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「魅惑の心理」マガジンvol.71(性格とは何なのか? 幸福感を持つ性格になる)

私たちは様々なシーンで「性格」という言葉を使います。性格が良いとか、悪いという人の評価用語になったり、性格的に慎重などの個性の傾向に使います。ところが、「性格」を詳しく説明しようとしても説明できないものではないのではないでしょうか。心理学でも「性格」は大きなトピックのひとつであり、「性格心理学」という研究分野も存在します。研究者によって、「性格」の定義も異なり「性格」の定義は研究者の数だけ存在するとも言われているものなのです。心理学では明確に「性格」とは何かを定義できていません。

学術的なことはおいて簡単に定義してみたいと思います。性格とは「人の特徴を表す「独自」の思考傾向や行動傾向であり「一貫性」があるもの」と言えるのではないでしょうか。つまり背が高いなどの身体的特徴は性格とは言いいません。あくまでも性格は「どんな考えを持つ人なのか?」「どんな行動をする人なのか?」を指している者です。

この「独自性」と「一貫性」という考えがとても大事で、たとえば通勤途中の電車が故障で遅れたとしても、乗っている乗客の反応は異なるはずです。イライラする人もいれば、冷静にゆっくりと待つ人もいます。これは個々の状況の違いだけでなく、性格の独自性からくるものが大きいと考えられます。考えることや行動は人それぞれなのです。一貫性とは状況が変化しても思考、行動は変化しないことです。整理整頓ができない人は、自分の部屋だけでなく会社のテーブルなども散らかっているものです。そのときの気分で行動が一時的に変化するものを言うのではなく、長年の間に培われた言わば「行動パータンの(抽象化した)概念」のようなものをさすと考えます。

SNSを見ていると人の反応の違いにとても驚かされます。同じものを見ても怒る人もいれば、穏やかに受け入れられる人もいます。個性の時代と言われてだいぶ時間が経ちましたが、現代はこの「個」の特徴たる性格を正しく理解できているとは言えないでしょう。この性格とは何かを知ることがより良い人間関係を作る第一歩と考えます。今回の「魅惑の心理」マガジンは、性格とはどういうものかを掘り下げながら、幸福感を持って生きていく性格に迫りたいと思います。どうせなら幸せな感覚に包まれていきたいですよね。

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