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構文の五階層による言霊のデザイン vol.05

監修:大野靖志 / 執筆:寺内輝治

構文の五階層は、私たちが普段の生活で直面するあらゆる状況に応用できます。

今回は、がんを患っているケースを例題にして、どのように構文を作成するのかをご紹介します。構文作成のコツをつかむための練習として、一人称構文・他人称構文をご覧になり、そこから先の構文はご自身で作ってみられてもよいでしょう。

◎一人称構文

「私はがんを患っており、死ぬことを恐れている。だが、治療も怖い」


◎他人称構文

「医師は抗がん剤を勧めてくる。副作用を恐れる私の気持ちを分かってくれないようだ」


◎複合一人称構文

「私は死の恐れ、治療に関する恐れから解放されたい」


◎優先構文

「恐れは免疫力を低下させて病気の悪化にも繋がる。だから、笑顔を取り戻すために何か楽しいことに取り組もう。そして私は、前向きな姿勢で医師とよく話をして、治療への恐怖を克服し、治療に取り組んでみよう。もし、医師の説明に納得いかなければ、別の病院でセカンドオピニオンを求めよう」


◎自在構文

「人間はただ生きればいいのではなく、情緒的に安定し、安心のなかで生きることこそがその本来の姿である。この病気はそのことを教えてくれた気がする」


七沢賢治氏はこの構文について、次のように述べています。

以前、ちょうどこの例題と同じような状況の人がいました。
この方は西洋医学への不信感から代替医療にばかり取り組んできましたが、その結果、骨転移まで起こしてしまい、余命宣告が出る事態になったのです。
しかし、自分自身の情緒を客観視して感情を整理したところ、安全と思える範囲で西洋医学を取り入れることを決意します。
そして、低濃度の抗がん剤の投与を受けながら、落語などを聞いて生活に笑いを取り入れることを心がけた結果、癌の病巣は半減し、医師とも心を通わせて、心にゆとりをもって治療に励むことになりました


今回のケースを見ると、自分の置かれた状況を構文の五階層で表現することで、それまで自分の行動にストップをかけている原因を客観視し、自然に乗り越えることができることが分かります。

なお、ご紹介した構文はあくまでも一例であり、ご自身で作成する際の参考としてとどめておいてください。

次回は結婚をテーマにした例題を構文の五階層で紐解いていきます。


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【寺内輝治のプロフィール】
Parole編集員。
中学2年生まで友だちとラケットベースボールやパソコンゲームに熱中する元気な子どもだったが、ある日、教室で奇妙な白昼夢を見て以来、「何のために生きているのか」を自分に問うようになる。
大学時代、周囲と同じように就職活動をすることに強い抵抗を感じ、翻訳で生計を立てるべく専門学校で学ぶ。
しかし、一度社会で揉まれる必要性を感じ、セールスプロモーションの会社に就職。イベントや展示会の企画運営、印刷物やWEBサイトの制作などに10年間携わる。
ホメオパシーに出会い、その魅力に取り憑かれてホメオパシー関連の会社に就職。タマネギの皮がむけていくような内面の変化を体験する(周囲から変わったと指摘される)。
その後、フリーランスとしてデザインや翻訳などをこなすなかで、「何のために生きているのか」という問いが爆発しそうになっていたとき、七沢研究所と出会い、その答えを見いだす。
2018年に京都から甲府に引っ越し、心身ともに健やかな毎日を過ごしている。

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