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46_高齢者に特有な疾患【救急救命士国家試験対策】


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国家試験定期試験出題内容のまとめ

【高齢者に特有な疾患】

  1. 高齢者の身体変化とその影響

    • 動脈壁の弾性低下による収縮期血圧の上昇。

    • 循環系予備能の低下により小さな体位変化でも循環動態に大きな影響。

    • 呼吸系予備能の低下により、酸素供給と補助換気の必要性が増す。

  2. 高齢者特有の救急疾患

    • 神経系: 脳梗塞、脳出血、慢性硬膜下血腫。

    • 循環系: 心筋梗塞、大動脈瘤破裂、心不全。

    • 呼吸器系: 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、誤嚥性肺炎。

    • 消化系: 腸閉塞、上腸間膜動脈血栓症、ヘルニア嵌頓。

  3. 高齢者に多い認知症とその対応

    • 記憶障害、見当識、理解判断力の障害が特徴。

    • 行動と心理症状(BPSD)には攻撃的行動、不穏、焦燥などが含まれる。

  4. 高齢者の特有の病態と対応

    • 肺炎や誤嚥により高齢者での死亡が多い。

    • 骨粗鬆症による骨折のリスク増加。

    • 腎機能低下に伴うビタミンDの産生低下。

    • 褥瘡(床ずれ)の予防と管理。

  5. 高齢者虐待の認識と対応

    • 身体的虐待、精神的虐待が最も頻度が高い。

    • あざや怖れを示す発言などから虐待を疑う。

    • 虐待が疑われる場合は、適切な報告と介入が必要。

  6. 緊急事態の高齢者対応

    • 慢性硬膜下血腫の可能性に注意し、数ヶ月前の転倒歴を評価する。

    • 高齢者の転倒による外傷は見逃しやすいので、詳細な身体評価を行う。

    • 明確な疼痛訴えがない場合もあるため、客観的な評価が重要。


問題

  1. 加齢に伴い、動脈壁の弾性が低下するために____期血圧は上昇する。

  2. 意識障害の原因として「数ヶ月前の家庭内で____」があった場合、軽微な外傷による____硬膜下血腫が考えられる。

  3. 高齢者は明確な____を訴えないこともあるため、観察所見から客観的に判断する必要がある。

  4. 高齢者虐待で被虐待者は____歳以上の認知症の高齢者に多い。

  5. 高齢者の身体的虐待を疑う所見は、体に複数の____、傷の説明が曖昧、おびえた表情、発言内容に「____」「叱られる」などである。

  6. 明らかな____のある高齢者はむしろ重症と考える。

  7. 高齢者では循環系予備能が少ないので、少しの____変化が循環動態に与える影響が大きい。

  8. 高齢者では呼吸系予備能も少ないので、____流量や補助換気などに関して、こまめな観察と繊細な調節が必要である。

  9. 高齢者の____に対してはしっかりとした圧迫止血を心がける。

  10. 高齢者に対する虐待でもっとも頻度が高いのが____的虐待、次いで多いのが____的虐待である。

  11. 認知症の約____%がアルツハイマー病、約____%が脳血管障害、レビー小体病が約____%であり、これら3疾患で認知症全体の約____%を占める。

  12. 認知症の中核症状は主に____、見当識、理解判断力、実行機能などの障害である。

  13. 高齢者によくみられる救急疾患は神経系では、____、____、慢性硬膜下血腫、異常行動などである。

  14. 高齢者によくみられる救急疾患は循環系では、____、____破裂、心不全、閉塞性動脈硬化などである。

  15. 高齢者によくみられる救急疾患は呼吸器系では、____、誤嚥性肺炎、____、異物誤飲などである。

  16. 高齢者によくみられる救急疾患消化系では、____、上腸間膜動脈血栓症、____などである。

  17. アルツハイマー病では、____が初期より障害されることが明らかになっている。

  18. せん妄とは軽度の____に幻覚、妄想、興奮などを伴った状態のことである。

  19. 認知症の行動と心理症状(BPSD)の行動症状には____的行動、不穏、____、徘徊などがある。

  20. 認知症の行動と心理症状(BPSD)の心理症状には____、不安、____、幻覚などがある。

  21. 肺炎はわが国の死亡原因の第____位であり、死亡者の多くは____である。

  22. 老人性骨粗鬆症は、加齢に伴う____機能低下によりビタミンDの産生が低下する事が原因である。

  23. 骨粗鬆症とは、全身の____が減少して骨の微細構造が失われ、____しやすくなった状態をいう。

  24. 褥瘡は俗に"____"ともいい、代表的な皮膚の____潰傷である。

  25. 廃用症候群とは、過度の____により身体各部の機能低下をきたした状態である。

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解答

  1. 加齢に伴い、動脈壁の弾性が低下するために 収縮 期血圧は上昇する。

  2. 意識障害の原因として「数ヶ月前の家庭内で 転倒 」があった場合、軽微な外傷による 慢性 硬膜下血腫が考えられる。

  3. 高齢者は明確な 疼痛 を訴えないこともあるため、観察所見から客観的に判断する必要がある。

  4. 高齢者虐待で被虐待者は 80 歳以上の認知症の高齢者に多い。

  5. 高齢者の身体的虐待を疑う所見は、体に複数の あざ 、傷の説明が曖昧、おびえた表情、発言内容に「 怖い 」「叱られる」などである。

  6. 明らかな 発熱 のある高齢者はむしろ重症と考える。

  7. 高齢者では循環系予備能が少ないので、少しの 体位 変化が循環動態に与える影響が大きい。

  8. 高齢者では呼吸系予備能も少ないので、 酸素 流量や補助換気などに関して、こまめな観察と繊細な調節が必要である。

  9. 高齢者の 外出血 に対してはしっかりとした圧迫止血を心がける。

  10. 高齢者に対する虐待でもっとも頻度が高いのが 身体 的虐待、次いで多いのが 精神 的虐待である。

  11. 認知症の約 60 %がアルツハイマー病、約 20 %が脳血管障害、レビー小体病が約 10 %であり、これら3疾患で認知症全体の約 90 %を占める。

  12. 認知症の中核症状は主に 記憶 、見当識、理解判断力、実行機能などの障害である。

  13. 高齢者によくみられる救急疾患は神経系では、 脳梗塞脳出血 、慢性硬膜下血腫、異常行動などである。

  14. 高齢者によくみられる救急疾患は循環系では、 心筋梗塞大動脈瘤 破裂、心不全、閉塞性動脈硬化などである。

  15. 高齢者によくみられる救急疾患は呼吸器系では、 慢性閉塞性肺疾患 、誤嚥性肺炎、 気管支喘息 、異物誤飲などである。

  16. 高齢者によくみられる救急疾患消化系では、 腸閉塞 、上腸間膜動脈血栓症、 ヘルニア嵌頓 などである。

  17. アルツハイマー病では、 記憶 が初期より障害されることが明らかになっている。

  18. せん妄とは軽度の 意識障害 に幻覚、妄想、興奮などを伴った状態のことである。

  19. 認知症の行動と心理症状(BPSD)の行動症状には 攻撃 的行動、不穏、 焦燥 、徘徊などがある。

  20. 認知症の行動と心理症状(BPSD)の心理症状には アパシー 、不安、 抑うつ 、幻覚などがある。

  21. 肺炎はわが国の死亡原因の第 5 位であり、死亡者の多くは 高齢者 である。

  22. 老人性骨粗鬆症は、加齢に伴う 機能低下によりビタミンDの産生が低下する事が原因である。

  23. 骨粗鬆症とは、全身の 骨量 が減少して骨の微細構造が失われ、 骨折 しやすくなった状態をいう。

  24. 褥瘡は俗に" 床ずれ "ともいい、代表的な皮膚の 慢性 潰傷である。

  25. 廃用症候群とは、過度の 安静 により身体各部の機能低下をきたした状態である。



練習問題

問題1

加齢に伴い、動脈壁の弾性が低下するために上昇する血圧はどれか?
A. 収縮期血圧
B. 拡張期血圧
C. 静脈圧
D. 肺動脈圧
E. 門脈圧

答え: A
加齢に伴い、動脈壁の弾性が低下するために収縮期血圧は上昇する。


問題2

慢性硬膜下血腫の原因として考えられるのはどれか?
A. 交通事故
B. 数ヶ月前の家庭内で転倒
C. スポーツ外傷
D. 突然の発熱
E. 自然な老化現象

答え: B
意識障害の原因として「数ヶ月前の家庭内で転倒」があった場合、軽微な外傷による慢性硬膜下血腫が考えられる。


問題3

高齢者が明確な疼痛を訴えない場合、何が必要か?
A. 主観的判断
B. 医療機器による評価
C. 観察所見からの客観的判断
D. 経過観察
E. 痛みの自己申告

答え: C
高齢者は明確な疼痛を訴えないこともあるため、観察所見から客観的に判断する必要がある。


問題4

高齢者虐待で被虐待者に最も多い年齢層はどれか?
A. 60歳以上
B. 70歳以上
C. 80歳以上
D. 90歳以上
E. 65歳以上

答え: C
高齢者虐待で被虐待者は80歳以上の認知症の高齢者に多い。


問題5

高齢者の身体的虐待を疑う所見として適切でないものはどれか?
A. 複数のあざ
B. 傷の説明が曖昧
C. 明るく元気な表情
D. おびえた表情
E. 「怖い」「叱られる」という発言

答え: C
高齢者の身体的虐待を疑う所見は、体に複数のあざ、傷の説明が曖昧、おびえた表情、発言内容に「怖い」「叱られる」などである。


問題6

高齢者における発熱がある場合、どのように考えるべきか?
A. 軽症と判断する
B. 通常のこととして無視する
C. 重症と考える
D. 原因不明の場合が多い
E. 発熱がない場合の方が重症

答え: C
明らかな発熱のある高齢者はむしろ重症と考える。


問題7

高齢者では少しの____が循環動態に大きな影響を与える。
A. 睡眠時間の減少
B. 体温変動
C. 体位変化
D. 食事内容
E. 水分摂取

答え: C
高齢者では循環系予備能が少ないので、少しの体位変化が循環動態に与える影響が大きい。


問題8

高齢者の呼吸系予備能が少ないため、何が必要か?
A. 長時間の観察
B. 酸素投与の中止
C. 繊細な調節とこまめな観察
D. 大量の酸素投与
E. 呼吸器の使用

答え: C
高齢者では呼吸系予備能も少ないので、酸素流量や補助換気などに関して、こまめな観察と繊細な調節が必要である。


問題9

高齢者の外出血に対する適切な処置はどれか?
A. 放置
B. 軽く抑える
C. 圧迫止血
D. 冷却
E. 消毒のみ

答え: C
高齢者の外出血に対してはしっかりとした圧迫止血を心がける。


問題10

高齢者虐待で最も頻度が高いのはどれか?
A. 性的虐待
B. 身体的虐待
C. 経済的虐待
D. 精神的虐待
E. 放置

答え: B
高齢者に対する虐待でもっとも頻度が高いのが身体的虐待、次いで多いのが精神的虐待である。


問題11

認知症全体の約90%を占める疾患に含まれないのはどれか?
A. アルツハイマー病
B. 脳血管障害
C. レビー小体病
D. パーキンソン病
E. 認知症型うつ病

答え: D
認知症の約60%がアルツハイマー病、約20%が脳血管障害、レビー小体病が約10%であり、これら3疾患で認知症全体の約90%を占める。


問題12

認知症の中核症状に含まれないのはどれか?
A. 記憶障害
B. 見当識障害
C. 幻覚
D. 理解判断力の低下
E. 実行機能障害

答え: C
認知症の中核症状は主に記憶、見当識、理解判断力、実行機能などの障害である。


問題13

高齢者に多い神経系の救急疾患に含まれないのはどれか?
A. 脳梗塞
B. 脳出血
C. 慢性硬膜下血腫
D. 異常行動
E. 心筋梗塞

答え: E
高齢者によくみられる救急疾患は神経系では、脳梗塞、脳出血、慢性硬膜下血腫、異常行動などである。


問題14

高齢者によくみられる循環系の救急疾患でないものはどれか?
A. 心筋梗塞
B. 大動脈瘤破裂
C. 心不全
D. 閉塞性動脈硬化
E. 肺炎

答え: E
高齢者によくみられる救急疾患は循環系では、心筋梗塞、大動脈瘤破裂、心不全、閉塞性動脈硬化などである。


問題15

高齢者によくみられる呼吸器系の救急疾患に該当しないのはどれか?
A. 慢性閉塞性肺疾患
B. 誤嚥性肺炎
C. 気管支喘息
D. 異物誤飲
E. 慢性硬膜下血腫

答え: E
高齢者によくみられる救急疾患は呼吸器系では、慢性閉塞性肺疾患、誤嚥性肺炎、気管支喘息、異物誤飲などである。


問題16

アルツハイマー病において初期より障害されるのはどれか?
A. 理解力
B. 見当識
C. 記憶
D. 運動機能
E. 認知

答え: C
アルツハイマー病では、記憶が初期より障害されることが明らかになっている。


問題17

せん妄の特徴でないものはどれか?
A. 軽度の意識障害
B. 幻覚
C. 妄想
D. 発熱
E. 興奮

答え: D
せん妄とは軽度の意識障害に幻覚、妄想、興奮などを伴った状態のことである。


問題18

認知症の行動と心理症状(BPSD)に含まれないのはどれか?
A. 攻撃的行動
B. 焦燥
C. 徘徊
D. 不安
E. 幻覚

答え: D
認知症の行動と心理症状(BPSD)の行動症状には攻撃的行動、不穏、焦燥、徘徊などがある。


問題19

わが国の死亡原因として肺炎は第何位か?
A. 3位
B. 4位
C. 5位
D. 6位
E. 7位

答え: C
肺炎はわが国の死亡原因の第5位であり、死亡者の多くは高齢者である。


問題20

老人性骨粗鬆症の主な原因はどれか?
A. ビタミンC不足
B. 過度の運動
C. 骨量の増加
D. ビタミンD産生の低下
E. カルシウム過剰

答え: D
老人性骨粗鬆症は、加齢に伴う腎機能低下によりビタミンDの産生が低下する事が原因である。


参考文献:救急救命士標準テキスト



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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト

46_高齢者に特有な疾患
 ①音声解説
 ②聞き流し1問1答

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