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COLLECTIVE に寄せて 2021 追記 ver.

ZINE の甲子園だ!

甲子園や野外フェスみたいに 毎年の夏の恒例行事 をやりたいなと思って、おととしからはじめた ZINE の展示・販売イベント COLLECTIVE

このイベントが他の ZINE イベント一線を画すのが 47都道府県さまざまな地域から応募可能 という点。意外と ZINE って、作ったとしても 置いてくれる場所は限られる し、東京の人気の書店に送るにも センスを問われる し、地元の本屋やおしゃれなカフェで扱ってもらうのもすごく緊張するし(持ち込むだけで心臓が飛び出そう)、売り上げってどうなるの? とか精算どのタイミングでしたらいいかわからないし、委託って何? とか。断られた時とかもう死にたい。

実はめちゃくちゃ大変なんですよね。お察しします。かつてのぼくが、そうでした。自分で持ち歩いて会った人に片っ端から売って歩くかあ、なんていうのは一部で、みんながみんな器用じゃない。売り先が想像できないから「作るに至らない」というポスト表現者がいるのはもったいないなあと思う。みんなが小さな声をあげれば、もっとこの世が明るくなるような気がします。ZINE で。

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全国のすみずみにまで聞こえるように

だから、年に一回くらい、誰にも気兼ねなく、自分のつくった ZINE 見て!と言えて(つぶやけて)、取り扱ってくれる店があって、その店の人たちやいつもそこに集まってる人たちが、自分の ZINE のことを隅々までしっかり見て感想言ってくれてり、前のめりになってバンバンと売ってくれたらめちゃくちゃうれしいよね。と思ってはじめたのが COLLECTIVE でした。

あと、普段やってる広告のディレクター業で全国いろいろなところに行くようになって、いろんな人にあうようになって、その土地で創作活動をしている人を知ることが増えて、そういう人たちのつくるめちゃくちゃいい ZINE が、東京では局地的にしか扱われてない(埋もれてる)ってことが多くて、もったいないなって思ったのもある。

「東京なんかでは売れないですよ〜」

と謙虚なひとが多いのが不思議で、パークでよければ少しでも、と思うようになった。コロナ禍で表現するのも、受け止めるのも大変な時代になった、だからこそというのもある。ただの募集じゃあ全国津々浦々までノックはできないと思う。だから、一人ひとりに地域性を強く意識してもらい、1人の表現者であるというパーソナリティを感じてもらうことで、埋もれてしまいがちな小さな声を、見えるように、聞こえるようにしたというのが、この企画の意図。

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灯台下暗し

あと、東京もそうなんだけど、意外と自分の住んでいる町って灯台下暗しで、自分の町の魅力とか、すてきなお店とか、おいしいカレー屋とかなかなか見えてなくて(車で移動するから通り過ぎてるとかもあって)、でも、こっちは旅人という立場であることが多いから、事前にいろいろ調べて行くわけで、わりと知ってるんですよね。その土地にずっといるわけじゃないから新鮮に見えるというのももちろんある。

だから各地のお店やカルチャー情報をそこに暮らす表現者たちの視点でシェアできるようになればといいなと思って、毎回 COLLECTIVE への参加作家にはアンケートで自分の街の好きなお店やなんかを答えてもらってます。で、ぼくらはそれを店頭やブログでシェアさせていただいています。

同じエリアで活動をしているひとを見つければ共感できるし、もしほかのエリアに住んでいても、今度あの町に旅行するときはここで紹介されてたあそこに行こうってなると最高だなって。

最後に

ZINE というメディアは日記みたいにとてもパーソナルで、でもあなたの1票が社会をいつか変えるように、どんな作品のどんな1冊にも社会的な価値は確かにあります。

特筆すべき個性はっきりとした主張がないと難しいと思ってるひとも多いかもしれないけれど、とっくにそんな時代は終わってると思う。

小さな声に耳を傾けるひとは増えてると思う。だから、小さな声でもじゅうぶんに成り立つ、小さなメディア『ZINE』がもっと自由に誰でも作れるんだって、広まればいいなと思っています。誰でも発信できる時代が来たと思います。作り方やはじめ方がわからないひとはいつでも相談してください(DMでも店頭でも)。これを機に作った、という人が現れたらぼくは嬉しいです。

てざわりを感じることができるメッセージが会場にたくさん集まります。

2021年も、47都道府県さまざまな地域から、ZINE が少しずつ届いてます。みなさんのまわりにも ZINE を作ってるひと、もしくは作るべきだというひとがいたら、このイベントへの参加を呼びかけてみてください。

ZINE の解釈は自由です。


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詳しくはこちら ⏬
http://collective47.com

キービジュアル:相馬涼さん

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