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43_血液・免疫・筋・骨格系疾患【救急救命士国家試験対策】


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国家試験定期試験出題内容のまとめ

【血液・免疫・筋・骨格系疾患】

1. 貧血

  • 鉄欠乏性貧血: 慢性出血が原因で最も頻度が高い。

  • 貧血の分類:

    • 一次性貧血: 造血系や赤血球自体に原因がある。

    • 二次性貧血: 出血や他疾患に続発して起こる。

  • リンパ節腫脹: 頸部、腋窩、鼠径部で観察しやすく、直径1センチ以上を指す。

  • 貧血の定義: 末梢血液中の赤血球数またはヘモグロビン値が減少。

  • 貧血による蒼白: 顔面や眼瞼結膜で観察されやすい。

2. 血液系の疾患

  • アスピリン: 抗血小板作用を有する解熱鎮痛薬。

  • 血友病: 男性に多い伴性劣性遺伝疾患。

  • 血小板産生の障害: 白血病や再生不良性貧血が原因となる。

3. アレルギー・自己免疫疾患

  • アレルギー: 免疫反応の障害による疾患。

  • 自己免疫疾患: 自己の細胞や臓器を攻撃する疾患。

  • 膠原病: 全身の結合組織に広範な慢性炎症と変性を伴う。

  • アナフィラキシー: 薬剤、刺咬症、食物などが主な誘因。

    • アレルギー反応のメカニズム: 初回のアレルゲン曝露後、IgE抗体が肥満細胞に結合し、ヒスタミンが放出される。

    • アナフィラキシーの体位: 基本は仰臥位。

    • エピペン: 本人や保護者、学校教員も使用可能。

4. 血圧低下の機序

  • 血圧低下: 血管拡張と循環血液量の減少が主な要因。

  • ヒスタミン: 気管支平滑筋に作用し、血管拡張や透過性亢進を引き起こす。

5. 筋・骨格系疾患

  • 腰痛の原因疾患: 大動脈疾患や腎疾患が含まれる。

  • 肩の痛みの原因疾患: 心筋梗塞が含まれることがある。

  • 運動障害の原因: 神経麻痺、疼痛、関節変形などを区別する。

  • 体位の基本: 筋・骨格系疾患の傷病者には最も楽な体位を取らせる。

  • 椎間板ヘルニア: 職業、喫煙、肥満、遺伝子が危険因子となる。

  • 関節リウマチ: 20~50歳の女性に好発する自己免疫疾患。

  • 肘内障: 軽微な外力で起こる橈骨頭の亜脱臼。

  • 腰部脊柱管狭窄症: 両側または片側の下肢に疼痛、感覚障害、筋力低下を伴う。

6. 横紋筋融解症

  • 横紋筋融解症の特徴: 筋細胞からカリウム、ミオグロビンが大量に放出される。

  • 搬送中の注意点: 心電図をモニターし、高カリウム血症による致死性不整脈に注意。


問題

  1. 貧血には造血系や赤血球自体に原因がある一次性貧血(____)と、出血や他の疾患に続発する二次性貧血(____)がある。

  2. リンパ節腫脹とはリンパ節の直径が____以上になった状態を指す。

  3. 体表面から観察しやすいリンパ節は____、____、____にある。

  4. 貧血とは、末梢血液中の____または____が正常よりも減少した状態をいう。

  5. 代表的な解熱鎮痛薬である____は、抗血小板作用を有する。

  6. 血友病は通常____のみに発症する伴性劣性遺伝疾患である。

  7. 血小板産生の障害原因として、____や再生不良性貧血などがある。

  8. 貧血による蒼白は顔面のほか、____で観察されやすい。

  9. アレルギーは、____の障害による代表的な疾患である。

  10. 自己免疫疾患は自己の____や____を攻撃することによって障害が発生する疾患である。

  11. 膠原病とは全身の結合組織の広範な慢性炎症と____を特徴とする一群の疾患である。

  12. アナフィラキシーは____や____、____などが主な誘因である。

  13. 食物アレルギーは食物中の____が通常のように分解されないまま吸収されたとき、抗原性を発揮してアレルギーを発症する。

  14. 初回のアレルゲン曝露後には____に属する抗体が____などの表面に結合している。

  15. 血圧低下の機序は、____による全末梢血管抵抗の低下と____の減少が主である。

  16. ____は気管支平滑筋、血管拡張、血管透過性亢進などの作用を有する。

  17. アナフィラキシーの傷病者の体位は____が基本である。

  18. エピペンは本人や保護者の他、____の教員も使用することができる。

  19. 筋・骨格系疾患で一般的な主訴である____をきたす疾患には____や____が、肩の痛みをきたす疾患には____などが含まれている。

  20. 運動障害を訴える傷病者では、その原因が____によるものか、____によるものか、____によるものかを区別する。

  21. 筋・骨格系疾患が考えられる傷病者には自身がもっとも楽な____をとらせるのを基本とする。

  22. 椎間板ヘルニアの危険因子として、____、____、____、____などがある。

  23. 関節リウマチでは____の女性に好発する自己免疫疾患の一種である。

  24. 肘内障は、軽微な外力で生じた____の亜脱臼である。

  25. 腰部脊柱管狭窄症では、両側または片側の____の疼痛、感覚障害、____をきたす。

  26. 横紋筋融解症では筋細胞からは大量の____、____などが放出される。

  27. 横紋筋融解症では搬送中は____をモニターし、____による致死性不整脈に注意する。

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解答

  1. 貧血には造血系や赤血球自体に原因がある一次性貧血(原発性貧血)と、出血や他の疾患に続発する二次性貧血(続発性貧血)がある。

  2. リンパ節腫脹とはリンパ節の直径が1センチ以上になった状態を指す。

  3. 体表面から観察しやすいリンパ節は頸部腋窩鼠径部にある。

  4. 貧血とは、末梢血液中の赤血球数またはヘモグロビン値が正常よりも減少した状態をいう。

  5. 代表的な解熱鎮痛薬であるアスピリンは、抗血小板作用を有する。

  6. 血友病は通常男性のみに発症する伴性劣性遺伝疾患である。

  7. 血小板産生の障害原因として、白血病や再生不良性貧血などがある。

  8. 貧血による蒼白は顔面のほか、眼瞼結膜で観察されやすい。

  9. アレルギーは、免疫反応の障害による代表的な疾患である。

  10. 自己免疫疾患は自己の細胞臓器を攻撃することによって障害が発生する疾患である。

  11. 膠原病とは全身の結合組織の広範な慢性炎症と変性を特徴とする一群の疾患である。

  12. アナフィラキシーは薬剤刺咬症食物などが主な誘因である。

  13. 食物アレルギーは食物中の蛋白質が通常のように分解されないまま吸収されたとき、抗原性を発揮してアレルギーを発症する。

  14. 初回のアレルゲン曝露後にはIgEに属する抗体が肥満細胞などの表面に結合している。

  15. 血圧低下の機序は、血管拡張による全末梢血管抵抗の低下と循環血液量の減少が主である。

  16. ヒスタミンは気管支平滑筋、血管拡張、血管透過性亢進などの作用を有する。

  17. アナフィラキシーの傷病者の体位は仰臥位が基本である。

  18. エピペンは本人や保護者の他、学校の教員も使用することができる。

  19. 筋・骨格系疾患で一般的な主訴である腰痛をきたす疾患には大動脈疾患腎疾患が、肩の痛みをきたす疾患には心筋梗塞などが含まれている。

  20. 運動障害を訴える傷病者では、その原因が神経麻痺によるものか、疼痛によるものか、関節変形によるものかを区別する。

  21. 筋・骨格系疾患が考えられる傷病者には自身がもっとも楽な体位をとらせるのを基本とする。

  22. 椎間板ヘルニアの危険因子として、職業喫煙肥満遺伝子などがある。

  23. 関節リウマチでは20〜50歳台の女性に好発する自己免疫疾患の一種である。

  24. 肘内障は、軽微な外力で生じた橈骨頭の亜脱臼である。

  25. 腰部脊柱管狭窄症では、両側または片側の下肢の疼痛、感覚障害、筋力低下をきたす。

  26. 横紋筋融解症では筋細胞からは大量のカリウムミオグロビンなどが放出される。

  27. 横紋筋融解症では搬送中は心電図をモニターし、高カリウム血症による致死性不整脈に注意する。



練習問題

問題1

貧血で最も頻度が高いものはどれか?
A. 再生不良性貧血
B. 巨赤芽球性貧血
C. 鉄欠乏性貧血
D. 悪性貧血
E. 溶血性貧血

答え: C
貧血でもっとも頻度が高いのは、慢性出血の結果生じる鉄欠乏性貧血である。


問題2

リンパ節腫脹の定義として正しいのはどれか?
A. リンパ節の直径が0.5センチ以上
B. リンパ節の直径が1センチ以上
C. リンパ節の直径が1.5センチ以上
D. リンパ節の直径が2センチ以上
E. リンパ節の直径が2.5センチ以上

答え: B
リンパ節腫脹とはリンパ節の直径が1センチ以上になった状態を指す。


問題3

体表面から観察しやすいリンパ節の部位に含まれないものはどれか?
A. 頸部
B. 鼠径部
C. 腋窩
D. 胸部
E. 上腕部

答え: D
体表面から観察しやすいリンパ節は頸部、腋窩、鼠径部にある。


問題4

貧血とはどのような状態を指すか?
A. 末梢血液中の赤血球数またはヘモグロビン値が正常よりも増加した状態
B. 末梢血液中の赤血球数またはヘモグロビン値が正常よりも減少した状態
C. 末梢血液中の白血球数が減少した状態
D. 末梢血液中の血小板数が増加した状態
E. 末梢血液中の血糖値が増加した状態

答え: B
貧血とは、末梢血液中の赤血球数またはヘモグロビン値が正常よりも減少した状態をいう。


問題5

代表的な解熱鎮痛薬で抗血小板作用を有するものはどれか?
A. アスピリン
B. アセトアミノフェン
C. イブプロフェン
D. ナプロキセン
E. セレコキシブ

答え: A
代表的な解熱鎮痛薬であるアスピリンは、抗血小板作用を有する。


問題6

血友病が主に発症するのはどの層か?
A. 男性
B. 女性
C. 子供
D. 高齢者
E. 成人

答え: A
血友病は通常男性のみに発症する伴性劣性遺伝疾患である。


問題7

血小板産生の障害原因に該当しないものはどれか?
A. 白血病
B. 再生不良性貧血
C. ビタミンB12欠乏症
D. 出血性ショック
E. 鉄欠乏性貧血

答え: E
血小板産生の障害原因として、白血病や再生不良性貧血などがある。


問題8

貧血による蒼白が観察されやすい部位はどれか?
A. 手の甲
B. 眼瞼結膜
C. 背中
D. 足の裏
E. 胸部

答え: B
貧血による蒼白は顔面のほか、眼瞼結膜で観察されやすい。


問題9

アレルギーはどのような反応によって引き起こされるか?
A. ホルモン反応
B. 血圧上昇
C. 免疫反応の障害
D. 呼吸器の疾患
E. 腸内細菌の異常

答え: C
アレルギーは、免疫反応の障害による代表的な疾患である。


問題10

自己免疫疾患はどのようにして体に障害を与えるか?
A. 細菌感染による炎症
B. 自己の細胞や臓器を攻撃
C. 血液の流れを妨げる
D. 体内の水分量を減少させる
E. 食物アレルギーを引き起こす

答え: B
自己免疫疾患は自己の細胞や臓器を攻撃することによって障害が発生する疾患である。


問題11

膠原病はどのような組織に影響を与えるか?
A. 神経組織
B. 結合組織
C. 筋肉組織
D. 内分泌組織
E. 骨組織

答え: B
膠原病とは全身の結合組織の広範な慢性炎症と変性を特徴とする一群の疾患である。


問題12

アナフィラキシーの主な誘因に該当しないものはどれか?
A. 食物
B. 薬剤
C. 刺咬症
D. ビタミン欠乏
E. 花粉

答え: D
アナフィラキシーは薬剤や刺咬症、食物などが主な誘因である。


問題13

食物アレルギーが発生する原因として正しいものはどれか?
A. 食物中のビタミンが吸収されないことによる
B. 食物中の蛋白質が正常に分解されないことによる
C. 食物中の炭水化物が不足していることによる
D. 食物中の脂質が過剰に摂取されたことによる
E. 食物中のミネラル不足による

答え: B
食物アレルギーは食物中の蛋白質が通常のように分解されないまま吸収されたとき、抗原性を発揮してアレルギーを発症する。


問題14

アナフィラキシーで使用されるエピペンを誰が使用できるか?
A. 本人のみ
B. 本人や保護者、学校の教員
C. 本人と医師のみ
D. 本人と看護師のみ
E. 保護者のみ

答え: B
エピペンは本人や保護者の他、学校の教員も使用することができる。


問題15

アナフィラキシーの傷病者の基本的な体位はどれか?
A. 立位
B. 仰臥位
C. 座位
D. 伏臥位
E. 側臥位

答え: B
アナフィラキシーの傷病者の体位は仰臥位が基本である。


問題16

筋・骨格系疾患で腰痛を引き起こす可能性がある疾患として該当しないものはどれか?
A. 大動脈疾患
B. 腎疾患
C. 心筋梗塞
D. 椎間板ヘルニア
E. 筋肉損傷

答え: C
筋・骨格系疾患で一般的な主訴である腰痛をきたす疾患には大動脈疾患や腎疾患が含まれる。


問題17

椎間板ヘルニアの危険因子に該当しないものはどれか?
A. 職業
B. 喫煙
C. 肥満
D. 食事
E. 遺伝子

答え: D
椎間板ヘルニアの危険因子として、職業、喫煙、肥満、遺伝子などがある。


問題18

関節リウマチが好発する年代として正しいのはどれか?
A. 10〜20歳
B. 20〜50歳
C. 50〜70歳
D. 70歳以上
E. 幼児期

答え: B
関節リウマチでは20〜50歳台の女性に好発する自己免疫疾患の一種である。


問題19

肘内障は何が亜脱臼することによって発生するか?
A. 上腕骨頭
B. 橈骨頭
C. 大腿骨頭
D. 脛骨
E. 腓骨

答え: B
肘内障は、軽微な外力で生じた橈骨頭の亜脱臼である。


問題20

横紋筋融解症で筋細胞から大量に放出される物質に該当しないものはどれか?
A. カリウム
B. ミオグロビン
C. ビタミン
D. 電解質
E. 筋酵素

答え: C
横紋筋融解症では筋細胞からは大量のカリウム、ミオグロビンなどが放出される。

参考文献:救急救命士標準テキスト


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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト

43_血液・免疫・筋・骨格系疾患
 ①音声解説
 ②聞き流し1問1答

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