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「○○大学の研究で報告された」だけでは信用できない

大学院で研究について学んでいくと、いかに世の中が信用できない情報であふれているかが分かるようになってきます。テレビの通販やニュース番組、ネットの記事などたくさんの情報がありますが本当に記憶に残して実生活に活かすべき情報はごく一部だと思います。少しでも良い情報を見分ける能力を高めていただけたらと思います。

研究の発表

タイトルにもあるようによく「○○大学の研究で報告された」ということを聞くことがあると思いますが、この○○が有名であるほど信じてしまいやすいですよね。

しかし研究においてはこの○○大学という情報には意味がないと思います。やはり情報の中身に目を向けるべきです。

研究の発表の方法には学会発表や論文投稿がありますが、可能な限り論文投稿された原文を読むのが正しい情報に繋がりやすいです。

論文の質

論文にもいろいろな種類があります。医学的な論文であれば、症例報告やコホート研究、RCTなど名前だけ聞くと難しそうなものもたくさんありますが、この中で最も信用度が高い可能性があるのがシステマティックレビューやメタアナリシスと呼ばれるものです。

まずその前にRCT=Randomised Controlled Studyというものが単独の研究であれば信用度が高い可能性があります。これは同じ特性を持った人をランダムに群を分けて、そのそれぞれに対して違うアプローチをした効果判定をするので研究の精度が高くなります。

このRCTをたくさん集めたものが、システマティックレビューやメタアナリシスになります。よって情報を得たときに「それはシステマティックレビューで示された結果ですか?」と聞くと正確さがますでしょう。なんだコイツ、と思われるでしょうが笑

論文の読み方

なかなか論文自体を読む機会も少ないかもしれませんが、基本的な論文においては背景-方法-結果-考察というような構成になっています。英語であればBackground-Method-Result-Discussionです。背景が序論や導入であったり、BackgroundがIntroduction、またConclusionという項目があったり例外もありますがだいたいこんな感じです。

論文を全て読めばもちろん理解できると思いますが、全ての論文を読むこむことは人間では不可能でしょう。そこでもし論文を読む機会があれば重点的に読んで欲しい部分は方法(Method)と結果(Result)です。

論文においてはここが全てと言っても過言ではありません。背景(Backgronud)や考察(Discussion)は書き方次第でいろいろ書けるのですが、方法と結果は紛れもない事実です。

この方法と結果を見て研究の内容を理解し、これが有益な情報がわかるようになれば研究者の仲間入りだと思います。そしてたくさんの研究を知って、まだ足りていない研究を見つけ出して新しい研究発表を行なっていければもう一人前の研究者でしょう。


簡単に情報の見方を書いてみました。またこれから詳しくいろいろな研究にまつわる情報も共有していけたらと思います。

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