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【絵本日記】ポケポケコッコちゃん

にわとりのコッコちゃんは、いつもポケポケ。

「ごはんを食べなきゃ。コッコー」
3歩歩くとポケポケ。
「あれ?何しにこっちに、きたんだっけな?」

「目がよく見えないから、メガネかけよう」
メガネをかけて3歩歩くとポケポケ。
「あれ?メガネはどこいった?コッコー」

ポケポケしちゃうから、コッコちゃんの周りは
コッコちゃんの忘れものだらけ。
忘れちゃうたびに、コッコちゃんは
あっちにうろうろ。こっちにうろうろ。

ある日、コッコちゃんがいつものように、
忘れものをして歩いていると、
ともだちのカケちゃんが声をかけた。

「コッコちゃん、忘れもの?」
「うん。
 でも、何を忘れたのか忘れちゃったの」
「あらま。いっしょにさがしてあげる」
「ありがとう!」

「コッコちゃん。
こんなところにコッコちゃんのおくつがあるよ」
「あー!そうだった。おくつを忘れたんだった」

「コッコちゃん。
 ここにも、コッコちゃんのメガネがあるよ」
「あー!そうだった。メガネも忘れたんだった」

「コッコちゃん。
 こっちにも、コッコちゃんのくしがあるよ」
「あー!そうだった。
くしで羽をとかそうと思っていたんだった」

カケちゃんは、笑いながら忘れものをわたした。
「コッコちゃん、すごいね!!
 忘れもの、ちゃんとぜんぶもどってきたね!」
「そうなの!
いっしょに探してくれてありがとうコッコー」

コッコちゃんは、ニコニコと歩きだした。

「あ!おもいだした!」

コッコちゃんは、とつぜん大きな声をあげ、
カケちゃんにかけよった。

「カケちゃんに、これをあげたかったの!」

コッコちゃんは、カケちゃんに、きれいな
貝がらでできた、ブレスレットを足に
つけてあげた。

「コッコちゃん!すてき!ありがとう!
 でもなんで?」
「だって、今日はカケちゃんの誕生日でしょ?
 お誕生日おめでとう!!」
「おぼえていてくれたの?」
「うん!!もちろんだよ!!」

コッコちゃんはいつもポケポケ。
でも、たいせつなことは誰よりもおぼえている。


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