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【高地トレ】酸素薄い?トレーニング期間からみた練習強度の設定

前回に引き続き、山奥での高地トレーニングについて。

標高約2000mで行うトレーニング期間は、①高地に体を慣らす時期②しっかり追い込む時期③平地に戻る前の回復期間、と段階的に分かれて設計されている。練習強度・距離は調節することが重要だ。

そうでないと、オーバートレーニングになる。

高地トレの実情

標高2000mで練習するパラ選手の感想はというと、

なんかきつい。

という意見が多く聞かれる。低酸素の環境では、坂を上るだけでも息があがる。そんな気がする。

一方、

いつもと同じ。むしろ調子いいかも

という意見も。呼吸がしにくいとか低地との圧倒的な差を感じない選手もいるようだ。

一般的には、高地(低酸素環境)では水分不足、睡眠不足、免疫力低下によって体調を崩しやすくなると言われる。体調を壊すと練習に取り組めなくなるので、高地トレーニングをする意味がなくなってしまう。

ということで、

①順応期
②鍛錬期
③調整期

と段階的に、練習強度は上げていく方がよいという考えだ。

具体的にどのような練習を設定すべきなのか??

高地トレーニングの練習強度

※参考例(3週間の場合)

高地トレーニング

実際に行った例である。

①順応期(5日~8日)
水泳練習の距離は70%~80%が適当だ。初めの体が高地に順応するために一週間ほど練習距離を減らし様子を見る。強度は軽めで行う。スプリント力の維持のため、スピードトレーニングを入れると筋肉に刺激は入れておくとよいだろう。普段5000m泳ぐ選手は3500~4000mに収める。そして3日練習1日オフというサイクルで回復期を設けるのも大切だ。

例)50×8 IMO /1:10 EN1

②鍛錬期(7日~10日)
水泳練習の距離はいつも通りに戻る。がっつりと追い込みをかける時期で、強度高めの練習を行い体を追い込む。

例)50×6 S1 /1:30 EN3

③調整期(3日~7日)
平地に戻る前に体を休め回復期間とする。試合を想定した練習やレストの長い練習が中心となる。

例)100×2 Fr /5:00 AN1

平地に戻った一週間後くらいに試合があればベスト。高地トレーニングの成果を100%発揮できる機会となるだろう。

ただ、障害ゆえに順応しにくかったり、薬を服用している場合はトレーニング効果が分かりにくい場合もある。パラ選手の場合は個人の体調を一番に気にかけながら、練習の内容を調整するのがよさそうだ。

たまにはリラックスできるメニューも混ぜるとよい。

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編集長

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