第一項、リッツ・カールトンに宿泊する
死ぬまでにやりたいことリスト第一項「リッツ・カールトンに宿泊する」が実現した。
リッツ・カールトンへ憧れを抱いたのは、確か二年ほど前、メディアなにかで、このロイヤルブルーのチェアを初めて見たとき、即座にリッツカールトン的だと感じ、それから、いつかお目にかかりたいと夢みていた。
昼間も素敵なお顔で、今日、この憧れのチェアに失礼するためにここへ来たのだと思った。
非常に美しい。
前置きはこの辺りにして、リッツ・カールトン大阪の宿泊記として記録しておきたいので、ここから時系列に記録していく。
チェックインの為、正面玄関から歩いて入館。
時刻は15:30頃。
正面玄関にはドアマンが待機しており、ドアマン付近のオブジェクトから熱風が出ていた。リッツは従業員にも優しい。
ドアマンに扉を開けていただき、入館した。
私は微笑みを浮かべた。
中に入ると別の係員が近づいてきたので、宿泊の予約をしている、とフルネームを堂々と名乗った。「お待ちしておりました」とフロントへ案内された。
新型コロナウイルスの影響か、従業員は皆マスクを着用していた。
フロントは空いている様子で、すぐにチェックインが行われた。
リッツ大阪への滞在は初めてなので、個人情報について幾つか確認した後、客室や滞在時のサービスについて案内があった。
今回、予約したのはシティービューのスーペリアルーム。
リッツ大阪で最もスタンダードなタイプの客室である。
https://www.ritz-carlton.co.jp/stay/superior
しかし、「最上階のお部屋へアップグレードさせていただきました」と、スカイビューフロアへアップグレードされたことが告げられ、感謝の意を伝えた。
また、「チェックアウトは14時でよろしいでしょうか」と、当然のようにレイトチェックアウトの案内があった。
このような待遇はすべて私がマリオットボンヴォイのゴールドエリート会員である為だが、改めてリッツ・カールトンはサービスへの触れ方が上手いと感じた。
しれっと伝え、しれっと有難みを感じさせる。プロである。
ゴールドエリート会員の特典は以下の通りである。
マリオットボンヴォイのゴールドエリート資格について、20歳以上で定職に就いていることが条件で発行できるスターウッド プリファード ゲスト®アメリカン・エキスプレス®・カードの保持者は、自動的にマリオットボンヴォイゴールドエリートの資格が付与される。
https://www.americanexpress.com/jp/credit-cards/starwood-preferred-guest-card/
チェックインが終わり、近くのチェアに掛けて待っていた。「案内の係の者が参りますので、掛けてお待ちいただけますでしょうか」とのことだった。
リッツの内装が美しいことを知っていたので、じっくり見たいと思いつつも、やはり緊張しており、キョロキョロ見渡すことができなかった。
後でゆっくり見よう、と思っていると案内係の女性が登場し、荷物を持ってくれた。
上記は後から撮った廊下の写真である。
案内係のお姉さんの簡単な自己紹介を聞き、エレベーターで客室まで向かうのだが、あまりの高さに20階を通過した辺りで、耳が痛くなった。
下記の写真は外出する際に撮影したものだが、
客室キーとなるカードをかざすと客室のある階が選択されるようになっている。流石リッツ。
セキュリティ万全である。
37階に着くと、お姉さんは慣れた手つきで私をエレベーターから解放し、部屋へ招き入れた。
私「ここで靴を脱いでもよろしいでしょうか」
お姉さん「勿論でございます。わたくしも靴を脱いでご案内させていただきます。スリッパをどうぞ」
こんな会話をしながら、クローゼットからスリッパを出してくれた。
スリッパは特別ふかふかではなかったが、清潔なものだったので快く履き替え、お待たせした、と案内を続けていただくよう促した。
案内とは、主に客室内の設備についてであった。
カーテンが開閉が自動であることに驚いた。
このボタンで開閉する。
すべての案内が終わった。
お姉さん「こちらで、わたくしからの案内は以上になりますが、ご質問等ございませんでしょうか」
私「ありません」
お姉さん「ありがとうございます。なにかお手伝いできることはございますでしょうか」
私「今のところ、問題ありません。ご案内いただきありがとうございました」
お姉さん「ありがとうございます。わたくし〇〇が案内させていただきました。ごゆっくりお寛ぎくださいませ」
といった流れで、案内が終了した。
これから気づいたことだが、リッツの従業員は皆、お願いしたことをやり遂げてくださった後、必ず「他になにかお手伝いできることはございませんか」と聞いてくれた。
案内係のお姉さんが部屋から出るところを見送り、ホッと息をついた。
お姉さんは、ランプを付けたままにしていた。
私は憧れのチェアを遠くから見ていた。
ここでようやく、あのリッツ・カールトンに来たことを認識し、部屋のすべてを確認しよう、とウロウロした。
こちらは窓からの景色である。
流石、最上階。眺めが良い。
遠くにあべのハルカスが見えた。これは素晴らしい夜景が期待できる。
客室の様子を幾つか挙げる。
青いチェア、素敵である。
バスルームは、声が透き通る程清潔であった。
アメニティーはアスプレイのもの。
シャンプー、コンディショナーの香りが気に入り、こちらは家へ持ち帰った。
匂いをかぐ度にリッツでの出来事が蘇るようになっている。
マウスウオッシュも興味本位で試したが、こちらは普通だナと思った。
ベッドの様子。
周りの絵が綺麗。
こちらはお茶コーナー。
滞在時、コーヒーと紅茶をいただいたが、どちらもなかなか美味しかった。
置いてある雑誌にもすべて目を通した。
上層部の趣向に触れるためである。
こちらはミニバー(有料)。利用しなかった。
価格設定がザ・リッツである。
やることがあったので、こちらのデスクを使って作業をした。
立派である。
卓上に置いてあるものも、ひと通り確認した。
We are Ladies and Gentlemen serving Ladies and Gentleme(紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です)の表記があり、嬉しく思った。
これからおもてなししてくださる方々は皆、紳士淑女なのだ。先程のお姉さんも淑女である。
作業を終え、大阪駅へ向かった。
リッツの接客を体験したせいか、そこにいる店員の対応に満足できない自分がいた。
梅田のイタリアンで友人と軽く食事してから、客室で飲むワインを購入し、ホテルへ戻った。
部屋へ戻ると、ターンダウンが済んでいた。
ベッドになにか置いてある……
朝食の注文票であった。
記入し、ドアに掛けておくと注文できるようである。
チェックインの際、朝食はルームサービスを利用する予定だと伝えていたからなのか、ターンダウン時に必ず置くことにしているのか、どちらかわからないが、これは助かると思った。
他には、スイートチョコレートとビターチョコレートがベッドサイドに置いてあったので、後ほどワインとともにいただいた。
また、昼間に飲んだ水と紅茶の補充が行われていた。
持ち込んだワインは「日本のあわ」。
自宅でグリド甲州を愛飲しており、リッツを「第2の我が家」として楽しみたいと考えていたため、ジャパニーズワインをセレクトした。
フロントへTELし、グラスを持ってきてもらうようお願いした。
紳士がグラスを持って登場した。「お注させていただいても…」と言ってくれたので、注いでもらうようお願いした。
シャンパングラスをお願いすべきだったが、問題ないのでこのままでよいと申し上げた。
紳士は異常な量の汗をかいていた。
室温は正常なはず。緊張しているのだろうか。
こんな小娘に対しても、緊張してくれるなんて誠実だと思った。
味は、普通でよかった。
普段飲んでいるものより少しあまく感じた。
ワインを飲んでいる時に思い出したのだが、そういえば私は桜カクテルが飲みたかったのだ。
これは客室に置いてある情報誌である。
すぐさまThe Barへ向かった。
席に着くなり、桜カクテルが飲みたい、と注文した。
数分後、登場。
花を愛しているからできることなんだろうな、これは。
きれいだ、と素直に思った。
体内に花が循環する感覚。
とても繊細で、乙女心を表現しているようだった。
美しい乙女をまるごと吸収して、身体に取り込む感覚があった。とても心地よかった。
これは明日の肌つやが期待出来ると思った。
桜カクテルを一杯いただいたら部屋へ戻るつもりだったが、他のカクテルも体験してみたいと思った。
次に注文したのはOsaka Lagoon。
コンセプトを聞いておけばよかったが、私には退廃的な美を表現しているようにみえた。
実際は、もう少し鮮やかなブルーだった。
新鮮な体験ができた。
日常で利用しているバーでは、ほとんどウイスキーしか飲まないため、初めてカクテルを飲んだ日を思い出して感慨に耽っていた。
カクテルを飲み終える度に、バーテンダーだろうか、紳士から、いかがでしたかと訊ねられた。
私は変態な表現で感想を言う癖があるので、桜を飲んだときも「繊細な味で…素晴らしかったです」としか言わなかった。
乙女を身体に取り込んだような…と言っていればもっと深い会話になったのだろうか。
ここで、現実的な話になるが、支払いの際にマリオットボンヴォイの会員証を提示すると、番号を控えられ、会計が15%offになる。消費税がなくなる程度だが、若者には嬉しい。
部屋へ戻る際、廊下にアルボナース(アルコール消毒液)が置かれているのを見つけた。
お洒落に飾られていた。コロナ対策も万全である。
そういえば、ホテルステイをより良いものにするために、滞在の一週間ほど前から本を読んでいた。
こちらの本に、利益を生まない場所であるラバトリーが整っているホテルは良いホテル、という記載があったので、客室ではなく共同スペースのラバトリーを見ていくことにした。
驚くことに、折り畳まれた清潔なタオルが常備されていた。
流石である。
ようやく、部屋へ戻り、ロイヤルブルーのチェアに失礼した。
包み込まれる感覚が心地よくて、しばらくうっとりしていた。
ワイングラスを引き取って貰うためフロントへTELすると、すぐに先程の紳士が引き取りに来てくれた。
私はブラックのローファーを愛用しており、滞在時も履いていたので、オーバーナイト シューポリッシュのサービスをお願いしたいと伝えた。
ワイングラス、ボトルとともに靴を引き取ってもらい、ここからは通常どおり風呂に入って寝た。
翌朝、いつもの時間に目が覚めたので、シャワーを浴びてコーヒーを淹れ、窓から外の様子を観察したり、読書をしたり、有意義な時間を過ごしていた。
まるで我が家のように、引き出しのなかから持ってきた書籍を出して読んだ。
しかし、リッツと言ってもやはり客室は空気が乾燥しており、翌朝呼吸器の調子がよくなかった。次回からは加湿器を持ってきてもらおうと思った。
10時前にベルが鳴り、昨日の紳士により朝食が運ばれた。
バランスの良いメニューで早速気分が上がった。
朝から卵を2玉摂取できるのは喜ばしいことである。
私たちはアメリカン・ブレックファストをセレクトした。
昨晩、注文票をドアノブに掛けておいたのだが、書き方が良くなかったようで、連れの選んだ料理と混ざってしまっていた。
ホテル滞在時、朝食はオムレツをいただくと決めている。近くでみるとやはりきれいなオムレツで、ここへ来てよかったと思った。
パンも美味しかった。
買ってきたパンを自宅でいただく際、まず何もつけずに食べ、その後バターなどをつけて食べるのだが、ここでも同じ食べ方で、バターがある方がいいのか、ない方がいいのか、よく考えながらいただいた。
感性が養われる感覚が実感できた。
ジャムや蜂蜜が小瓶に入って5種類ほど用意されていたが、こちらは使用せず、すべて連れが持ち帰った。
食べ切れなかったパンを持ち帰りたいと申し出ると、袋と紙袋を持ってきてくれた。
約1時間のブレックファストを終えた頃、昨晩お願いした靴磨きが終わったようなので、紳士から籠を受け取った。
籠を開けると、ピカピカになったシューズと手紙が入っていた。
これがリッツ・クオリティか…と、もう何度目かわからない感動を覚えた。
しばらく寛いだあと、チェックアウトのためフロントへ向かった。
フロントで宿泊費とルームサービスの支払いをしてチェックアウトが完了した。
たくさんの紳士淑女に支えられ、このような体験ができたことを嬉しく思っている。
退館の際にドアマンから、いってらっしゃいませ、と
名前を呼んでの見送りがあった。
また来るという意味を込めて「いってきます」と微笑しその場を去った。
次回、死ぬまでにやりたいことリスト第八十項「リッツ・カールトンのクラブラウンジでアフタヌーンティーをする」を実現すべく、邁進してまいる。
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