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顧客の欲求を満たすユニクロと満たさないZOZOスーツ

現代経営の父と呼ばれるドラッカー氏は、企業がマネジメントを行う上で「マーケティング」を重視しています。マーケティングとは、顧客の欲求を理解することです。ユニクロの成功とZOZOスーツの失敗はマーケティングの重要性を顕著に表しているのではないでしょうか。

それぞれ考えてみました。

顧客の欲求を満たすユニクロ

ユニクロは最高の日常着を提供することで「日々快適な服を着たい」という顧客の欲求を満たしています。顧客が手頃な価格で商品を手に取れるように開発、製造、販売を一括して行ってたり、定番商品も細かいところをアップデートし続けるなどメーカーとして服へのこだわりがあります。

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また、おしゃれな服を着たいという欲求にも応えています。ルメールやJWアンダーソンといった有名デザイナーとコラボする洋服を提供することで提供する商品の幅を広く設けています。先日のユニクロとルメールのコラボも大変な賑わいとなり、一部商品は当日にオンラインストアの在庫が品切れになるほどでした。

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その快進撃は売上推移にもしっかりと現れています。顧客の欲求に真摯に向き合いそれを満たし続けることで利益を上げている。まさにマーケティングの成功事例のように思えます。

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顧客の欲求を満たさないZOZOスーツ

一時期話題になったZOZOスーツですが現在は事業を中止しています。その失敗の原因はコストの問題、製造に予想以上に時間がかかるなど諸々あると思いますが、根深いのは顧客の声を想像が足りなかったことにあると思います。

ZOZOスーツが提供していた価値とは、家庭で誰でも「体にぴったりあった服を提供できる」ということです。しかし、そのためには事前準備として ①ZOZOスーツの注文 ②スーツを着用してアプリで写真撮影 ③気に入った商品を注文 という長い過程を経なくてはなりません。

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ここまでして体にぴったりの服が欲しいと思う人はどんな人でしょうか。恐らく新しいもの好きか、オシャレが好きな人です。新しいもの好きは一度試してしまえば飽きてしまいます。そしてオシャレ好きな人は自分で服を選ぶのが好きなのであって、サイズのぴったりあった服を着たいとは思っていません。

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そもそもファッションの起源は体にぴったりでない洋服を着こなすために生まれた文化です。Iシルエット、Yシルエット、Vシルエットと様々な服の着こなし方がありますが、どれも体にぴったりでない服を着こなすための手段なのです。つまりZOZOスーツが提供する価値はどんな顧客の欲求にもあっていはいなかったのです。

もちろん最初は顧客の欲求を満たすためのアイデアだったかもしれません。しかし開発を進めるうちに顧客の欲求でなく、自社の欲求を満たすためのサービスになってしまったのだろうなー。

どんな事業をするのも顧客の欲求が中心にある

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