【マウスにシカの角が】シカの角の幹細胞をマウスに移植したら角が生えたぞ

地球上でトップクラスに恐ろしい動物と言えば、ヒグマとかカバとかオオアリクイが浮かんでくるけれども、あの百獣の王武井壮も恐れたのが「ヘラジカ」

あるショッピングモールでヘラジカの剥製を見たことがあって、それはでかい物体。モンスターハンターにいてもおかしくない巨躯だったし、遭遇してしまったら、すぐに視界から離れるべきだと思った。

体のでかさはそれだけで大きなアドバンテージだ。この大きさで普段から駆け回っているのだから、筋力も相当強いだろう。この大きさで荒らすかの雪の大地を駆け回っている。

ヘラジカに限らず、シカの仲間は角の再生速度がとても速い。ある日ぽろっと折れたと思ったら、少しずつ伸びていく。この再生能力は自然界に生き延びるために手に入れた能力なんだろう。


中国の研究グループは、哺乳類の臓器再生に協力し、鹿の角芽球前駆細胞が高等脊椎動物の保存された再生細胞の供給源であることを発見した。この発見は臨床的骨修復に応用されることを示唆している。

手足と臓器の再生は、長く切望されてきた技術であり、人間は肝臓の細胞でいくらかの再生能力を持っている。なので、肝臓の一部を切り取っても残りの肝臓から元のサイズに戻るまで成長をする。肺や腎臓、膵臓も再生できるけれども、あまり優れてはいない。

自然界にはトカゲの尻尾や、ゼブラフィッシュのひれ、アカザエビの爪など、また脳組織まで再構築できるアホロートルが存在する。

雄の鹿の角は急速に成長する骨の構造と血管と神経が巻き付けられた生体組織として毎年再成長する。そして、マウスは手足の一部を再生する能力を持っている。この両者の細胞を比較したところ、前駆細胞がよく似ていたという。

そこで、分析結果を基に確かめるため、研究チームは鹿の前駆細胞をマウスの頭部に移植してみた。枝角のような骨軟骨形成は、完全に移植された幹細胞の成長からマウスの頭蓋骨に現れ、角のような軟骨が現れた。つまり、マウスの頭に角が生えた。

今回の研究で再生に必要な前駆細胞を分離することができた。鹿の角が再生医療に役に立つかもしれない。もしかしたら、ファッションで自分の頭に角を生やす人も現るかもしれない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?