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病気になると性格まで変わる

会話上手で物知りで誰にでも気遣いが出来て、また明るく接することができて、誰よりも頼りがいのある人、それが夫(=トノ)です。

年齢差が20歳あるので、父親代わりにもなっております。

そんな夫が11年前に脳梗塞で左半側麻痺になり車いすでの生活をしています。
病気になる前は小学校時代の同窓会の連絡がくると(毎年連絡がありました)必ず一番に連絡して嬉しそうに参加していました。
同窓会では現役でバリバリ仕事をしていたのはトノだけで誰よりも若々しくて同級生の間でも常に人気者であり、話題の中心になっていました。
同窓会の2次会と称して我が家に数人連れてきたこともあり、ワインを一緒にいただいたこともありました。

仕事仲間との飲み会にわたしを一緒に連れて行ってくれたり、大阪や難波のいろんな美味しいお店にも連れて行ってもらいました。

そんな社交的な性格だったトノが病気になってから一変しました。

①同窓会の連絡が来ても無視するようになった。何度も連絡が来たので、こっそり私が電話に出て先方に事情を説明しました。トノ曰く、「自分ひとりで何もできなくなった姿を見られたくない!」「同情されたくない!」「まともに食事ができない姿をさらしたくない!」

左手がほとんど使えないので食事の時はお茶碗を持てず、よくこぼします。
本人はそのことがとても嫌なのだと言っていました。それが理由で人前で食事をすることが苦痛だとも言っています。

②フレンチのレストランではナイフとフォークが出てくるのでほぼ行かなくなりました。フォークだけなら使えますので、お肉などはこちらで小さく一口大に切り、フォークで食べてもらっています。

③人との会うこと自体が減り、出かける機会が減りました。病気以前はわたしの友人も呼んでもらって一緒に食事をすることが多かったですが、病気になってからはふたりでおうちで過ごすことがほとんどになりました。

もともと夫婦とも免許は持っていましたが、私はペーパードライバーで緑内障で視野が欠損してきたため昨年免許を返上しました。トノは病気になって半年くらいはわたしを連れて出かけられるように片手で運転できるよう教習所に通ってくれていましたが、やはり事故を起こすかもしれないリスクが高まるので運転はやめようということになりました。

なので移動は公共の乗り物とタクシーを使います。
電車では駅員さんが板を置いて乗せやすくしていただけるのでほとんど不便に感じないのですが、タクシーを利用するときに車椅子を後ろに積み込む作業をしてくれない運転手の方(高齢の方が多いのです)もいらして、私一人では15Kgほどある電動車いすをタクシーの後ろに積み込むことが難しいために、最寄り駅でタクシーを利用しなくてもいいところにしか出かけ無くなりました。介護タクシーを使えばいいとわかっているのですが、実はトノは介護タクシーがあまり好きではなくて大阪近郊では利用したことがありません。

④人と接する機会が減ったので話をする回数が減りました。わたしやヘルパーさん達にはよく話します。訪問看護の看護師さんに週に2回ほど入浴介助をしてもらうのですが、入浴している間楽しそうにずっと話しています。
日常的によく会う人には話しかけますが、初めての人や訪問者が苦手です。

年齢的なこと(70代)もあり、だんだん気難しいところも出てきたかもしれません。

でも本来の優しさは変わっていません。

最近はわたしが病気になったこともあり、余計に外出の機会が減りました。
免疫力の弱っているわたしのことを気にかけてくれ、わたし以上にいろんなことを気遣ってくれます。(昼寝をよく勧められます)

少しでも快適に、穏やかに、毎日を過ごせたらと思っています。

※画像は昔訪れた、アルルのゴッホが最期を過ごした病院で、画面の黒い男性はトノです。



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