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エゴサジェンヌ・愛ちゃんからのおくりもの

東京のホテルから始まった愛ちゃんのディナーショー。

初日の感想を捕獲しようと待機していた私に飛び込んできたのは

”トートはエゴサの結果。SNSで見たいという声が多かったから採用”

というまさかのトークタイムレポだった。

え? いやいや、愛ちゃんがエゴサするというのは聞いていたけれど、まさか ①在団中に ②ご本人から ③ディナーショーの選曲理由として エゴサ が出てくるなんて誰が予想したでしょうか。

これはまさに愛ちゃんからの先制パンチ。舞の海で言う猫だまし。

DSレポに期待を寄せる目の前で、いきなりパチン!と”エゴサでトート”を食らった。ヅカオタ一同、一瞬の面食らいの後、一気にテンションマックスへ。

(愛ちゃんがSNSをみてい・・る???)

その夜のSNSがお祭り騒ぎになったのは言うまでもない。

しかしこれだけでは終わらなかった。翌日も愛ちゃんのターンは止まらない。

「わたしがエゴサしやすいようにタグできてた」

「こんなに歌ってるのにトークショーって言われてた」

「昼公演の後もエゴサした」

・・・・・・・・初日にエゴサ大砲ぶっ放した愛ちゃん、確かにわれわれ歓喜に舞いました。私も興奮して愛ちゃんあてにツイートしましたよ。でもね、その翌日に、前日のネタを拾って、リアルでご本人からアンサーが返ってくるなんて、誰もおもっとらんのですよ!!!

「エゴサしすぎて目が痛い」

やめて~~~~~~~~


ディナーショーでこんなに盛り上がる掴みはオーケー、ありますか。

現地隊の愛にあふれた興奮レポと内容の濃密さに、ディナーショーが非常に身近に感じられ、私は行っていないのに東京公演を見てきた気すらし始めている。

興奮冷めやらず愛ちゃんに届けとツイートし、みんなのツイートも見ているうちに、ふと、界隈の雰囲気がガラッと変わっていることに気づく。

あれ?みんな、笑ってる・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そりゃあ、寂しい。退団はさみしい。

しかし突然この界隈にもたらされた愛のやりとりはなんだろう。

みんなこぞって愛を叫ぶこの構図はなんだろう。

東京公演が終わり、宝塚ホテルまでの期間にふと思う。

この演出は愛ちゃんの死・・ではなく愛ちゃんの愛によってかけられた魔法だったのかもしれないな、と。

愛ちゃんも言っていたけれど、”宙組時代から専科へ異動、その際、私もファンのみなさんもつらく思ったことがあった・・”。

その後星組で大きな二番手として、新生星組を包み込むように育ててくれた。

ロミジュリ愛ちゃんの死で新旧ファンをこぞって夢中にさせ、SNSでは愛ちゃんの死が何度も話題に上る。結果、予定のなかったB日程のブルーレイを急きょ発売する事に。そんな、愛ちゃんへの注目とファンの人数がどんどん膨らんでいく中での退団発表。

だれしもご贔屓ができれば必ず経験する退団かもしれない。しかし、そんな一般論など何の意味もなさない。かける言葉も浮かばない、何も言葉をかけるべきではないと思うほどの、ショックが駆け抜けた。

時間とともに受け止め方は変化していったかもしれない。それでも当然寂しさは否めない。そんな中始まった愛ちゃんディナーショー。

そのしょっぱな、愛ちゃんから特大のアンサーが贈られた。

いつも、みてるよ~ みんなのきもち、わかってるよ~(意訳)

まさかの角度からカウンターパンチを食らったファン一同は、愛ちゃんがいつもファンの事を気にかけてくれていたことをまざまざと実感した。お茶会や入出がなくなり、2年前と比べ大幅に接点の減ってしまった世界線。そんなとき、超具体的なツールを示し、突然に距離を詰める愛ちゃんタカラジェンヌ。

タカラジェンヌは雲の上の人だ。俗世間にも通じていない。劇団もファンもその点は夢の世界と理解して成り立っている。公式SNSをしているタカラジェンヌはいないし、そんな界隈知らないよ、というそぶりをタカラジェンヌもファンも尊重している。

だからこの方法は誰でもできるやり方とは言えない。過去にエゴサをにおわせ、タカラジェンヌとして数々の功績を残し、今まさに輝きに輝いて退団しようとする愛ちゃんだから許される愛の形だったのかもしれない。

宝塚ホテルのディナーショーではこの話題は封印し、星組生との楽しいやり取りで楽しませてくれた。東京公演の最初に伝え、しっかり伝わったことを確認して宝塚ホテルに戻ったのかもしれないな、と思っている。

これから東京公演が始まる。愛ちゃんのタカラジェンヌとして最後のひと月。ディナーショーを経て、退団までの大切な時間の過ごし方が、ちょっと、いやだいぶ変わったかもしれない。

愛ちゃんがいつもファンを近くに感じていてくれるという安心感。星組の下級生だけではなく、ファンの隅々まで愛ちゃんの包容力のある腕に抱かれている気がする。そんな確信をくれた、愛ちゃんからのおくりものだった。

ありがとう、愛ちゃん!










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