人の死を「RIPプラス絵文字」で追悼する全ての日本人へ
5月23日、女子プロレスラーの木村花さんという女子プロレスラーの方が亡くなった。
木村さんは、シェアハウスで繰り広げられる、若者に大人気の恋愛リアリティ番組「テラスハウス」に出演中だったとのこと。
そして、SNSでは今その木村さんの死に対し、様々な意見が飛び交い、波紋を呼んでいる。
というのも、木村さんに対する、ネット上での「度重なる誹謗中傷」が原因だということだ。
ここで、私が以前からずっと思っていたことを書こうと思う。
それは、
「画面の向こうの人に対する死生観」
だ。
芸能人が亡くなった時、SNS上で、
RIP😢💔
こんな表現を見たことはないだろうか?
「RIP」というのは、「rest in peace」の略語で、「安らかに眠れ」というような意味である。
現代、そしてこの日本において、人の死を
「RIPプラス絵文字」で追悼をするSNS社会に私は苛立ちと気持ち悪さを感じれずにはいられない。
死というのはとても特別なことだと思う。
その人の人生が終わる。病気にしろ、事故にしろ、自殺にしろ。
そして、亡くなった方の親族始め、生前その方と関わった方は、多くの場合深く悲しむだろう。
そんな時に、見ず知らずの人間が
「RIPプラス絵文字」のような軽いノリでその死を追悼していたらどうする?
「あなたは、その亡くなった方の親族の前でも「RIP」と言うのか?しかも絵文字を付けるようなノリで」と問いたい。
「ご冥福をお祈りします」が正しいだろう。
英語圏の人間が同じ英語圏の人に対し「RIP」というのは分かる。
日本人でも、"海外の"亡くなった芸能人に対し、同じ英語という土俵で「RIP」というのもまあ分かる。
例えば、
「じゃあ、”OK!”とかの英語も軽い気持ちで使っちゃいけないの?」
ということを聞かれそうだが、それも状況によるなんてことは誰にでも分かるはずだ。
日本において、目上の人、お世話になっている人に対し、「OK!!」なんて言わないだろう。「分かりました」というはずだ。
日本において、日本語でコミュニケーションをとる私たちが節度を重んじられるシーンでは、基本的にこういった英語の使い方をするのは失礼にあたる。
死というのはとても特別なことであり、そこには亡くなった方含め誰かの悲しみが伴う。
そんなシーンで、日本人が「RIP」を軽はずみに使う。しかも絵文字付きで。そんなのあまりにも節度が無さすぎると思う。
僕ら日本人には「日本語」があり、それに伴うマナーがある。
人の死、命に対するマナーが今SNS上でどんどん腐ってきてる。
「ネット上での誹謗中傷なんてひどい」という声はたくさん聞くが、
そんな「画面越しの人に対するモラルの無さ」を助長させている1つの要因として、
「RIPプラス絵文字」が大きく作用していると私は強く思う。
「うわあ、あの人亡くなっちゃったんだ。好きだったのに。『RIPプラス絵文字』」
こういうノリは、「画面越しの人たちの死」をまるで、**「たまごっちが死んじゃった」というような、人の死や命に対する軽薄化を生む。 **
「押しつけは良くない」とは分かっているが、これに関しては私は強く言いたい。
「RIPプラス絵文字」で追悼をする全ての日本人へ。
よほどの理由がないのなら、今一度考えなおしてほしい。
私たち日本人には「ご冥福をお祈りします」という言葉があり、これが日本における亡くなった方への礼儀だ。
人を始めとする「命」に対する節度とモラル、死生観。
今一度私たちのSNS上で起こっていることがどんなことなのか俯瞰しなければいけないと強く思う。
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