見出し画像

沈黙の誓い

誰も私に近づくな!
誰も私に話しかけるな!

私はこの最も戒律が厳しい女子修道院に数年前に移ってきた。
戒律が厳しいと有名なこの修道院にわざわざ志願して移ってくるものは珍しい。
以前いた修道院はここほどではないが厳しいほうの修道院だった。
わざわざ厳しくて有名なこの修道院に移ってくるなんて変わり者だとこの修道院にいる者からも思われている。
そのほうが私には都合がよい。
な座なら私は以前いた修道院で沈黙の誓いを立てたからだ。
なざわざわざそのような誓いをたてたのか。
その質問に対しても沈黙を貫く。
最期に話したのはいつだったか、それももう覚えていない。
長い間誰とも話すことはなかった。
そしてこれからも話すことはない。
だからこの修道院は私には都合がよい。
戒律が厳しいから誰も他人のことには関心がないし、無駄話をしようものなら罰せられる。
私は暗く狭い部屋で一人で誓いを守ることがほとんどだ。
だから話しかけられることはないし、わざわざ話しかけてくるものもいない。
私には誓いを守ることができるこの場所がとても居心地が良い。
どんな苦行を課せられようとも。
誰とも話さなくて済むのは私にはとてもありがたい。

私は神とだけ話がしたいのだから。


女子修道院2


励みになりますのでよろしければサポートお願いいたします。