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デジタル販促の用語集 その1(DX、O2O、OMO)


Pathee 副社長の冨田です。(私の経歴などについてはこちらから) 

最近になり、小売業において、これまで以上にDXやO2O、OMOといったコトバがよく聞かれるようになってきました。
DXはデジタルトランスフォーメーション、O2Oは Online to Offline、OMOは Online merges with Offline(オンラインとオフラインの融合)を指します。

元々、日本のJINSにいた6年くらい前から、小売業のデジタル化はますます進展し、オンラインとオフラインは融合していくという確信はあったのですが、最近になって日本でもD2Cというコトバが流行ったり、コロナウイルスの影響によって消費者の行動が変わりつつあることなどから、この界隈は賑やかになりつつあることを感じています。

私自身も、まだ、デジタル化された小売業の具体像を描けているわけではないのですが、それぞれのコトバの位置付けや、小売業のビジネスのどこに影響があるのか、自分なりに整理したいと考え、この記事を書きました。

■小売業のバリューチェーン


小売業において、それぞれのコトバがどういった領域をカバーしているのかを理解するために、小売業のバリューチェーンを模式的に描いてみました。
バリューチェーンというのは、その名の通り、価値の連鎖を表した概念で、消費者に商品やサービスが届くまでに、どのように付加価値が発生していくのかというプロセスを表現します。
今回は、小売業の中でも、ビジネスプロセスとしてはシンプルなSPAを例にとっています。
(仕入型の小売業の場合は、卸やメーカーもプレーヤーとして登場するために、複雑になります。)
手書きで下手な絵や字ですが、ご容赦ください。

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「企画」部門というのが、いわゆる商品企画機能を担っている部門で、アパレル企業などではMDと呼ばれている領域です。その名の通り、どのような商品を品揃えすればよいのか考え、デザインや仕様に落とし、予算をベースに販売計画と調達計画を策定します。
「生産」部門は、企画部門が作成したデザイン・仕様・調達計画をベースに、生産を行います。とはいえ、ユニクロなどの大手も含め社内で生産を行うSPA企業はほとんど存在せず、商社を通じて中国やバングラデシュの海外工場に委託します。担当者は、商社や委託先工場と商談を行い、生産中や生産後に品質チェックを行った上で、日本国内の倉庫に納入するまでの責任を負います。
「物流」部門は、納入された商品を、各店舗やECに振り分けます。ECで発注された商品を消費者にダイレクトに届けるのも、物流部門の仕事です。単純にモノを動かすだけではなく、これまでの実績や現在進行形の在庫の消化状況を見ながら、「企画」部門や「生産」部門とともに、最適な配分を考えるのも重要な仕事です。
「店舗」や「EC」などの販売部門は、文字通り消費者との接点であり、消費者に販売する業務を担います。
「マーケティング」部門は、ブランド広告や商品の訴求、店舗の販売促進などを企画し、他部門と連携しながら実施します。JINSに入社した時にはマーケティングの部門はなかったのですが、離れる頃には一番重要な機能を担う部門になっていました。
「IT」部門は、一般的に情報システム部と呼ばれますが、各部門の業務システムの開発・運用を担います。後述しますが、ECの運営やデジタルでのマーケティングについては、サポートはしますがメインのミッションではないことがほとんどです。

こういったバリューチェーンの中で、O2OやOMO、DXといったコトバがどの部門に関連し、どういった課題があるのか見ていきましょう。

■O2O、OMO

O2OとOMOについてですが、これらは主にマーケティングや販売において、オンラインとオフラインを有機的に結合しようという考え方で、両者には本質的な違いはありません。少し前には、この概念はオムニチャネルと言われていました。

現状小売業で取り組まれている事例でいえば、
・メールやLINE・アプリでキャンペーンを告知し、店舗に集客する
・ECで購入した商品を店舗で受け取ることができる
などが挙げられます。
・店頭で見た商品を、ECで買う
といった消費者の行動も、広義でいえばOMOに含まれます。

これらの活動を、さきほどのバリューチェーンにあてはめると、以下の領域をカバーしていることが分かります。


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O2OやOMOに取り組んでいる小売事業者の担当の方からよく聞く課題感としては、
・ECと店舗の協業が難しい
・マーケティング部門としてはデジタル施策をやりたいが、店舗の協力を得るのが非常に難しい
・店舗受け取りの施策などを行いたいが、店舗や情報システム部との連携が、技術的にも業務的にも難しい
という声がよくあがります。
ただ、上記のような課題を解決している例もあり、多くは推進役の担当者がリーダーシップを発揮しつつ、役員レイヤーや部長レイヤーがそれをきちんと支援することによって形になっていったというケースが多いようです。

■DX

では、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何なのでしょうか。
Salesforce社の定義が一番分かり易かったので紹介させてください。

Digital transformation is the process of using digital technologies to create new — or modify existing — business processes, culture, and customer experiences to meet changing business and market requirements. This reimagining of business in the digital age is digital transformation.

(出典:https://www.salesforce.com/products/platform/what-is-digital-transformation/

意訳すると、

急速に変化するビジネス環境に適応するためには、ビジネスプロセスや企業文化・顧客体験において、新しい何かを生み出したり、既存のものを変革したりする必要がありますが、デジタルトランスフォーメーションとは、これを実現するためのデジタル技術の活用プロセスのことを指します。
デジタル時代におけるビジネスの再定義ともいえます。

となるでしょうか。
もっと簡単に言うと、デジタル技術を活用して競争環境で勝ち抜きましょう、もしくは、デジタル技術を活用しないと生き残ることはできませんよ、と言っていることになります。

ポイントは、企業活動のありとあらゆる領域がDXに含まれているということです。

小売業における代表的な事例としては、国内では情報製造小売業を目指すユニクロ、海外では中国アリババグループが運営するフーマーフレッシュが挙げられるでしょう。

ユニクロ 
https://dcross.impress.co.jp/docs/news/000726.html
ファーストリテイリングが目指す「情報製造小売業」とは、「顧客を深く理解し、顧客が求めるものだけを作り、最適な形で届ける」というもの。その実現に向けて、社内のすべての仕組みを見直し、働き方を根底から変えていくという。
フーマーフレッシュ 
https://d8r.ai/series/china_future_of_retail_1/
スーパーマーケットへの参入に際し、ジャック・マーは新たな概念として「新小売(ニューリテール)」を提唱。同社が培ってきたビックデータと情報テクノロジーを活用したEC(オンライン)と実店舗(オフライン)を融合を実現することで、これまでにない生鮮ECを実現することへの宣言だった。

どちらも、O2OやOMOのような、売り方やマーケティング手法の問題に閉じることなく、デジタル技術を最大限活用し、アパレルや食品スーパーという事業を再定義しようとしているのがご理解頂けると思います。


■まとめ

こういった考え方をさきほどのバリューチェーンにあてはめるとどうなるでしょうか。

企業活動のすべての領域をカバーして推進していく活動であるがゆえに、EC部門やマーケティング部門の販促担当者や担当役員では、到底カバーしきれないのはお分かり頂けると思います。
O2OやOMOといった考え方は、DXのあくまで一部ということも明らかです。

ユニクロでは柳井氏、アリババグループでは当時のトップであったジャック・マー氏が、自ら主導し進めてきたからこそ、失敗を重ねながらも形になってきています。
企業全体の変革である以上、トップマネジメントのコミットがなければ、絶対に成し遂げられるものではありません。

反面、デジタル技術はすでに十分身近になっており、これを最大限活用すると小売業がどういった進化をしていくのかということは、デジタルの専門家でなくても十分想像可能な時代になっていると思います。
あえて肩肘張ってセミナーに行って勉強するまでもなく、日常的にLINEを使い、Gooogle地図を使い、Amazonや楽天を使っているわけですから。
これらの要素をどう配置すれば、消費者にとって最も利便性の高いサービスを生み出せるのかを追究するだけ、です。
ただし、実行には社内外を含め色々な課題を解決していかなければなりません。

日本においては、小売業におけるDXの競争は始まったばかりです。Amazonでさえも、リアルな小売業の攻略には時間がかかっています。
大手も中小もない、新たなスタート段階と私は見ています。
Patheeもこのような激動の時代だからこそ、小売業に貢献できるソリューションを、小売業のトップマネジメントの皆様や現場の皆様と、ともに共創していきたいと考えています。


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