7日間ブックカバーチャレンジ3日目

7日間ブックカバーチャレンジ3日目

読書と出版の文化を支援するため、好きな本の表紙を7日間アップする取り組み。

尊敬する菊池昌枝姉さんと、ワインもですが人にも注目している奥出雲ワイナリーの斎藤聡さんからの
「この人の好きな本を知りたい」というバトンを受け取ったので。
どなたかにバトンをと思いましたが知りたいなと思う方々がこういった状況でお忙しい方だったりどちらかといえば大きく逸脱しそうな方だったりするので次の方の指名は差し控えます。

#7days #7bookcovers
#bookcoverchallenge

世界からバナナがなくなるまえに 食料危機に立ち向かう科学者たち
ロブ・ダン著、高橋洋訳、青土社

意外と普段自分のまわりにある食べ物について知らない事がよくわかる。
日常的に摂取している野菜の80%を12種類の作物が占め、90%となると15種類となる。
フードシステムとして世界がつながると単一作物の栽培は病害虫の影響を受けやすくなり、また市場経済の様々な思惑もあり思わぬ出来事が起こったりします。

世界で現在流通しているほとんどのバナナがキャベンディッシュと呼ばれる単一品種でクローンだと知るとスーパーなどで山積みされている光景の見え方も変わる。

じゃがいもは?キャッサバは?小麦は?と人と作物との結びつきをわかりやすく書いています。
本の中に出てくるロシアのニコライ・ヴァヴィロフのくだりはなかなか読み応えがあります。
もともと野生種だったものを数世代に渡り育種選抜し固定したものが栽培作物となり食文化の中で重要なポジションをしめるようになっています。ヴァヴィロフは栽培作物の産地をまわり遺伝的に多様な種が存在する場所がその作物の起源であるとし、世界の中でいくつかの起源地をグループ分けしたことで知られています。ワイン用のブドウの起源がジョージア、トルコ、イラン、アルメニアのあたりとされていますがブドウだけで無くもう少し範囲を広げると小麦など数種類の作物の起源地であったりします。そこはメソポタミアやインダスなど文化・文明の集散地でもあり調べていくとかなり面白いです。このあたりは印欧語の起源や車輪の発明など他の問題とも絡んできます。

真面目に読み出すと重たいテーマですが平易に書かれているので各章ごとにバラバラに読んでも大丈夫。現代版のノアの方舟のようなキャリー・ファウラーの北極圏のスヴァールバルの種子の保存庫なども出てきます。

自然派ワインとお好み焼きパセミヤ Pasania店主。某店ワインペアリングのアドバイザー、たまに専門学校の社会人向け開業支援クラスの講師も。ご予約、取材依頼、講師などのお仕事の依頼お待ちしております。