ストライクとボールの出し入れ
成果を示す時が来ましたね
拓:そうだな
宿舎に戻り夕食後
さくら:〇〇君
〇〇:ん？どうした？さくらっち
さくら:え？そんな呼び方だったけ？
〇〇:今、呼んでみた
さくらの方がよかった？それともさくちゃん？
さくら:え…っと…さくらがいい
〇〇:わかった
じゃあさくらね
それでどうした？
さくら:ここじゃ話せないことだから少し遠いところで話そう？
〇〇:おぅ、わかった…
(俺なんかしたかな？)
さくらは周りに誰もいないことを確認し、話し始めた
さくら:〇〇君に謝らないといけないことがあって…
〇〇:うん…
でも、別にここじゃなくても良いんじゃないの？
さくら:いや、〇〇君が怒る事を今から話すから
〇〇:さくらに何かされた覚えがないんだけど…
さくら:じゃあ話すね
〇〇:うん
さくら:昨日の夜、〇〇君と御幸先輩が話してたじゃない？
その瞬間、〇〇は理解した
"二重人格"の話だと…
そして、完全に〇〇の顔は愕然としていた
さくら:これだけでわかったよね…
〇〇:まさか…
聞いていたのか？
さくら:聞くつもりはなかったの！
2人を呼びに行こうとしたら丁度、その話が聞こえてしまって…
ごめんなさい！！
〇〇:どこまで聞いた？
ちゃんと教えて欲しい
さくら:最初だけだよ
衝撃的過ぎて他の話は何も聞こえなかったの…
〇〇:本当だな？
さくら:嘘はつかないから
〇〇:そうか…
さくら:この話は誰にも話してないから！
〇〇:………
さくら:信じてもらえないよね…
ごめんなさいｸﾞｽｯ😢
ﾎﾟﾝ🫳
さくら:え？
〇〇:何泣いてんだよ
びっくりは勿論したけどさくらは他の人に話す奴じゃない事くらい知ってる
これだけ俺たちをサポートしてくれているマネージャーが嘘つくわけがない
さくら:ｸﾞｽｯｸﾞｽｯ
〇〇:よくこれを隠さず、俺に話してくれた
それを感謝したい
ありがとう
どうせ、いつかバレるとは思ってたけど早いなぁあはは😆
もう泣くなよ
これを誰かに見られたら俺殺されかねないから
さくら:なんでそんなに優しいの？
〇〇:俺は優しくないよ
もしこれで俺がキレていたらさくらに何をするかわからない
殴っていたかもしれないんだ
そんな事を考えている奴は優しくないだろ？
さくら:でもどうして？
〇〇:怒る程のことでもないから
さくら:！？
〇〇:御幸先輩には話したらここを出ていくとは言ったけど、それは怒ったから出ていくわけではなくて、チームに迷惑をかけるから出ていくことにしてるんだ…
俺はこのチームで全国制覇したい
迷惑かけ多分恩返しができるようプレーしたいんだ
だから、約束を守って欲しいって伝えたんだ
さくら:……
〇〇:だから、さくら
この約束守ってくれるか？
さくら:うん ｸﾞｽｯ😢
〇〇:それとこの話を1から10まで知っているのは彼女と両親、監督、あと手伝ってくれた人しか知らないんだ
ここでその話はできないから
抱え込んでるのもあって
最近、寝れてないんだ
でも、この話をさくらにして
さくらが抱え込んでしまったら申し訳なくなるから
やらないよ…
ごめんな、今の話は聞かなかったことにしてくれ
じゃあ戻るわ…👋
さくら:待って！〇〇君
聞きたい。いや聞かせて欲しいの…
〇〇:！？
さくら:少しでも〇〇君の力になりたい！
それを抱え込んで試合をしたら発揮できるものも出来ないと思うの
まず私が聞かなかったらこんな事にはならなかったんだけど…
でも、責任として教えて欲しい
ダメかな？
〇〇は史緒里が目の前にいるように感じた
〇〇:はぁ…
なんで女子って
決意する時の顔に説得力があるのかなぁ
さくら:え？
〇〇:いや、気にしないでいいよ
ちょっと待ってね
プルルルル…プルルルル…
〇〇:あ、史緒里
実はさ、………
代わるから
はい、さくら出て
さくら:え、出るの？
〇〇:早く！怒られるから
さくら:わかった…
もしもし…
To be continued…
史緒里はさくらに何を話すのか？
次回、準決勝開幕
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