Music×Analytics Meetupに行ってきました

こんにちは

先日、下記のイベントに行ってきました。

普段は仕事で購買系のデータだったり、趣味でバスケのスタッツのデータだったりを見ていて、音楽に関するデータは特に目を向けていなかったのですが、自分の中の幅を広げてみようと思い、参加しました。

本記事では、各発表の感想などを書いていきます。
(発表順)

※私はスポーツ畑の人間で、スポーツビジネスやスポーツアナリティクスに強い関心を持っており、そういった視点での感想になるのでご留意ください。

音楽業界におけるダイナミックプライシングと二次市場

ダイナミックプラス株式会社の平田さんと萩本さんがスポンサー挨拶とロングトークを務めていました。

各種興行やサービス産業に対してダイナミックプライシングサービスを提供しているということで、ダイナミックプライシングと二次市場の現状や課題についてのお話でした。

ダイナミックプライシングはアメリカでは当たり前になっていますが、日本ではこれから本格的に導入が進んでいく熱い領域です。

収益改善と、第三者による不当な転売の撲滅が一挙に達成できるというのもあって、めっちゃいいなと思えるサービスなんですが、懸念点としては、長期的な顧客育成の側面が見過ごされがち?というのがあります。

下記の投稿でも言及されていますが、アメリカのスポーツ産業では、若者の試合観戦機会が減少し、結果として若年層ファンが減少傾向にあるが、その要因の一つとしてチケット価格の高騰の可能性が指摘されています。

もちろん、スポーツチームと個々のアーティストでは、前者の方が存続期間が長く、若年層を取り込む必要性が高いという面もあるので一概には言えませんが、音楽産業においてダイナミックプライシングと長期的な顧客育成をどういう風に捉えるべきなのかは検討する価値がありそうな気がしました。

歌声の特徴に基づいて曲を探そう!

Taro Masudaさんの発表です。

歌詞を題材にした分析は時折見かけるのですが、歌声を題材にした分析は初めて目にしたので新鮮でした。

特定の歌声に関して、それと似ている歌声とその曲を探すというアプローチは、様々な形でのレコメンドとして活用できそうですね。
まだまだ、改善の余地ありとのことですが、サービスレベルになったら試してみたいです。

個人的にはお坊さんのお経で類似度を算出できると単純に面白そうだなと感じました。どのお経も似たような声だと思うのですが、その中でも特に似てる声とかあるのかなみたいな。

YouTubeのコメントで女性アイドルを分析

まうんさんの発表です。

女性アイドルのYouTubeチャンネルにコメントを残している人たちの共起をもとに女性アイドルの類似度を算出・グラフ化するという取り組みでした。

Taro Masudaさんの投稿でSpotify APIという存在を知り、その流れでYouTube APIなる存在も知って、色々なAPIあるんやなあという驚きがありました。

結果としては、女性アイドルの所属している事務所?でクラスタが別れそう、というように見えました。友達でもAKBからNMBにスイッチしていったり、ハロプロ全体に詳しいやつがいたりして、納得感のある結果でした。
今回はコメント履歴のデータだけでしたが、他にも色々なデータがあるそうなので、深堀りのしがいがありそうですね。

スポーツでも、チームのファンが他チームについてどれくらい言及しているのかだったり、競技のファンが他の競技にどれだけ繋がりがあるのかを可視化できると面白そう

アーティストにとっての「愛」とは

主催者の一人であるにのぴらさんの発表です。

冒頭のB'z愛を語るところから勢いが凄かったです

Word 2 Vecを利用して各アーティストが愛をどういう意味合いで利用しているのかを比較されていました。

今回はアーティスト間の比較でしたが、キャリアの長いアーティストだったら活動期間を分けて、活動期間ごとに比較するのも面白そうだなと思いました。それこそ、ここで取り上げられいたB'zやミスチルは、キャリアの中で人生観などが変わっている可能性があるので、それを発見できるとB'zやミスチルのことをより深く理解できそう。

ちなみに私は、B'zではギリギリchopが好きです。

リズム教官を作ろうとした

kumakichiさんの発表です。

リズムがずれたら自動で指摘してくれるシステムっていいですよね。。。
スポーツでも個人個人でプレーのリズムが違うので、普段と違うリズムでプレーしたら自動で指摘してほしい。。。

それは置いといて、演奏データをRに取り込み、何かしら弾いたタイミングRstudioで可視化するという取り組みでした。

私もRユーザーでしたが、音声データを取り込めることを初めて知って、Rの奥深さに感銘を受けていました。

他の音が混ざったときに、個々の音のズレを可視化できると、バンド内での練習にも使えて最高な予感がしてます。


アーティストたちの協力関係を分析する

張 森さんの発表(twitterアカウントが見つけられなかった。。。)

楽曲作成に関わる人達の関係性を分析するという取り組みでした。

私自身は、楽曲を歌うアーティストに注目することが多く、アーティストを独立したものとして捉えることが多いのですが、言われてみれば作詞家や作曲家を始め、多くの人が協力しあって作成されるものですし、アーティストに関してもトリビュートアルバムを作成することもあるので、その間には関係性が存在していることを認識できました。

米津玄師から美空ひばりまで意外と短くつながる、秋元康が作詞家として一番作詞をしているなど、ほほうとなるような結果が多く、聞いていて楽しかったです。

プロデューサーや事務所つながりなんかも含められると面白そうだなと思いました。

音楽家の生存時間分析

Rotten_Fruitsさんの発表です。

アーティストとしての活動期間の話かと思ったら、文字通りに生存時間を分析していました。

こういう、何かしらの課題解決に強く結びつくわけではないけど、話のネタにできるような分析のことを、個人的に酒の肴になる分析って呼んでるですけど、この発表はまさにそれで、とてもおもしろかったです。

音楽やってる人は27歳で亡くなりがちという話は初めて聞きましたが、こういう話だけでも話題が広がりそうです。

寿命系の分析はややこしい側面(年代や年齢の構成比など)が多くて大変そうな感じがしますが、それだけに興味を引くテーマでもありました。

ジャンルごとの亡くなる年齢の違いで、Classsicalをやっている人は長生きしているというのは興味深かったです。
文化や価値観、生活スタイルの違いなどはありそうですが、個人的には身体的な疲労度合いもありそうな気がしなくもないです。
スポーツだと、若い頃はフィジカルを駆使したプレイをするけど、年を取ると、体に負担をかけないプレイスタイルに移行して選手寿命を伸ばすということもあるので、アーティストにも、ちょっとは適用できるのかなと。


ファンクラブビジネスにおけるデータ分析

株式会社SKIYAKIの青山さんの発表です。

事例の話は割愛しますが、ファンクラブの顧客データを集積・分析して、それをビジネスに活かすという、王道のデータ分析の活用をされていました。

ファンクラブビジネスでは、まだKKD(勘・経験・度胸)で意思決定することが多く、そこにデータ分析が入る余地があるとのことでした。

一からデータ分析の文化や土壌を作っていきたい人には面白そうな業界だと思います。

スポーツチームにもファンクラブはありますが、興行の開催頻度の多さや応援対象となる人物の多さ、特定のチームを応援する傾向が強いなど、音楽でのファンクラブとは違う要素があるので、そこを比較することでそれぞれの特性が見えてきそうな気がしています。


全体の感想

楽曲に関する分析以外にも音楽を評価する切り口は多いなあと実感しました。ビジネス的な話もそうですし、ファンや関係者のつながりだったり、アーティストに照準を合わせたりなどもあり、この幅広さは魅力的でした。

また、話を聞いていて思ったのが、ある分野を分析する際に、分析対象のコンテンツは、その分野のメインのコンテンツと周辺環境に関するコンテンツの2つに分けられそうだなということです。
その中でも、後者は他分野への展開可能性が大きそうなので、自分でもMusic×Analytics Meetup含め、色々なMeetupで話を聞いたり、逆に話をしたりして、分野間をつなげていければと思っています。

最後になりましたが、運営や登壇者、その他関係者の皆様、ありがとうございました!

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