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「キーワードは【平常心】」~2019 J1 リーグ第32節 vs 湘南ベルマーレ~【プレビュー】

皆さんこんにちは、太古の森と漆黒の獣です。
アウェイ8連戦も終わり、首位で8月以来の「俺たちの味スタ」に帰還し、いよいよラスト3試合!!
相手は湘南ベルマーレ、それではプレビューいってみましょう。

細かい戦術プレビューはこちら↓



湘南戦プレビューキャスはこちら↓



■ここまでの成績&現況 ~対照的な現状~

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【東京】
・アウェイ8連戦を3連勝で締めくくり、首位奪還
・4月以来の4連勝がかかる
・渡辺が磐田戦で怪我(状態不明)、岡崎がスタメンか
・小川は磐田戦メンバー入りせずも帯同、今節で復帰の可能性も
・累積リーチがディエゴ、三田、室屋、オジェソクと4人
・今節勝利で歴代最多勝ち点に
【湘南】
・キジェ監督が離れてから2分7敗と未だに勝利無し
・現在6連敗中、6試合で2得点20失点
・前々節から3-4-2-1のシステムに変更
・メンバーは前節をほぼ踏襲した形に?

直近だけをみれば、ハッキリと明暗が別れる対決になった。
東京はアウェイ8連戦を3連勝で締めくくり、いよいよ待望のホームへ帰還。
しかも前節鹿島が敗れた為に首位に返り咲き、自力優勝が復活した形である。
前節で渡辺が負傷したものの、差程重い怪我で無かった様で、更に小川も戻ってくるという事でポジティブな状態で久しぶりにホームゲームに望む事になる。
そして個人的に心配していたラグビーワールドカップ後のホームゲーム、味スタでの練習では選手達の感触は良かった様で一安心である、味スタのグラウンドキーパーの皆さんに感謝したい。

翻って湘南、こちらは数字だけ見れば、非常に厳しい状態と言わざるを得ない。
メンバーを替えながら色々と試行錯誤をしているが、中々結果に結びつかない状態が続いている。
湘南は現在、降格した2016年シーズン以来となる6連敗中で(当時10連敗:7月~9月)2010年以降は同一シーズン内に6連敗以上を喫した年は全て降格している。(2010年、2013年、2016年)
キジェ監督退任後は大敗する試合も多く、一度失点すると歯止めが効かなくなる脆さが顕著になっている。
しかし、直近の中でも横浜FM、C大阪との試合では嘗ての様な躍動感溢れるサッカーが戻ってきた印象もある。
特に前節は敗戦こそ喫したが、上位のC大阪を非常に苦しめており、東京としては順位などは忘れて試合に臨む必要があるだろう。

■対戦成績 ~相性良し、然れど接戦~

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リーグ通算11試合では、東京が8勝1分2敗と大きく勝ち越しており、東京にとって湘南は5試合以上対戦した中で、最も勝率の高い相手でもある。(72.7%)
また東京は湘南戦で現在5試合連続無敗。(4勝1分)
また、今カードの通算11試合で無得点に終わったのはわずか1試合のみ。(1試合平均1.8得点)
この様に過去の相性から見ると概ね東京が優位に立つ様に感じられるが、実は2点差以上ついた試合は過去13試合で3試合のみと非常に接戦が多い対戦でもある。
東京は勝つには勝っているが、大勝という試合は少ないというのが対湘南ベルマーレである。

■湘南の戦い方~戻りつつある魂~

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キジェ監督が退任してからも、縦方向に90分間激しく上下動するアグレッシブでエネルギッシュな「湘南スタイル」の方向性は変わっていないように思う。
基本的には前線からハイプレスをかけて、奪ったら後方からドンドン選手が飛び出してきて、1topに当てて、WBを中心に縦に速くボールを運んで、深く抉らなくても上げられる状況なら中央に素早くクロスを上げてくる。
敵陣で奪う事を前提に攻撃を考えてるので、自分達が保持しても崩しにいくと言うより、敵陣になるべく早くボールを出していき「失ってもすぐに奪いにいくから平気だぜ!」と言わんばかりである。

問題はやはりメンタルな部分。
やり方は変わらなくても、それを動かす部分が心(メンタル)になると思うのだが、拠り所を失ってからは一度不利な形勢になった時にそれまで様な反発力が感じられず無抵抗に近い形でやられてしまう試合が多くなったと感じる。
自分達のペースで試合が出来ている時は良いのだが、分かりやすく言うと「心が折れる」のが早いのでは無いだろうか。

ただ、前述した様に直近の試合ではその「湘南魂」とも言うべきハートの強さを取り戻しつつあり、本来の姿に戻りつつあるのでは無いかと感じた。
特に球際の強さやプレスの強度には後方ビルドアップを主な武器としていたC大阪がタジタジになってしまう程なので、往時の勢いを取り戻しつつある。

■試合展望

・トランジションで優位に立て!

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湘南は攻守の切り替え(トランジション)の速さに強みを持っているチームである。
激しい上下動を厭わない姿勢はデータにも現れている、長い距離を行ったり来たりする事で1試合平均の走行距離、スプリント数が共にリーグでも上位である。
東京は自陣に引く形が多いので、走行距離こそ数値は低いものの、永井や室屋を筆頭に勝負どころでスプリントができる選手は多く、走る展開が苦手な訳では無い。
必勝のパターン(先制逃げ切り)を成功させる為にも、0-0の状態なら湘南が得意なオープンな展開に付き合う必要性も出てくる事だろう。
3連勝した試合は何れも相手より走行距離、スプリント数ともに上だった、相手の得意な土俵で打ち勝って、自分達のペースに持ち込みたいところである。

・プレスを掻い潜れ!

前述の通り、C大阪相手の湘南のプレスは中々の強度であった。C大阪程ビルドアップが得意でない東京がそこに拘ると容易に引っ掛けられてピンチを招く恐れがある。
湘南は前線から中盤にかけてのプレスは強いのだが、人に行く意識が強い為、中盤と後方、あるいはサイドにスペースが出来やすいので、無理に繋ぐのでは無くここに最終ラインからボールを飛ばしてプレスを回避するのも1つの手である。
実際に苦労していたC大阪もこれで湘南のプレスを無効化して、手薄になった湘南の後方守備を上手く突く事に成功していた。
東京は長いボールから起点を作って攻めるのが上手いチームである、
東京は森重からこういったフィードは期待出来るし、岡崎や小川がスタメンに入ったなら更にスムーズにこの形で湘南のプレスをいなせると考える。
個人的に渡辺の怪我やオジェソク、室屋の両SBの同時出場停止を防ぐ為に岡崎、小川のスタメン起用はアリだと思っていたが、この様に選手の特性を活かすという意味でも湘南相手にスタメンの変更は面白いと感じる。

公式のアジジ作戦
(アジジを知らない子はお家のお父さんお母さんに聞いてね!)

・心を断ち切れ

湘南は自分達のペースで試合が出来ていれば強い、裏を返すとプランが崩れれば脆いと言う事でもある。
更に相手に引かれた場合にはボールを保持を得意とするチームでは無いので、攻め手が制限される部分は大きい。
なので東京は如何に先制点を取るかが毎試合の如く、鍵になってくるだろう。
早めに攻勢をかけるというのも選択肢としてはありかも知れない。
出来るだけ早い時間帯にリードを奪う→拡げて湘南の心を断ち切りたい。


■etc……

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両チームの時間帯別の得失点のデータである。
終盤まで脚が止まらない湘南、それを象徴するように試合終盤での得点が一番多い。
東京は仮に必勝パターンに持ち込んだとすると、如何にこの終盤に湘南の攻撃をいなせるかが、鍵になりそうだ。

その他両チームに関するデータ

・東京は今季、先制点を挙げたホーム戦で全勝(9試合)
対する湘南は、先制点を奪われた試合数と、その敗戦数がリーグワースト(22試合:3勝2分17敗)
・湘南は相手チームのシュートがポストやバーにあたった回数が今季リーグ最多(20本)。対する東京は今季、シュートをポストやバーにあてた回数がリーグ最少(6本)
・長谷川健太は監督として、湘南戦通算9試合で無敗(7勝2分)。これまで7試合以上対戦したクラブの中では、唯一無敗を維持しており、勝率が最も高い相手(77.8%)
・ディエゴは東京が昨季以降の湘南戦で挙げた4得点のうち、3点に直接関与している(2得点1アシスト)また同選手は出場した湘南戦で無敗(5試合:2勝3分)


■まとめ

立ち直ってきている湘南が相手とはいえ、現在の状況や相性を考えれば悪くない相手だと思いました。
無論、慢心はいけませんが東京が【普段通り】に出来れば勝利する可能性は高いと感じます。
そう、問題はこの【普段通り】にやるという事。
8月以来のホーム、優勝争い、スタジアムの雰囲気は否応無しに高まるでしょう。
長谷川監督に率いられた選手達に浮ついた印象は全く受けませんが、入れ込み過ぎによるテンションの高まりは中々抑えるのは難しいでしょう、そんな中でもウチのレジェンドの言葉を借りるなら【平常心】これを如何に大切にしながらプレイが出来るかが鍵になってくると思います。
何度も今シーズンは話していますが、我々は目の前の1試合に全力で臨み、その積み上げで今の立ち位置にいると思っています。
これまでアウェイ8連戦で培ってきた経験を活かして、チームもファンもこの湘南戦に全力で挑み、勝利を得てくれると信じています。

明日は生憎の天気ですが、久々の「僕達の味スタ」です、選手達に帰ってきて良かったと思ってもらえるような雰囲気を作りたいですね!

一戦全力!最後の1秒まで!


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