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41_消化器系疾患【救急救命士国家試験対策】


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【消化器系疾患】

1. 消化系疾患の緊急度

  • 緊急度の高い消化系疾患: 出血性ショック、腸管虚血、消化管穿孔による腹膜炎、重症胆道感染症など。

  • 内臓痛の原因: 胆石、イレウスが典型的。

  • 大量吐血: 食道静脈瘤破裂によるものが多く、吐血は鮮紅色。

  • 消化管出血: 吐血(鮮血またはコーヒー残渣様)、下血が見られる。

  • 黄疸: 血中ビリルビン増加による皮膚や粘膜の黄染。

  • ショックのタイプ: 循環血液量減少性ショック、敗血症性ショック。

2. 消化管出血

  • マロリー・ワイス症候群: 飲酒後の嘔吐が主な原因。吐血は新鮮血で、腹痛は伴わないことが多い。

  • 食道静脈瘤破裂: 肝硬変に伴う合併症として吐血。黄疸、腹水、クモ状血管腫などの肝硬変の所見を伴う。

  • 特発性食道破裂: 激しい嘔吐後に起こり、前胸部痛と呼吸困難を伴う。

3. 消化管疾患

  • 急性胃腸炎: 小児ではロタウイルス、成人ではノロウイルスやカンピロバクターが主な原因。

  • 胃・十二指腸潰瘍: ヘリコバクター・ピロリ菌と非ステロイド系抗炎症薬が発症に関与。三大合併症は穿孔、出血、幽門狭窄。

    • 胃潰瘍: 上腹部正中の痛み。食後に痛みが増強。

    • 十二指腸潰瘍: 空腹時や夜間に痛みが特徴的。正中より右側の痛み。

  • イレウス(腸閉塞): 悪心、嘔吐、腹痛、腹部膨満、排ガス・排便の停止が主な症状。絞扼性腸閉塞では緊急対応が必要。

  • 麻痺性イレウス: 汎発性腹膜炎、急性膵炎、脊髄損傷などが原因。

  • 痙攣性イレウス: 結石発作や鉛中毒、精神疾患が原因。

4. 肝臓・胆嚢・膵臓疾患

  • 肝炎ウイルス: A型、B型、C型、D型、E型があり、急性肝炎では食欲不振、悪心、全身倦怠感が初期症状。黄疸、皮膚瘙痒も見られる。

  • 肝硬変: 倦怠感、食欲不振、腹部膨満が初期症状。進行すると肝機能停止や門脈圧亢進による症状が現れる。

  • 急性膵炎: 上腹部の持続痛と背部への放散痛が特徴。原因はアルコールと胆石が80%を占める。

  • 急性胆嚢炎: 右上腹部痛を呈し、黄疸と高熱が加わる。胆石が原因。

  • シャルコーの三徴: 急性胆管炎の特徴で、右上腹部痛、黄疸、高熱を伴う。



問題

  1. 消化系疾患で緊急度が高いのは、____ショック、腸管の虚血、消化管穿孔による____、重症胆道感染症などがある。

  2. ____をきたすものとしては胆石、イレウスなどがその典型である。

  3. 大量吐血は____にみられる。

  4. 消化管で出血が起こった場合、一部は口から____として、一部は肛門から____として流出する。

  5. 鮮血やコーヒー残渣様の吐血は____を、糞便臭のする吐物は____を意味する。

  6. ____とは、血中に増加したビリルビンが皮膚・粘膜などの組織に沈着して黄染した状態をいう。

  7. 消化系疾患で見られる主なショックは、____ショックと____ショックである。

  8. 心筋梗塞や狭心症で、胸部症状ではなく____または____を唯一の症候として訴えることがある。

  9. マロリー・ワイス症候群のもっとも多い原因は____後の嘔吐である。

  10. 食道静脈瘤破裂での吐血は____である。

  11. 食道静脈瘤破裂は、黄疸、腹水、____、手掌紅斑、腹壁皮下静脈の拡張(メズサの頭)、テリー爪など、____の所見を伴うことがある。

  12. マロリー・ワイス症候群は____以降の嘔吐で起こり、最初からの吐血は、マロリー・ワイス症候群とは考えにくい。

  13. マロリー・ワイス症候群の吐血の性状は、____で腹痛を伴わないことが多い。

  14. 特発性食道破裂は、通常は、とくに病変のない____の左壁に好発する。

  15. 特発性食道破裂は、典型的には、激しく嘔吐し、その直後から激しい____と____を生じることを参考にする。

  16. 突然の無痛性大量吐血で発症し、ショックに陥ることも多い、吐血は____である。

  17. 急性胃腸炎は小児では____、成人では____やカンピロバクターの頻度が高い。

  18. 胃・十二指腸潰瘍は、____菌が発症に深く関与しており、____とともに潰瘍発生の原因として重要視されている。

  19. 胃・十二指腸潰瘍の三大合併症は____、出血、____である。

  20. 胃・十二指腸潰瘍はいずれも____に多く、とくに十二指腸潰瘍では女性の約____倍である。

  21. 胃潰瘍では上腹部正中(____)の痛みを呈するのに対して、十二指腸潰瘍の痛みは正中より____へずれる。

  22. 胃潰瘍が____に痛みが増強するのに対して、十二指腸潰瘍では____、夜間痛が特徴である。

  23. 急性胃粘膜病変では、胃粘膜の広い範囲に____、発赤、びらん、浅い潰瘍を生じる。

  24. 急性胃粘膜病変の吐血の性状は____であることが多いが、出血量が多い場合は____となる。

  25. 好発年齢は、胃潰瘍では____歳、十二指腸潰瘍では____歳である。

  26. 胃・十二指腸潰瘍穿孔をきたすと突然の上腹部激痛をきたし、典型的な____の症候を認める。

  27. ____は加熱や冷凍で死滅するが、食酢などの化学物質には抵抗性がある。

  28. イレウスとは____によって腸管蠕動運動が低下する状態のことである。

  29. イレウス・腸閉塞の主な症候は、____・嘔吐、____、腹部膨満、____・排便の停止である。

  30. ____イレウスは汎発性腹膜炎、急性膵炎、脊髄損傷、開腹術直後で起こる。

  31. ____イレウスは結石発作、鉛中毒、精神疾患で起こる。

  32. イレウスとは腸管麻痺によって____が低下する状態のことで、____などでみられる。

  33. 索状物による絞扼、腸重積、ヘルニア嵌頓、腸捻転は____に含まれる。

  34. 単純性腸閉塞では____の亢進や____が聴取される。

  35. 急性虫垂炎は虫垂内腔が____などで閉塞されることにより炎症を起こすといわれている。

  36. 上腸間膜動脈閉塞の原因として、____による血栓症と、____などに起因する血栓による塞栓症があるが、塞栓症が約____%を占める。

  37. 肝炎ウイルスは、主に____型、____型、C型、D型、E型の5種類である。

  38. 急性肝炎の症候は____、悪心・嘔吐、全身倦怠感、発熱などの____様症候ではじまり、____、皮膚瘙痒などが出現する。

  39. 腹水が著名な傷病者の搬送体位は、____による換気障害を軽減するため、____または____をとらせる。

  40. 肝硬変での初期症状は、倦怠感、____、____などがあるが、進行すると肝機能の停止、門脈圧亢進による症候が加わる。

  41. 肝癌は肝臓から発生する____と、ほかの臓器からの転移による____がある。

  42. 急性膵炎では、____の持続痛が出現し、____への痛みが放散することもある。

  43. 急性膵炎の誘因としては、常習的な____、____が約80%を占める。

  44. 急性膵炎は、種々の原因により、膵酵素である____、エラスターゼなどが活性化され、____が自己消化される病態である。

  45. 急性胆嚢炎の症候は____で、これに胆管炎の合併による____と____を合わせてシャルコーの三徴という。

  46. 急性胆嚢炎は通常、____による閉塞に____を合併して生じる。

  47. 急性胆管炎は急性胆嚢炎の波及または____からの____で起こる。

  48. 胆石発作の特徴は過労や____の過食後、____に起こることが多く、心窩部から右季肋部にかけての差し込むような強い痛みである。

  49. ____による痛みは通常、上腹部で発生する。

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解答

  1. 消化系疾患で緊急度が高いのは、出血性ショック、腸管の虚血、消化管穿孔による腹膜炎、重症胆道感染症などがある。

  2. 内臓痛をきたすものとしては胆石、イレウスなどがその典型である。

  3. 大量吐血は食道静脈瘤破裂にみられる。

  4. 消化管で出血が起こった場合、一部は口から吐血として、一部は肛門から下血として流出する。

  5. 鮮血やコーヒー残渣様の吐血は消化管出血を、糞便臭のする吐物は腸閉塞を意味する。

  6. 黄疸とは、血中に増加したビリルビンが皮膚・粘膜などの組織に沈着して黄染した状態をいう。

  7. 消化系疾患で見られる主なショックは、循環血液量減少性ショックと敗血症性ショックである。

  8. 心筋梗塞や狭心症で、胸部症状ではなく歯痛または下顎痛を唯一の症候として訴えることがある。

  9. マロリー・ワイス症候群のもっとも多い原因は飲酒後の嘔吐である。

  10. 食道静脈瘤破裂での吐血は鮮紅色である。

  11. 食道静脈瘤破裂は、黄疸、腹水、クモ状血管腫、手掌紅斑、腹壁皮下静脈の拡張(メズサの頭)、テリー爪など、肝硬変の所見を伴うことがある。

  12. マロリー・ワイス症候群は2回目以降の嘔吐で起こり、最初からの吐血は、マロリー・ワイス症候群とは考えにくい。

  13. マロリー・ワイス症候群の吐血の性状は、新鮮血で腹痛を伴わないことが多い。

  14. 特発性食道破裂は、通常は、とくに病変のない下部食道の左壁に好発する。

  15. 特発性食道破裂は、典型的には、激しく嘔吐し、その直後から激しい前胸部痛呼吸困難を生じることを参考にする。

  16. 突然の無痛性大量吐血で発症し、ショックに陥ることも多い、吐血は鮮紅色である。

  17. 急性胃腸炎は小児ではロタウイルス、成人ではノロウイルスやカンピロバクターの頻度が高い。

  18. 胃・十二指腸潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリ菌が発症に深く関与しており、非ステロイド系抗炎症薬とともに潰瘍発生の原因として重要視されている。

  19. 胃・十二指腸潰瘍の三大合併症は穿孔、出血、幽門狭窄である。

  20. 胃・十二指腸潰瘍はいずれも男性に多く、とくに十二指腸潰瘍では女性の約6倍である。

  21. 胃潰瘍では上腹部正中(心窩部)の痛みを呈するのに対して、十二指腸潰瘍の痛みは正中より右季肋部へずれる。

  22. 胃潰瘍が食後に痛みが増強するのに対して、十二指腸潰瘍では空腹時痛、夜間痛が特徴である。

  23. 急性胃粘膜病変では、胃粘膜の広い範囲に浮腫、発赤、びらん、浅い潰瘍を生じる。

  24. 急性胃粘膜病変の吐血の性状はコーヒー残渣様であることが多いが、出血量が多い場合は新鮮血となる。

  25. 好発年齢は、胃潰瘍では40〜60歳、十二指腸潰瘍では20〜40歳である。

  26. 胃・十二指腸潰瘍穿孔をきたすと突然の上腹部激痛をきたし、典型的な腹膜炎の症候を認める。

  27. アニサキスは加熱や冷凍で死滅するが、食酢などの化学物質には抵抗性がある。

  28. イレウスとは腸管麻痺によって腸管蠕動運動が低下する状態のことである。

  29. イレウス・腸閉塞の主な症候は、悪心・嘔吐、腹痛、腹部膨満、排ガス・排便の停止である。

  30. 麻痺性イレウスは汎発性腹膜炎、急性膵炎、脊髄損傷、開腹術直後で起こる。

  31. 痙攣性イレウスは結石発作、鉛中毒、精神疾患で起こる。

  32. イレウスとは腸管麻痺によって腸管蠕動運動が低下する状態のことで、汎発性腹膜炎などでみられる。

  33. 索状物による絞扼、腸重積、ヘルニア嵌頓、腸捻転は複雑性(絞扼性)腸閉塞に含まれる。

  34. 単純性腸閉塞では腸雑音の亢進や金属音が聴取される。

  35. 急性虫垂炎は虫垂内腔が糞石などで閉塞されることにより炎症を起こすといわれている。

  36. 上腸間膜動脈閉塞の原因として、動脈硬化による血栓症と、心房細動などに起因する血栓による塞栓症があるが、塞栓症が約70%を占める。

  37. 肝炎ウイルスは、主に型、型、C型、D型、E型の5種類である。

  38. 急性肝炎の症候は食思不振、悪心・嘔吐、全身倦怠感、発熱などのインフルエンザ様症候ではじまり、黄疸、皮膚瘙痒などが出現する。

  39. 腹水が著名な傷病者の搬送体位は、横隔膜挙上による換気障害を軽減するため、座位または半座位をとらせる。

  40. 肝硬変での初期症状は、倦怠感、食思不振腹部膨隆などがあるが、進行すると肝機能の停止、門脈圧亢進による症候が加わる。

  41. 肝癌は肝臓から発生する原発性肝癌と、ほかの臓器からの転移による転移性肝癌がある。

  42. 急性膵炎では、上腹部の持続痛が出現し、背部への痛みが放散することもある。

  43. 急性膵炎の誘因としては、常習的なアルコール摂取胆石が約80%を占める。

  44. 急性膵炎は、種々の原因により、膵酵素であるアミラーゼ、エラスターゼなどが活性化され、膵組織が自己消化される病態である。

  45. 急性胆嚢炎の症候は右上腹部痛で、これに胆管炎の合併による黄疸高熱を合わせてシャルコーの三徴という。

  46. 急性胆嚢炎は通常、胆石による閉塞に細菌感染を合併して生じる。

  47. 急性胆管炎は急性胆嚢炎の波及またはファーター乳頭からの逆行性感染で起こる。

  48. 胆石発作の特徴は過労や油ものの過食後、夜間に起こることが多く、心窩部から右季肋部にかけての差し込むような強い痛みである。

  49. 膵炎による痛みは通常、上腹部で発生する。



練習問題
問題1

消化系疾患で緊急度が高い疾患に該当しないものはどれか?
A. 出血性ショック
B. 腸管の虚血
C. 消化管穿孔による腹膜炎
D. 軽度の食道炎
E. 重症胆道感染症

答え: D
消化系疾患で緊急度が高いのは、出血性ショック、腸管の虚血、消化管穿孔による腹膜炎、重症胆道感染症などがある。


問題2

内臓痛を引き起こす代表的なものはどれか?
A. 胃がん
B. 胆石
C. 食道炎
D. 胃潰瘍
E. 十二指腸潰瘍

答え: B
内臓痛をきたすものとしては胆石、イレウスなどがその典型である。


問題3

大量吐血が見られる原因として最も適切なのはどれか?
A. 食道静脈瘤破裂
B. 胃炎
C. 急性胃腸炎
D. 胃潰瘍
E. 十二指腸潰瘍

答え: A
大量吐血は食道静脈瘤破裂にみられる。


問題4

糞便臭のする吐物が示唆する病態はどれか?
A. 消化管出血
B. 腸閉塞
C. 急性胃腸炎
D. 胃潰瘍
E. 胆石発作

答え: B
糞便臭のする吐物は腸閉塞を意味する。


問題5

血中ビリルビンが増加し皮膚や粘膜が黄染する状態を何と呼ぶか?
A. 貧血
B. 黄疸
C. 肝不全
D. 胆石
E. 腎不全

答え: B
黄疸とは、血中に増加したビリルビンが皮膚・粘膜などの組織に沈着して黄染した状態をいう。


問題6

消化系疾患で見られるショックでないものはどれか?
A. 循環血液量減少性ショック
B. 敗血症性ショック
C. 心原性ショック
D. 出血性ショック
E. 感染性ショック

答え: C
消化系疾患で見られる主なショックは、循環血液量減少性ショックと敗血症性ショックである。


問題7

心筋梗塞や狭心症の胸部症状に代わって現れることがある症状はどれか?
A. 肩こり
B. 歯痛または下顎痛
C. 頭痛
D. 腰痛
E. 吐き気

答え: B
心筋梗塞や狭心症で、胸部症状ではなく歯痛または下顎痛を唯一の症候として訴えることがある。


問題8

マロリー・ワイス症候群の原因として最も多いものはどれか?
A. ウイルス感染
B. 飲酒後の嘔吐
C. 薬物乱用
D. 胃酸過多
E. 食道裂孔ヘルニア

答え: B
マロリー・ワイス症候群のもっとも多い原因は飲酒後の嘔吐である。


問題9

食道静脈瘤破裂による吐血の特徴はどれか?
A. 暗赤色
B. 鮮紅色
C. 黒色
D. 黄色
E. 褐色

答え: B
食道静脈瘤破裂での吐血は鮮紅色である。


問題10

食道静脈瘤破裂で見られる肝硬変の所見に該当しないものはどれか?
A. クモ状血管腫
B. 黄疸
C. メズサの頭
D. テリー爪
E. 下痢

答え: E
食道静脈瘤破裂は、黄疸、腹水、クモ状血管腫、手掌紅斑、腹壁皮下静脈の拡張(メズサの頭)、テリー爪など、肝硬変の所見を伴うことがある。


問題11

マロリー・ワイス症候群が発生するのはどのような状況か?
A. 最初の嘔吐時
B. 2回目以降の嘔吐時
C. 食後直後
D. 睡眠中
E. 走った直後

答え: B
マロリー・ワイス症候群は2回目以降の嘔吐で起こり、最初からの吐血は、マロリー・ワイス症候群とは考えにくい。


問題12

特発性食道破裂が好発するのはどの部位か?
A. 上部食道
B. 下部食道の左壁
C. 胃
D. 小腸
E. 十二指腸

答え: B
特発性食道破裂は、通常は、とくに病変のない下部食道の左壁に好発する。


問題13

急性胃腸炎の原因として、成人に最も多い病原体はどれか?
A. ロタウイルス
B. カンピロバクター
C. アニサキス
D. ノロウイルス
E. インフルエンザウイルス

答え: D
急性胃腸炎は小児ではロタウイルス、成人ではノロウイルスやカンピロバクターの頻度が高い。


問題14

胃・十二指腸潰瘍の発症に深く関与する細菌はどれか?
A. カンピロバクター
B. ヘリコバクター・ピロリ菌
C. ノロウイルス
D. エシェリキア・コリ
E. サルモネラ菌

答え: B
胃・十二指腸潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリ菌が発症に深く関与している。


問題15

胃・十二指腸潰瘍の三大合併症に含まれないものはどれか?
A. 穿孔
B. 出血
C. 幽門狭窄
D. 悪性腫瘍
E. イレウス

答え: D
胃・十二指腸潰瘍の三大合併症は穿孔、出血、幽門狭窄である。


問題16

十二指腸潰瘍の患者の特徴として誤っているのはどれか?
A. 胃潰瘍より女性に多い
B. 好発年齢は20〜40歳
C. 空腹時痛や夜間痛がある
D. ピロリ菌感染が関与する
E. 胃潰瘍より男性に多い

答え: A
胃・十二指腸潰瘍はいずれも男性に多く、とくに十二指腸潰瘍では女性の約6倍である。


問題17

胃潰瘍と十二指腸潰瘍の痛みの違いとして正しいのはどれか?
A. 胃潰瘍は空腹時痛、十二指腸潰瘍は食後痛
B. 胃潰瘍は食後痛、十二指腸潰瘍は空腹時痛
C. 両者ともに食後痛がある
D. 両者ともに空腹時痛がある
E. 胃潰瘍は痛みを伴わない

答え: B
胃潰瘍が食後に痛みが増強するのに対して、十二指腸潰瘍では空腹時痛、夜間痛が特徴である。


問題18

胃潰瘍と十二指腸潰瘍の好発年齢として正しいのはどれか?
A. 胃潰瘍20〜30歳、十二指腸潰瘍40〜50歳
B. 胃潰瘍40〜60歳、十二指腸潰瘍20〜40歳
C. 胃潰瘍30〜40歳、十二指腸潰瘍50〜60歳
D. 胃潰瘍50〜60歳、十二指腸潰瘍30〜40歳
E. 両者ともに30〜40歳

答え: B
好発年齢は、胃潰瘍では40〜60歳、十二指腸潰瘍では20〜40歳である。


問題19

アニサキスはどのようにすれば死滅するか?
A. 加熱または冷凍
B. 食酢で洗う
C. 水で洗う
D. アルコールで消毒
E. 放置する

答え: A
アニサキスは加熱や冷凍で死滅するが、食酢などの化学物質には抵抗性がある。


問題20

イレウスとはどのような病態か?
A. 腸管の閉塞
B. 腸管麻痺による腸管蠕動運動の低下
C. 胃の痙攣
D. 胆管の閉塞
E. 大腸の炎症

答え: B
イレウスとは腸管麻痺によって腸管蠕動運動が低下する状態のことである。


問題21

イレウスや腸閉塞の主な症状に該当しないものはどれか?
A. 悪心・嘔吐
B. 腹痛
C. 腹部膨満
D. 発熱
E. 排ガス・排便の停止

答え: D
イレウス・腸閉塞の主な症候は、悪心・嘔吐、腹痛、腹部膨満、排ガス・排便の停止である。


問題22

麻痺性イレウスが起こる原因として最も適切なのはどれか?
A. 結石発作
B. 急性膵炎
C. 精神疾患
D. 鉛中毒
E. 絞扼

答え: B
麻痺性イレウスは汎発性腹膜炎、急性膵炎、脊髄損傷、開腹術直後で起こる。


問題23

痙攣性イレウスが起こる原因として適切なのはどれか?
A. 鉛中毒
B. 急性膵炎
C. 糖尿病
D. 肝硬変
E. 膵炎

答え: A
痙攣性イレウスは結石発作、鉛中毒、精神疾患で起こる。


問題24

急性虫垂炎の原因として正しいものはどれか?
A. 絞扼
B. 虫垂内腔の糞石による閉塞
C. 脂肪肝
D. 血栓
E. 胆石

答え: B
急性虫垂炎は虫垂内腔が糞石などで閉塞されることにより炎症を起こすといわれている。


問題25

上腸間膜動脈閉塞の原因で最も多いのはどれか?
A. 動脈硬化による血栓症
B. 心房細動による塞栓症
C. 糖尿病
D. 肝不全
E. 高血圧

答え: B
上腸間膜動脈閉塞の原因として、動脈硬化による血栓症と、心房細動などに起因する血栓による塞栓症があるが、塞栓症が約70%を占める。


問題26

肝炎ウイルスの種類に含まれないものはどれか?
A. A型
B. B型
C. C型
D. F型
E. E型

答え: D
肝炎ウイルスは、主にA型、B型、C型、D型、E型の5種類である。


問題27

急性肝炎の初期症状として該当しないものはどれか?
A. 食思不振
B. 悪心・嘔吐
C. 発熱
D. 下痢
E. 全身倦怠感

答え: D
急性肝炎の症候は食思不振、悪心・嘔吐、全身倦怠感、発熱などのインフルエンザ様症候ではじまる。


問題28

腹水が著明な患者の搬送時に最も適した体位はどれか?
A. 仰臥位
B. 伏臥位
C. 座位または半座位
D. 横臥位
E. 右側臥位

答え: C
腹水が著名な傷病者の搬送体位は、横隔膜挙上による換気障害を軽減するため、座位または半座位をとらせる。


問題29

急性膵炎の誘因として最も多いものはどれか?
A. 胆石
B. 高脂血症
C. 感染症
D. 低血糖
E. 膵炎

答え: A
急性膵炎の誘因としては、常習的なアルコール摂取、胆石が約80%を占める。


問題30

急性胆嚢炎の三徴として正しい組み合わせはどれか?
A. 黄疸、倦怠感、発熱
B. 黄疸、高熱、右上腹部痛
C. 背部痛、黄疸、吐血
D. 右上腹部痛、嘔吐、悪心
E. 高熱、腹水、下痢

答え: B
急性胆嚢炎の症候は右上腹部痛で、これに胆管炎の合併による黄疸と高熱を合わせてシャルコーの三徴という。

参考文献:救急救命士標準テキスト


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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト

41_消化器系疾患
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