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自分にちょうど良い生き方ってなんだろう

大阪、京橋。
朝から口を一文字にした、大量の無言の人々が会社に向かって、早歩きで歩いている。
追い抜き様にぶつかっても謝りもしない。

【自分はこのままで良いんだろうか】

かつて私が憧れていた大人の姿。

それは農家をしていたおじいちゃんやお父さん。
毎日、畑に出かける姿はどこか楽しそうだった。
ただ私は農業が好きではなかった。
肉体労働だし、汚れる。

【もっとかっこよくて、お金を稼げる仕事がしたい】

そう思って選んだシステムエンジニアの仕事。

遅くまで働き、帰っても仕事の勉強。

どこで何を間違ったんだろう。
お金は確かに農業より多い。
だけど

【大切な何かを失ってしまった気がする】

向き合うのが怖くて、自分を偽りながら、過ごす日々。

それは急に起こった。

【目の前のパソコンに何が書いてあるのかさっぱりわからない】

自分に何が起こったのか、混乱。

【うつ状態ですね】
お医者さんの言葉。

長い長い、社会復帰への道が始まる。

仕事に行かなくても良い。
始めはほっとした気持ちの方が大きかった。

だけど時間が経つにつれて、だんだんと焦りが生まれてくる。

【ちゃんと復帰できるだろうか、体力や心はうつになる前のように元気になるんだろうか】

止め処なく流れる涙。
眠れない長い夜。
死にたいという気持ち。

会社の産業医に嘘を重ねて、無理矢理復帰したが一月もせずに休職し、精神病院へ。

【もうだめだ、人生終わった】

絶望の中、家族に来てもらい、引越し作業も退社手続きも何もかも丸投げして、実家に帰った。

長い、長いひきこもり生活。

【どうしたら良いんだ、誰か教えてくれよ】

田舎という事もあり、福祉の支援者も、福祉サービスも自分には合わない気がした。

【一時間働いてもこれだけ?】

いやいや、これは自分の仕事じゃない。
ちっぽけなプライドが邪魔をして、何も始まらない。

そうして、見かねた母親からの圧で渋々、実家の農業を始めた。

【ここに答えがあったんだ】

そんなこと、当時の私にはさっぱり感じず、辛い日々が続いた。

しかし、ある日を境に自分の中で変化が起こる。

【あれ、ご飯ってこんなに美味しかったっけ】

何を食べても味気なく、美味しいと感じなかった。
大好きだった漫画や映画やアニメも全く頭に入らず楽しめなかった。

【気づいたら自分が笑っていた】

なるほど、これが自分には必要だったんだ。


【人間らしい生活。カッコ悪いと批判していた農業に私は救われた】

だけど収入は少ないし、将来への不安が取れない。まだまだ寛解には至らない。

話しは変わって現在。
当時から10年の月日が経った。

私は今、農業、テレワーク(業務委託)、Gifted Creativeの代表、講演活動など複数の仕事をしている。

収入は会社員をしていた頃よりも増え、将来への不安もなくなった。
心理学、認知行動療法を学び、感情の波も大きく揺らぐこともない。

結婚もして、尊敬できるパートナーもできた。

ここまで呼んでくれたあなたは、もしかしたらこう思うかも知れない。

【そんなうまい話がある訳がない。あなただから出来たんでしょ?】

私は笑って、こうお返しする。

【当時の私もそう言うと思う。だからこそ、それを証明するために仲間を集めることにした】

今、私が関わらせて頂き、働けるようになった方は30名を超え、シェアハウスも和歌山で4軒、五島にも1軒できた。

本当に多くの方々に助けて頂き、皆で成し遂げた成果。

14年ひきこもり、統合失調症だった畑中さんは、テレワーク×バイク屋×ピアサポーターで毎日楽しく暮らしていて、困り事がないことに困っていると笑顔を見せる。

鬱でひきこもりだったK君、今や上場企業でテレワーク、フルタイムで働いている。先日、総務省主催のテレワークセミナーに登壇。

『総務省から会社に謝礼金入ったんです。(僕のお財布には入ってませんが笑)
でもお金稼いだって体験しました。凄い嬉しかったです』

プライベートでは、大好きなファッションを楽しみ、憧れの都会での一人暮らしに向けて貯金をしている。

それぞれが自分にあったちょうど良い生き方、働き方を選んで、試行錯誤を一緒に繰り返し、乗り越えてきた。

確かに時間はかかったし、楽しいことばかりではなかった。

仲間たちが前に進んで、過去の自分よりできること、選択肢が広かった時。

当たり前の日々を取り戻していく姿。
それを目の当たりにして、心の底から湧き上がる嬉しさ。

【私の本当の天職ってこれだったんだ】

ひきこもりで、うつで、体力もなく、感情の波はジェットコースターだったし、支援者のことは否定ばかりしていた困った人だった私。

私が悪いのではなく、やり方が悪かった。
自分に合ったやり方を学び、試し続ける必要があっただけだった。

そう気づくのに10年かかりました。

心の底から言えることは、あなたは悪くない、社会や周りの人も悪くない。

我々のように、本音で話し、沢山の人の力を借りて、挑戦し続ければ、必ず道は開ける。

ここまで読んでくれたあなたとは、きっと良い仲間になれると思う。

たった一つのメールで、人生が変わる。

それを証明するかどうかはあなた次第。

一度峯上と話してみたい、そう思って頂けたら嬉しい。

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