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14_循環障害・炎症・感染【救急救命士国家試験対策】


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国家試験定期試験出題内容のまとめ

【循環障害・炎症・感染】

1. 侵襲と細胞死

  • 侵襲: 細胞や生体機能に傷害を与える事態。

  • アポトーシス: プログラムされた細胞の死で、周囲に悪影響を及ぼさない。

  • 壊死: 予期しない細胞の死。壊死による内容物流出は周囲に悪影響を及ぼす。例:圧挫症候群での高カリウム血症は壊死が原因。

2. 組織の修復と再生

  • 再生: 個体の損傷が修復される現象。骨格筋、平滑筋、軟骨は再生能力が低い。

  • 代償性肥大: 損失した臓器の機能を残存臓器で代償する現象。

  • 病的再生: 不完全な形で再生修復されることが多い。

  • 小児の方が成人よりも治癒が早い傾向にある。

3. 炎症

  • 炎症の五徴: 発赤、腫脹、熱感、疼痛、機能障害。

  • 炎症の原因: 生物学的因子、物理的因子(例:放射線)、化学的因子に大別される。

  • 炎症時の血管反応: 傷害を受けた領域の血管が拡張し、蛋白質を含む体液が漏出することを滲出という。

  • 滲出液: 炎症部位から漏出した液体。

  • 慢性炎症: 好中球に代わり、マクロファージ、リンパ球、形質細胞が主に関与する。

4. 感染症と病原体

  • 感染: 微生物が体内に侵入し、臓器や組織に定着して増殖すること。

  • 潜伏期: 感染してから発症するまでの期間。

  • 病原体: 感染症の原因となる微生物。例:ウイルス、細菌、真菌、寄生虫。

  • 宿主: 感染を受ける側(ヒト)。

  • 感染性因子、病原性因子、毒性因子: 病原性の程度に関与する要因。

  • 水平感染: ヒトや環境からヒトへ伝播する感染。

  • 垂直感染: 母体から胎児や子へ感染が伝播する。

  • 易感染性: 感染防御能が低下し、感染症にかかりやすい状態。

5. 微生物の種類と特性

  • ウイルス: 他の生物の細胞を利用して自己の複製を行う。感染細胞の機能を低下させる。

  • 細菌: 自己増殖できる単細胞の原核生物。毒素は外毒素内毒素に分類される。

  • 飛沫感染: 咳やくしゃみ、会話などによる5μm以上の飛沫粒子で伝播する感染。

6. 化膿性感染

  • 化膿性微生物による感染では、滲出液と多数の好中球などの死骸によってが形成される。



問題

  1. 細胞や生体機能に傷害を与える事態を医学用語で、 __________ という。

  2. プログラムされた細胞の死を __________ と呼ぶ。

  3. 細胞死の際に内容物流出で周囲に悪影響を及ぼすものは __________ である。

  4. 圧挫症候群による高カリウム血症は細胞 __________ によるものである。

  5. 予期しない細胞の死を __________ と呼ぶ。

  6. スポーツ心臓は作業性 __________ である。

  7. 個体の損傷の修復現象を __________ という。

  8. 骨格筋や平滑筋、軟骨は __________ 能力が低い組織である。

  9. 損失した臓器の機能を残存臓器で代償する事を __________ という。

  10. 成人より __________ の方が損傷の治りが早い。

  11. 病的状態からの再生は __________ な形で再生修復される事が多い。

  12. 蛋白質を多く含む体液が血管から漏出することを __________ という。

  13. 炎症の五徴とは、発赤、腫脹、熱感、疼痛、 __________ である。

  14. 炎症を引き起こす原因は、生物学的因子、物理的因子、 __________ 的因子に大別される。

  15. 炎症が起きると、傷害を受けた領域の血管は __________ する。

  16. 漏出した液体を __________ という。

  17. 生物学的因子、物理学的因子、化学的因子のうち、放射線による炎症は、 __________ 的因子である。

  18. 慢性炎症では、好中球に代わって、マクロファージ、リンパ球、 __________ が出現する。

  19. 化膿性の微生物による感染では、滲出液と多数の好中球などの死骸によって、 __________ が形成される。

  20. ウイルスは、別の生物の細胞を利用し、自己の __________ を行う構造体のことである。

  21. 微生物が体内に侵入し、臓器や組織に定着して増殖することを __________ という。

  22. 感染してから発症するまでの期間を __________ という。

  23. 感染症の原因となる(病原性をもつ)微生物を __________ といい、感染を受ける側(ヒト)を __________ という。

  24. 病原性の程度には、感染性因子、病原性因子、 __________ 因子の3つが大きく関与する。

  25. 毒性の強さによって病原体を強毒性、 __________ 毒性などと表現することがある。

  26. 微生物は __________ 、細菌、真菌、寄生虫などがある。

  27. ウイルスに感染した細胞は、エネルギーなどをウイルスの __________ に使い、細胞本来の機能が低下する。

  28. 細菌は、自己増殖できる最小の単細胞の __________ 生物である。

  29. 細菌の毒素は、外毒素と __________ 毒素の2つに分類される。

  30. ヒト、環境などから、ヒトへ伝播する感染を __________ 感染という。

  31. 健康な宿主であれば、自然免疫や __________ 免疫による免疫機構によって、必ずしも発症に至らない。

  32. 母体が感染源となり、胎児や子に感染することを __________ 感染という。

  33. 感染防御能が低下し、感染症に罹患しやすい宿主の状態を __________ という。

  34. 咳やくしゃみ、会話などで直径 __________ μmより大きい飛沫粒子により感染起こすものを飛沫感染という。

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解答

  1. 細胞や生体機能に傷害を与える事態を医学用語で、侵襲という。

  2. プログラムされた細胞の死をアポトーシスと呼ぶ。

  3. 細胞死の際に内容物流出で周囲に悪影響を及ぼすものは壊死である。

  4. 圧挫症候群による高カリウム血症は細胞壊死によるものである。

  5. 予期しない細胞の死を壊死と呼ぶ。

  6. スポーツ心臓は作業性肥大である。

  7. 個体の損傷の修復現象を再生という。

  8. 骨格筋や平滑筋、軟骨は再生能力が低い組織である。

  9. 損失した臓器の機能を残存臓器で代償する事を代償性肥大という。

  10. 成人より小児の方が損傷の治りが早い。

  11. 病的状態からの再生は不完全な形で再生修復される事が多い。

  12. 蛋白質を多く含む体液が血管から漏出することを滲出という。

  13. 炎症の五徴とは、発赤、腫脹、熱感、疼痛、機能障害である。

  14. 炎症を引き起こす原因は、生物学的因子、物理的因子、化学的因子に大別される。

  15. 炎症が起きると、傷害を受けた領域の血管は拡張する。

  16. 漏出した液体を滲出液という。

  17. 生物学的因子、物理学的因子、化学的因子のうち、放射線による炎症は、物理的因子である。

  18. 慢性炎症では、好中球に代わって、マクロファージ、リンパ球、形質細胞が出現する。

  19. 化膿性の微生物による感染では、滲出液と多数の好中球などの死骸によって、が形成される。

  20. ウイルスは、別の生物の細胞を利用し、自己の複製を行う構造体のことである。

  21. 微生物が体内に侵入し、臓器や組織に定着して増殖することを感染という。

  22. 感染してから発症するまでの期間を潜伏期という。

  23. 感染症の原因となる(病原性をもつ)微生物を病原体といい、感染を受ける側(ヒト)を宿主という。

  24. 病原性の程度には、感染性因子、病原性因子、毒性因子の3つが大きく関与する。

  25. 毒性の強さによって病原体を強毒性、毒性などと表現することがある。

  26. 微生物はウイルス、細菌、真菌、寄生虫などがある。

  27. ウイルスに感染した細胞は、エネルギーなどをウイルスの複製に使い、細胞本来の機能が低下する。

  28. 細菌は、自己増殖できる最小の単細胞の原核生物である。

  29. 細菌の毒素は、外毒素と毒素の2つに分類される。

  30. ヒト、環境などから、ヒトへ伝播する感染を水平感染という。

  31. 健康な宿主であれば、自然免疫や獲得免疫による免疫機構によって、必ずしも発症に至らない。

  32. 母体が感染源となり、胎児や子に感染することを垂直感染という。

  33. 感染防御能が低下し、感染症に罹患しやすい宿主の状態を易感染性という。

  34. 咳やくしゃみ、会話などで直径5μmより大きい飛沫粒子により感染起こすものを飛沫感染という。



練習問題

問題 1

プログラムされた細胞の死を何と呼びますか?
A) 壊死
B) アポトーシス
C) 異化
D) 再生
E) 滲出

答え: B) アポトーシス


問題 2

予期しない細胞の死を何と呼びますか?
A) 再生
B) アポトーシス
C) 壊死
D) 滲出
E) 代償

答え: C) 壊死


問題 3

損失した臓器の機能を残存臓器で補うことを何といいますか?
A) 再生
B) 代償性肥大
C) アポトーシス
D) 壊死
E) 滲出

答え: B) 代償性肥大


問題 4

炎症の五徴に含まれないものはどれですか?
A) 発赤
B) 腫脹
C) 熱感
D) 吐き気
E) 機能障害

答え: D) 吐き気


問題 5

放射線が炎症を引き起こす場合、これはどの因子によるものですか?
A) 生物学的因子
B) 物理的因子
C) 化学的因子
D) 心理的因子
E) 遺伝的因子

答え: B) 物理的因子


問題 6

慢性炎症の際に出現するものはどれですか?
A) 好中球
B) マクロファージ
C) 赤血球
D) 血小板
E) 神経細胞

答え: B) マクロファージ


問題 7

微生物が体内に侵入し、臓器や組織に定着して増殖することを何と呼びますか?
A) 感染
B) 再生
C) 滲出
D) 壊死
E) 代謝

答え: A) 感染


問題 8

感染してから発症するまでの期間を何と呼びますか?
A) 感染期
B) 潜伏期
C) 増悪期
D) 再生期
E) 代償期

答え: B) 潜伏期


問題 9

感染症を引き起こす微生物を何と呼びますか?
A) ウイルス
B) 細菌
C) 病原体
D) 真菌
E) 寄生虫

答え: C) 病原体


問題 10

感染を受ける側のヒトを何と呼びますか?
A) 病原体
B) 細菌
C) 宿主
D) 代償者
E) 易感染性者

答え: C) 宿主


問題 11

微生物に含まれないものはどれですか?
A) ウイルス
B) 真菌
C) 寄生虫
D) ヘモグロビン
E) 細菌

答え: D) ヘモグロビン


問題 12

細菌が持つ毒素は何に分類されますか?
A) 内毒素と外毒素
B) 酵素とタンパク質
C) ビタミンとミネラル
D) 代謝物と分解物
E) 酸素と二酸化炭素

答え: A) 内毒素と外毒素


問題 13

咳やくしゃみで飛散する飛沫粒子によって感染するものを何と呼びますか?
A) 空気感染
B) 垂直感染
C) 水平感染
D) 飛沫感染
E) 感染防御

答え: D) 飛沫感染


問題 14

母体から胎児や子に感染することを何と呼びますか?
A) 水平感染
B) 飛沫感染
C) 垂直感染
D) 再感染
E) 易感染性

答え: C) 垂直感染


問題 15

ウイルスは宿主の細胞を利用して何を行うか?
A) 栄養補給
B) 酸素供給
C) エネルギー生成
D) 複製
E) 細胞分裂

答え: D) 複製


問題 16

細菌はどのような生物か?
A) 真核生物
B) 原核生物
C) 多細胞生物
D) 無脊椎動物
E) 単細胞の真核生物

答え: B) 原核生物


問題 17

感染防御能が低下し、感染症に罹患しやすい宿主の状態を何と呼びますか?
A) 感染防御
B) 潜伏期
C) 易感染性
D) 病原性
E) 再感染

答え: C) 易感染性


問題 18

自然免疫や獲得免疫が関与しないものはどれですか?
A) 感染防御
B) 再生能力
C) 感染予防
D) 易感染性
E) 免疫機構

答え: B) 再生能力


問題 19

炎症を引き起こす因子に含まれないものはどれですか?
A) 物理的因子
B) 化学的因子
C) 生物学的因子
D) 心理的因子
E) 放射線

答え: D) 心理的因子


問題 20

飛沫感染を引き起こす粒子の大きさはどれ以上か?
A) 0.5μm
B) 1μm
C) 3μm
D) 5μm
E) 10μm

答え: D) 5μm

参考文献:救急救命士標準テキスト


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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト

14_循環障害・炎症・感染
 ①音声解説
 ②聞き流し1問1答

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