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#EP01 『MORE SLOW TEMPO』 by なかおみちお

2024年3月13日(水)より PARK GALLERY にて開催されるイラストレーターの “はるやまひろし” と “なかおみちお” による2人展『MORE SLOW TEMPO』。同じ歳で同じ時代を、それぞれの街で暮らしながら、全く別々の道を辿ってここ東京でゆるやかに出会う2人のイラストレーター。そんなふたりが、ゆっくりと静かに「マイペース」で歩んできたその道すがらで拾ってきた様々なカルチャーを紹介してくれました。ふたりが好きな音楽や映画、そのほかいろいろなことをみんなで吸収・共有することで、2人展『MORE SLOW TEMPO』がもっと楽しくなりますように。


2人展『MORE SLOW TEMPO』の開催前に、会場でもある PARK GALLERY から「影響を受けたものを紹介したい」と言われたので、今回はまずはこれについて触れてみる。

2008年のドキュメンタリームービー『BEAUTIFUL LOSERS』の存在というのは、とてもでかい。10代、20代前半に特に影響を受けたものは、その後に出会うどんなものにも勝てない強烈な存在だ。ぼくの場合はヒップホップが入り口で、スケートカルチャー、グラフィティーカルチャーにハマり、さらにその中から「こいつの絵はヤバい」とか友達と話したりしながら、自分の中の「うわ!」「すご!」「かっこよすぎ!」な感情がコトコト煮詰ってできた「ドロドロのニンニク卵黄」みたいなエキスが、未発達なぼくの脳みそにべったりとこびりついていった。

つまり、そんなぼくの頭をすっかりおかしくする「連中」が次々に現れては、自分の表現についてなどを訥々(とつとつ)と話す様子が字幕付きで観られるありがたいブツこそが『BEAUTIFUL LOSERS』なのだ!(爆発音)

登場人物はストリートカルチャーの中心人物が勢ぞろいなので、この映画が好きな人はかなり多い。今回一緒に展示するイラストレーターの ”はるやまさん” はこの話ができる仲なので、「あいつのあれがめっちゃいいよね」がスッと伝わることがありがたい。接しやすい。

とにかくこの映画に出てくる人たちのことを書き出すなんて、到底展示前にできることではない。

今回、各々で再度この映画を観直してみた。やっぱりかっこいいものを作りたいエネルギーが湧いてくる素晴らしい作品だと思う。

でも、頭がヤられてないやつには、ただの思い出話に見えるのかも。

そもそもストリートカルチャーの話というのは、沁みたやつ同士でしかできないのだ!なんつって⋯でも意外とそうなのだ。

ー なかおみちお



はるやまひろし × なかおみちお
2人展『MORE SLOW TEMPO』

2024年3月13日(水)~3月24日(日)
場所:PARK GALLERY(東京・末広町 / 湯島)
東京都千代田区外神田3-5-20
営業時間:13時〜20時 | 入場無料
定休日:月・火曜
*3/23(土)は別会場でイベントを予定しているため休廊します。

なかおみちお(MICHIO NAKAO)
1982年鳥取生まれ・東京在住 イラストレーター 90年代のスケートボードなどのサブカルチャーから影響がベースにあり、POPで接しやすいイラストレーションで主に人物を描いているが、最近は犬や猫をメインとした動物のモチーフも多い。どこか変なムードとユニークな形になるように意識している。お仕事の種類は全く限定していないが、コラムの挿絵からイラストレーターとして活動し始めた為、得意ジャンルである。主なコラムのお仕事は、 競馬王(白夜書房) / かなざわいっせい「必笑法ドン・キホーテ」、 競馬王(白夜書房) / かなざわいっせい「もののけの族」、 CINRA(CINRA, Inc.)/ 武田砂鉄「「フジワラノリ化」論」、 CINRA(CINRA, Inc.) / 武田砂鉄「コンプレックス文化論」、 VERY(光文社) / 武田砂鉄「武田砂鉄のVERYな言葉狩り」などイラストの展示にも積極的に参加。“NERD SPORTS"名義でTシャツなどのオリジナルアイテムを発表し、出店イベントにも参加することが多い。
https://www.instagram.com/nakaomichio_illustration

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