実家がなくなる日
従弟が伯母より相続した母達の実家。
それに買い手が現れたと母に連絡してきたのは数ヶ月前のこと。
今までも何度かそんな話はあったけれど、今回はどうやら本決まりになりそうな感じだった。田舎のことゆえ、土地も建物も広いが、家屋は古く長くひとが住んでいないためかなり傷んでいる。母屋は祖父母が結婚したときに建てたものだから、改装してあるとはいえ、当然取り壊しになるだろう。
買い手として希望する家族は、学校の学区が変わらない範囲で、広い物件を探していてたとのこと。土地の広さが何坪あるのか、母に聞いてもよくわからず…300坪くらいかな?もっとあるのかも。隣との境界もあってなきが如しなのだ。
従弟は一人っ子で両親ともにすでに亡く、この数年で父方の実家も自分の実家も処分している。実家のみならず、墓仕舞いもした。1人でやるのはなかなか大変だったと思う。
私のいとこは総勢10人。LINEで「いとこ会」と称したグループを作っている。
売却の取引が本決まりになるとわかって、LINEで思い出話が飛び交った。
子供の頃は夏休みごとに帰省して、年上の従兄姉達に遊んでもらった。
田舎が珍しいので、当時はまだ残っていた鶏小屋に鶏が卵を産んでいるか見に行ったり(見に行き過ぎて祖母に怒られた😅)みんなで家の中でかくれんぼをしたり(従兄が縁側に隠してくれた)隣の神社の公園でブランコに乗ったり、飼い猫を追いかけて障子を破り祖父に(猫が)怒られたり…した。
いとこ達とのLINEでの思い出話は、とめどなく続き、祖父母の金婚式のときの集合写真を誰かが投稿したりして、わいわい楽しんだ。私もまだその頃は幼稚園児で2歳の妹と手を繋いで神妙な顔をして立っていた😆
母の長姉の娘たちは三姉妹。いちばん実家滞在、利用が多かった。結婚してからも子供達を連れて別荘代わりに使っていたから、3代に渡ってヘビーユーザーということになる。
長姉は40代半ばの若さで亡くなったので、彼女達にとっては母親との想い出が詰まった場所でもある。内心、複雑な気持ちだったことは想像に難くない。
いとこはみんな、その場所が無くなることを残念がり、惜しんでいた。でも、それは仕方がないことだとわかってもいた。
だから、従弟に売らないでなどと言って困らせる者はいなかったし、次に住んでくれる家族が私達みたいな幸せな想い出をたくさん作ってくれることを願った。
空き家で置いておかれるより、その方がずっといい。おじいちゃん、おばあちゃんもきっと見守ってくれるよね🍀
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