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34_呼吸困難・喀血【救急救命士国家試験対策】


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国家試験定期試験出題内容のまとめ

【呼吸困難・喀血】

1. 呼吸困難

  • 発作性夜間呼吸困難: 就眠後2〜3時間で呼吸困難が出現。

  • 呼吸困難の原因: 換気運動、気道、肺胞におけるガス交換障害による。

  • アナフィラキシー: 喉頭浮腫による上気道狭窄と、気管支攣縮による下気道狭窄が関与。

  • 肺うっ血: 肺間質や気管支粘膜の浮腫、気管支平滑筋の収縮が生じ、自発的に起座位をとることが多い。

  • 労作性呼吸困難: 軽度の呼吸困難では安静時に症状がなく、体動時に誘発される。

  • ばち指: 慢性低酸素血症で発生。

  • 気管支喘息: 呼気が延長。

  • COPD: CO₂ナルコーシスを引き起こす可能性がある。

  • 陥没呼吸: 上気道閉塞で見られる。

2. 喀血

  • 喀血の定義: 下気道からの出血を咳とともに喀出する。

  • 原因疾患: 呼吸系疾患が最多。気管支拡張症、陳旧性肺結核が高頻度。

  • 肺に基礎疾患がある場合: 少量の喀血でも呼吸不全を引き起こすリスクがある。

  • 血液が肺胞を満たす影響: 肺内シャントが増加し、低酸素血症をきたす。

  • 大量喀血の原因血管: 気管支動脈、肺動脈。

  • 僧帽弁狭窄症: 左房圧の上昇により肺血管が破綻。

  • 抗凝固薬: 過量投与が喀血の原因となる。

  • 喀血による緊急度の判断: 強い呼吸困難、窒息、チアノーゼ、意識障害、著しいバイタルサイン異常、SpO2値の低下。

  • 重症度が高い原因疾患: 肺癌、肺梗塞。

  • 肺結核による喀血: 感染予防が重要。

  • 大量喀血時の対処: 窒息防止と健側肺への血液流入防止が重要。

  • 喀血と吐血の区別: 喀血は鮮紅色で泡や痰が混じり、吐血は暗赤色で食物残渣が混じる。

  • 喀血時の体位:

    • 患側を下にした側臥位: 大量かつ持続的な喀血の場合。

    • 半坐位: 大量喀血で出血部位が不明の場合。

  • 観察の最優先事項: 気道の開通。


問題

  1. 発作性夜間呼吸困難では就眠後____時間で呼吸困難が出現する。

  2. 換気運動、____、肺胞におけるガス交換のいずれかが障害されると呼吸困難を起こす。

  3. アナフィラキシーでは____浮腫による上気道狭窄と____攣縮による下気道狭窄の二つの機序が関与する。

  4. 肺うっ血では肺間質の____、気管支粘膜の____、気管支平滑筋の____が生じる。

  5. 食後の呼吸困難、____の既往ではアナフィラキシーを考える。

  6. 肺うっ血では、____の増加による肺うっ血の増強、および横隔膜の挙上により短時間で呼吸困難が増強するため、自発的に____をとるようになる。

  7. 軽度の呼吸困難では安静時に症状がなく、____によって呼吸困難が誘発される。これを____呼吸困難という。

  8. ____指は慢性の低酸素血症で発生する。

  9. ____呼吸は上気道閉塞でみられる。

  10. 気管支喘息では____が延長する。

  11. COPDでは____ナルコーシスを引き起こすことがある。

  12. 喀血とは、主に____からの出血を咳とともに喀出することをいう。

  13. 肺に基礎疾患があることで、比較的少量の喀血でも____に陥るおそれがある。

  14. 喀血の原因として____系疾患が最多である。

  15. 気道内出血が____に流入すると、血液で満たされ肺胞が換気されなず、肺内____が増加して____血症をきたす。

  16. 大量喀血が多いとされる血管として、____動脈、____動脈がある。

  17. 呼吸系疾患の中で喀血の頻度が高いとされているのは、____症、陳旧性____である。

  18. ____弁狭窄症では左房圧の上昇により肺静脈、肺毛細血管の圧が上昇して血管が破綻する。

  19. ____薬の過量投与も喀血の原因となる。

  20. 喀血の場合、通常は____よりも呼吸への影響が大きい。

  21. 循環系疾患の中でまれにある致死的な大量喀血は____での気管、気管支、肺が直接破裂した場合である。

  22. 喀血の場合における緊急度 ・重症度を判断するものとして強い呼吸困難、____、____、意識障害、バイタルサインの著しい異常、SpO2値の著しい低下である。

  23. 喀血量が少ないが重症度が高いとされる原因疾患は____、____がある。

  24. ____による喀血の場合が少なくないため、感染予防にはとくに留意する。

  25. 大量喀血時には、____の防止と健側肺への____流入防止が重要である。

  26. 喀血を起こした傷病者での観察において最優先とされるのは、____の開通である。

  27. 喀血と類似した病態の判別として、____色で泡や痰が混じっているのが喀血、____色で食物残渣が混じるのが吐血である。

  28. 喀血を起こした傷病者に対する体位として、大量かつ持続的に喀血する時は患側を下にした____位であり、大量喀血であり左右の肺から出血しているか不明の時は____位とする。

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解答

  1. 発作性夜間呼吸困難では就眠後2〜3時間で呼吸困難が出現する。

  2. 換気運動、気道、肺胞におけるガス交換のいずれかが障害されると呼吸困難を起こす。

  3. アナフィラキシーでは喉頭浮腫による上気道狭窄と気管支攣縮による下気道狭窄の二つの機序が関与する。

  4. 肺うっ血では肺間質の浮腫、気管支粘膜の浮腫、気管支平滑筋の収縮が生じる。

  5. 食後の呼吸困難、アレルギーの既往ではアナフィラキシーを考える。

  6. 肺うっ血では、静脈環流の増加による肺うっ血の増強、および横隔膜の挙上により短時間で呼吸困難が増強するため、自発的に起座位をとるようになる。

  7. 軽度の呼吸困難では安静時に症状がなく、体動によって呼吸困難が誘発される。これを労作性呼吸困難という。

  8. ばち指は慢性の低酸素血症で発生する。

  9. 陥没呼吸は上気道閉塞でみられる。

  10. 気管支喘息では呼気が延長する。

  11. COPDではCO₂ナルコーシスを引き起こすことがある。

  12. 喀血とは、主に下気道からの出血を咳とともに喀出することをいう。

  13. 肺に基礎疾患があることで、比較的少量の喀血でも呼吸不全に陥るおそれがある。

  14. 喀血の原因として呼吸系疾患が最多である。

  15. 気道内出血が肺組織に流入すると、血液で満たされ肺胞が換気されなず、肺内シャントが増加して低酸素血症をきたす。

  16. 大量喀血が多いとされる血管として、気管支動脈、動脈がある。

  17. 呼吸系疾患の中で喀血の頻度が高いとされているのは、気管支拡張症、陳旧性肺結核である。

  18. 僧帽弁狭窄症では左房圧の上昇により肺静脈、肺毛細血管の圧が上昇して血管が破綻する。

  19. 抗凝固薬の過量投与も喀血の原因となる。

  20. 喀血の場合、通常は循環よりも呼吸への影響が大きい。

  21. 循環系疾患の中でまれにある致死的な大量喀血は胸部大動脈瘤での気管、気管支、肺が直接破裂した場合である。

  22. 喀血の場合における緊急度 ・重症度を判断するものとして強い呼吸困難、窒息チアノーゼ、意識障害、バイタルサインの著しい異常、SpO2値の著しい低下である。

  23. 喀血量が少ないが重症度が高いとされる原因疾患は肺癌肺梗塞がある。

  24. 肺結核による喀血の場合が少なくないため、感染予防にはとくに留意する。

  25. 大量喀血時には、窒息の防止と健側肺への血液流入防止が重要である。

  26. 喀血を起こした傷病者での観察において最優先とされるのは、気道の開通である。

  27. 喀血と類似した病態の判別として、鮮紅色で泡や痰が混じっているのが喀血、暗赤色で食物残渣が混じるのが吐血である。

  28. 喀血を起こした傷病者に対する体位として、大量かつ持続的に喀血する時は患側を下にした側臥位であり、大量喀血であり左右の肺から出血しているか不明の時は半坐位とする。



練習問題

問題1

発作性夜間呼吸困難は、就眠後どれくらいの時間で呼吸困難が出現するか?
A. 1時間
B. 2〜3時間
C. 4〜5時間
D. 6〜7時間
E. 8〜9時間

答え: B
就眠後2〜3時間で呼吸困難が出現する。


問題2

呼吸困難は、換気運動、気道、肺胞のうちどの機能が障害されると起こるか?
A. 換気運動のみ
B. 気道のみ
C. 肺胞のみ
D. いずれか
E. すべて

答え: D
換気運動、気道、肺胞におけるガス交換のいずれかが障害されると呼吸困難が起こる。


問題3

アナフィラキシーにおける上気道狭窄の原因は何か?
A. 気管支攣縮
B. 喉頭浮腫
C. 肺うっ血
D. 胸水貯留
E. 横隔膜挙上

答え: B
喉頭浮腫による上気道狭窄が原因である。


問題4

肺うっ血時に見られないものはどれか?
A. 肺間質の浮腫
B. 気管支粘膜の浮腫
C. 気管支平滑筋の収縮
D. 横隔膜の収縮
E. 静脈環流の増加

答え: D
横隔膜の収縮は肺うっ血では見られない。


問題5

肺うっ血の進行によって患者が自発的に取る体位はどれか?
A. 起座位
B. 側臥位
C. 仰臥位
D. 伏臥位
E. 座位

答え: A
肺うっ血では自発的に起座位をとるようになる。


問題6

労作性呼吸困難はどのような時に誘発されるか?
A. 安静時
B. 睡眠中
C. 体動時
D. 飲食後
E. 呼吸時

答え: C
体動によって呼吸困難が誘発される。


問題7

ばち指は何によって発生するか?
A. 慢性の低酸素血症
B. 高酸素血症
C. 気道閉塞
D. 気管支炎
E. 喉頭浮腫

答え: A
慢性の低酸素血症でばち指が発生する。


問題8

上気道閉塞時に見られる呼吸の異常はどれか?
A. 呼気延長
B. 陥没呼吸
C. 労作性呼吸
D. 横隔膜挙上
E. 呼吸困難

答え: B
陥没呼吸は上気道閉塞で見られる。


問題9

気管支喘息では、呼気がどのように変化するか?
A. 呼気が短縮する
B. 呼気が延長する
C. 吸気が延長する
D. 呼気と吸気が同じになる
E. 吸気が短縮する

答え: B
気管支喘息では呼気が延長する。


問題10

COPDで起こり得る合併症はどれか?
A. CO₂ナルコーシス
B. CO₂減少
C. O₂ナルコーシス
D. 喉頭浮腫
E. 高血圧

答え: A
COPDではCO₂ナルコーシスを引き起こすことがある。


問題11

喀血の出血源は主にどこか?
A. 上気道
B. 下気道
C. 肺静脈
D. 心臓
E. 血管

答え: B
喀血は主に下気道からの出血を喀出する。


問題12

肺に基礎疾患がある場合、少量の喀血でも何に陥る可能性があるか?
A. 呼吸不全
B. 心不全
C. 肺炎
D. 喘息
E. 血栓

答え: A
肺に基礎疾患があると、少量の喀血でも呼吸不全に陥るおそれがある。


問題13

喀血の原因として最も多い疾患はどれか?
A. 循環器系疾患
B. 呼吸器系疾患
C. 神経系疾患
D. 消化器系疾患
E. 免疫系疾患

答え: B
喀血の原因として呼吸器系疾患が最多である。


問題14

大量喀血が発生する血管はどれか?
A. 肺静脈と大動脈
B. 肺動脈と気管支動脈
C. 肺静脈と肝動脈
D. 大動脈と肝動脈
E. 肺動脈と腸間膜動脈

答え: B
大量喀血が多いとされる血管は、気管支動脈、肺動脈である。


問題15

喀血が高頻度で発生する呼吸器疾患はどれか?
A. 肺炎と肺水腫
B. 気管支喘息とCOPD
C. 気管支拡張症と陳旧性肺結核
D. 気胸と肺癌
E. 胸膜炎と肺水腫

答え: C
気管支拡張症、陳旧性肺結核は喀血が高頻度で発生する。


問題16

僧帽弁狭窄症では、肺静脈や肺毛細血管の圧上昇によって何が起こるか?
A. 気管支攣縮
B. 血管の破綻
C. 気道浮腫
D. 気管支拡張
E. 横隔膜の挙上

答え: B
僧帽弁狭窄症では肺静脈、肺毛細血管の圧上昇により血管が破綻する。


問題17

抗凝固薬の過量投与が原因となる症状はどれか?
A. 呼吸困難
B. 胸痛
C. 喀血
D. 咳嗽
E. 発熱

答え: C
抗凝固薬の過量投与は喀血の原因となる。


問題18

喀血の場合、通常は何よりも呼吸に影響を与えるか?
A. 循環
B. 血流
C. 酸素供給
D. 免疫
E. 心拍数

答え: A
喀血の場合、通常は循環よりも呼吸への影響が大きい。


問題19

まれに致死的な大量喀血が発生する循環系疾患はどれか?
A. 肺動脈瘤
B. 肺静脈瘤
C. 大動脈瘤
D. 心室瘤
E. 腸間膜動脈瘤

答え: C
胸部大動脈瘤での気管、気管支、肺が破裂すると致死的な大量喀血が発生する。


問題20

喀血と類似した病態の判別において、喀血の特徴はどれか?
A. 暗赤色で泡や痰が混じる
B. 暗赤色で食物残渣が混じる
C. 鮮紅色で泡や痰が混じる
D. 鮮紅色で食物残渣が混じる
E. 鮮紅色で血液だけが出る

答え: C
喀血は鮮紅色で泡や痰が混じる。



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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト

34_呼吸困難・喀血
 ①音声解説
 ②聞き流し1問1答

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