見出し画像

歯列矯正日記#01


10月5日 医療歯科大学病院にて上の4番目の歯2本と下の真ん中(右)を抜歯した。

先月の同じ日に矯正歯科にてアンカースクリュー(歯茎に打つネジ)を打って貰って、抜歯を行なっていない矯正歯科なので紹介状を貰いやっとこ今日行けた。

初診なので口では「今日抜いてもらいたいなー!」なんて言っていたが内心問診で終わるだろう。と呑気な気持ちでオリーブの丘でジンジャークリーム海老パスタランチ食べて病院へと向かった。
今思えばもっと美味しい焼肉とか食べておけばよかった。

私は口ゴボ出っ歯ちゃんなので口元をしっかり下げる為に前述の3本プラス下の埋まっている親知らず2本計5本を抜く予定なのだけれど、健康な歯を抜くのは自由診療になり、親知らずは保険適応で同日には出来ないそうだ。さらに言えば親知らずは2本同時に抜くとすごく腫れてご飯が食べれないから入院か別日に1本ずつなんだそうだ。

口ゴボちゃん


初めての大学病院。診察室は簡単な間仕切りがあり、一直線に診察台があってなんだか先鋭的だな。と思った。

口コミを見ると〝対応が悪い。〟〝治療がおかしい。〟など星1つで溢れていたけれど、最近知ったが病院の口コミは総じて悪い。病人はセンチメンタルなのだ。

診察室のモニターに381番の方、8番ブースへ。と表示される。今日のわたしの名前だ。

50前後の距離感の近い黒髪の私の大好きなタイプのおばさん衛生士がうがいしちゃって〜と言う。う〜んイイね〜。と思うわたし。

さ!今日は抜いちゃっていいのかなー??2本?3本??と仕事帰りにとりあえず生で!って感じの宇多田ヒカル似の女医が私に聞く。

先月アンカースクリューを打った際麻酔をして貰ったけれど正直思ってた以上に痛くなくて麻酔を舐めてたわたしは3本いっちゃいましょーー!馬鹿みたいに答える。

注射は必ず寝て打ってもらうタイプなので一応わたし相当ビビりです。と伝えておく。

よし!いくよーー!と宇多田ヒカル似の女医は麻酔を打ち始める。なんだこれは。痛い。痛い。

苦痛に歪み全身に力を込めて変な引き攣り笑いで大口開けるわたしを研修生の男が覗き込む。隣で大丈夫よ〜深呼吸〜もう少しよ〜とトントンしてくれる衛生士のおばさん。

裏表で計6本の麻酔が終わり、ここからは痛くないよ〜。伝えられ安堵する私。

下の歯。意外とすんなり抜ける。痛みは全くない。目が潤む。

上の歯。なかなか抜けない。痛みは全くない。涙が溢れる。恐い。

歯をギコギコ力任せに引っこ抜いている間中、少なくとも20年くらいは苦楽を共にしてきていて、彼等はまさか自分達が抜かれるなんて思いもしなかっただろうし、元気に健康に生きていたのにわたしのエゴで今なんの抵抗もすることも出来ずに、親であると思っていた私の意志によって殺されているんだと思うととてつもなく残酷な事をしている事に気づいてしまって涙が次から次へと溢れていった。

泣いてるの?痛くはないよね?休憩する?宇多田ヒカルは明らかに引いていた。

歯抜けで間抜け


帰ってすぐに処方された抗生剤とロキソニンを呑む。ごはんを食べようと思っても痛い。少し食べる。どこで噛んでイイかわからない。そして、痛い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?