
Webデザイナーがサービスのロゴデザインで苦しんだ話
はじめまして。MEFILASでデザイナーをしている大藤と申します。
普段はWebサイトのデザインを担当している私ですが、自社サービスのLINE@チャットボット作成サービス「Parot」で、はじめてサービスのロゴ制作を担当しました。
普段の業務ではできない貴重な経験となりましたが、いつもとは違うデザインの流れに戸惑う事も多かったので、これからサービスのロゴを制作される方の参考として共有できればと思います。
この投稿はデザインに関する話がメインですので、
Parotに関する情報はこちらをご覧ください。
デザインの準備
事前にサービスの内容は共有してもらっていたので、「LINE@でチャットボットが作れるサービス」という認識はできていました。何度かの打ち合わせで、サービス名も「Parot(パロット)」に決まったので、その段階からデザインを進めていくことにしました。
ちなみに、サービス名の「Parot」の由来は、教えることで返答できるようになるオウム(Parrot)をもじった造語です。
最初の壁
...で、早速つまずきました。サービス内容やサービス名の響きからデザインを進めようとして色々模索しましたが、どうもしっくりきません。。
この時点で、自分の中でのParotの位置付けが曖昧だったことに気がつきました。Parotは、だれのためのサービスで、他のチャットボットサービスとはどう違うのかを、デザインする前に整理する必要がありました。
他社のサービスは、様々なシーンに対応するために多機能である反面、操作が複雑になりがちなものが多い中、Parotは、これからチャットボットを始める方でも簡単に使えるサービスとして、機能を必要最低限に絞り、使いやすさを重視することでだれでもチャットボットがつくれるサービスを目指していることがわかりました。
なんとなくの方向性だけで開発が進んでいたので、ロゴを考えるタイミングでサービスの指針を明文化できたことは、サービス開発の上で大きなメリットとなりました。メンバー全員の認識が統一でき、開発における判断基準も明確となったため、サービスの質を高めることにつながりました。
デザインの方針
Parotの目指す「サービスの在り方」を表現するために「だれでも・いますぐ・かんたん」というコンセプトをつくり、デザインの方針として2つの軸を設定しました。
【SIMPLE】= 直感的に伝わるわかりやすさ
【ENJOY】= 簡単であるからこそ生まれる楽しさ
この2つの軸をもとにロゴのイメージを固めていきました。
カラー設定は、初めて操作する方にも扱いやすく優しいというイメージを表す「緑」、先進性を表す「青」、その両方を兼ね備えつつ、昨今のトレンドを考慮した淡い色味にした「青緑色」をキーカラーにしました。
初校:方向性とアイディアの確認
上記の2軸から全体のトーンは探りつつ、チャッボット作成サービスというサービス特性から、メッセージをやりとりしているような遊びを入れるために、「P」と「a」を吹き出しに見立てたロゴを作成しました。
今見返すと、少し硬い印象です...
再校:意見を聞きつつ「らしさ」を探る
初稿のロゴに対してメンバーから意見を聞き、調整の方向性をまとめました。
・シンプルではあるが、もっと「Parotらしさ」が欲しい
・書体が細く、ぱっと見の印象が弱い
・スタイリッシュすぎる
各メンバーの中にあるイメージを探りつつ、自分が思う「Parotらしさ」をつなぎ合わせるときに、ターゲット目線でロゴを見直すと【ENJOY】部分が弱く感じたため、テイストを調整しました。
調整した案がこちら。
丸みのあるシルエットで少しポップさをプラスしました。
念校:サービスのイメージを強める
ここから最後の調整です。【ENJOY】をさらに強調するために、グリッドのバランスを崩して全体のまとまり感を強めました。
まず、「P」がベースラインに対して少し頭が出過ぎな印象だったので、高さを抑えました。次に「t」の文字、こちらも少し頭が出ていた印象でしたので抑えめにし、横棒もそれに合わせて少し低くしました。最後に「aの文字の右下箇所の丸みを尖らせ、吹き出しのシルエットとして存在感を上げました。
完成したロゴがこちら。
「だれでも・いますぐ・かんたん」にチャットボットがつくれるサービスのロゴとして、これからチャットボットをはじめようとしている人達に、簡単で楽しそうだと感じてもらえるロゴになったかと思います。
まとめ
サービスの機能や名前だけでロゴを作ろうとすると泥沼にハマるのでご注意を。。サービスの指針を固めることで、ロゴの方向性が定まるだけじゃなく、サービス開発全体としても共通の基準で判断ができるようになるため、結果的にサービスの質が高まるのでおすすめです。
最後に
普段の制作とは違う体制の中、サービスの方針を汲み取り、デザインに反映する経験ができました。また、導入された企業も増え、たくさんのメディアで取り上げていただいており、このロゴがサービスの顔として展開されていくことに喜びを感じています。今後もアップデートが続きますので、サービスとともに成長できればと思います。
Parot(パロット) に関する
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https://parot.jp/
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