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光害ニュースまとめ:2022年12月後半

2023年もどうぞよろしくお願いします。年をまたぎましたが、昨年12月後半のニュースまとめです。

地上の光害に関するニュース

冬の星空観察(環境省)

2022年12月21日、環境省が運営するメディアecojinに掲載された記事です。環境省がオウンドメディア的なものを運営しているということを、今回初めて知りました。環境省は、毎年夏と冬に星空観察を呼び掛けており、デジカメを使う方法と肉眼を使う方法のふたつがあります。2022年夏の結果はつい先日公開されて、私も記事にしました。

ecojinの記事は、キーワードとして「冬の星空観察」を紹介しているだけなので、観察期間や方法などの詳しい情報はリンク先にしかありませんが、2023年冬の観察期間は、肉眼での調査が年1月13日~23日、デジカメ調査が1月12日~25日です。今回は私も初めてデジカメ撮影で参加する予定です。環境省「令和4年度冬の星空観察について」を参考に、みなさんもぜひ参加してみてください。

4分の3が人工光の影響を受けている? 世界の主要な天文台に対する光害の影響を調査

2022年12月25日、soraeに掲載のニュース。もとはFabio Falch氏らによる論文"Light pollution indicators for all the major astronomical observatories"です。王立天文学会もニュース記事を出しています。

28の主要天文台(+それ以外も含む約50か所の天文台)において自然光に対する人工光の比率を調べたという研究で、天頂方向で人工光の比率が1パーセントを下回ったのは欧州南天天文台(ESO)パラナル天文台、ESOアルマゾネス(口径39mのELT建設予定地)、東京アタカマ天文台(以上チリ)、南アフリカ天文台、オーストラリア天文台、マウナケア(ハワイ)、サン・ペドロ・マルティル(メキシコ)の7か所。7/28=1/4が影響を受けていない、ということですね。この論文は改めて読んでこのnoteにまとめたいと思います。

西表島の正しい歩き方を現地で聞いてきた【第2回】国内初の星空保護区! 何が違う?

2022年12月27日、マイナビニュースに掲載の記事。西表島の星空の特徴として「国際天文学連合が定める88の星座のうち84の星座を見ることができる。また一等星に分類される恒星は全天で21個あり、その全てを見ることができる。」が挙げられています。これは純粋に地理的要因なので星空保護区は関係ありませんが、この恵まれた地理的条件を存分に活かすには、暗い夜空は重要です。記事内では現地で星空ガイドをされている方のインタビューがあり、光害に対する考え方もお話しされています。「やみくもに街を真っ暗にしろ、というわけじゃないんです。景観や周辺環境に配慮した形で、経済活動を阻害しない範囲内で光とうまく付き合っていけたら。」とのことで、私もまったく同意です。

光害と関係した衛星コンステレーションに関するニュース

スターリンク第2世代

ここでもたびたび話題にしている、スペースX社のスターリンク。数千、数万の衛星を地球周回低軌道に打ち上げて全世界で高速通信ができるようにする、というものです。スペースX社はより高性能で大型な第2世代(Starlink Gen2)を企画していて、12月2日には米国連邦通信委員会(FCC)によって7500機の打ち上げが認められています。12月19日にspacenewsに掲載された記事では、第2世代機が「今月中」、つまり2022年12月中にも打ち上げられるとされていましたが、まだ打ちあがっていないはずです。ともあれ、打ち上げ準備は進んでいるんだろうと想像しますので、打ちあがった後には反射光がどれほどの明るさになるのか、また調査が必要になるでしょう。

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