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The place you dream of is not frustrated act.1&4 -野獣王国@目黒ブルースアレイジャパン-


野獣王国はその名が付く以前、是方スーパープロジェクト名義で活動し名古屋に年一くらいで来ていた頃、91年から来る度に観に行っていた。当時から演奏の音は大きく「しゃべりの間に曲やります」と言うくらいMCが長く、勢いでその会話に大声で突っ込んでしまった過去も。諸事情でインスト方面のライブに行かなくなったが矢張り恋しくなり、戻った時観たのもボトムラインでの野獣王国だった。ここ10年はなかなか観るタイミングが巡らず、久々に巡ってきて動いたのは2018年夏の横浜Hey-JOEだった。久し振りに爆音を浴びライブハウスで暴れ奏でる4人を観られたのが楽しかった(ライブ後に某氏のツーショットを撮ってくださったスタッフさんありがとうございました) が、この春に閉店のツイートが流れてきた時は悔してさみしかった。

オットットリオ同様、是方博邦さんのBIRTHDAY&45周年記念ライブのひとつとして3月に組まれていた野獣王国も今の事態で出来なくなっていた。しかし突然に7月10日、その後に8月は記念ライブ全てが本来の会場の目黒のブルースアレイジャパンで行われ、8日の野獣は規定を守って観客を入れ、生配信でライブが見られるようにしてくれたのはとても嬉しく安堵した。



7月は久しぶりの4人やら一部の方がライブ自体ご無沙汰だったからなのかは勝手な想像だが、スマートフォンの内蔵スピーカーが割れる位まで爆音は、な感じだった。しかし相変わらずの「しゃべりの間に曲やります」通り井戸端会議みたくとりとめなき会話を楽しむのもこのバンドの醍醐味。この時は大きな話題のひとつだった某マスクがいつ届いたかとか、通販サイトのカートマークが分からない怖いと誰か氏は息子さんに後を任すとか、ラインやらメールでつながっていても直に話しが出来る喜びが配信からも伝わった。開始から30分経過したが演奏は2曲、後はしゃべってばかりでも。配信画面端に曲名を入れてくれたのは、見ながらメモを取る身には有り難や。ドラムスやキーボードはカメラが後ろに固定され手の動き、その向こうの観客の姿が見られたのも配信の良さだし、いつものベースの客席乱入は出来なくてもじっくり音と動きが追え表情が見られるのも楽しかった。チャットルームで文字で感想や突っ込みを打ち合うの者面白かったが、ルームを見て内容をステージで拾われ読まれて恥ずかしくなりながらも、初めての配信体験を堪能した。



このライブからほぼひと月後の8月の記念シリーズでの野獣王国は、先にスペシャルなことがあると予告されていた。何があるやらと期待しつつ配信サイトに入りチャットルームからライブの開始を待った。4人がステージに現れるや、バンド名がどーんと画面いっぱいに出て流れカッコイイと唸り、クールに『サラマンダー』で幕開け。先月同様ドラムスキーボードは背面からの撮影もあり、難波さん越しに観客の姿が見えリアルも集まっていることにほっとも。

1曲目が終わると是方さんは初日同様この日になった経緯を語り、誕生日の話しになると難波さんや小森さんからプレゼントを渡される中、鳴瀬さんはどうも先に「人づてに渡した」為ひとり手持ち無沙汰状態。その鳴瀬さんの昨年の誕生日もこの時も、ユニク〇の袋で二人は「ユニク〇ーズ」に。『ビーバー登山』というアウトドア店の名から「バンド名も洒落た名前にすればよかった」とか言い出し次の難波さんの曲を『まほろば'99』改め『カンガルー』と紹介。変拍子かなと思ったら幻想チック時にラテンっぽさも出た演奏で、汗だくの自身たちを「カプサイシン効果バンド」と新たな形容詞が爆誕したり。自粛期間は動物の動画を見て過ごしたと鳴瀬さんが話していたが毎度おなじみ「白けたから次の曲」に。この辺りで一時間経過。

壮大な『WATER SYMPHONY』ではギターは唸り4人のコーラスも響き、終わった後に「今しかない『NOW OR NEVER』や」と言い、鳴瀬さんの曲のタイトルだと思い出しながらもちとずしっとなる。…この曲を演奏したらもっと強くそう感じた、かな。

やっとここでメンバー紹介。キーボードの難波弘之さんは銚子電鉄を支援するライブもアレもコレも中止になったとぼやく傍から約2名が入り話を持ってゆかれ、誰かが“今”の状況を「士農工商犬猫バンドマン」と例えたのは、とある方面への皮肉が入っていた風に感じた。

ドラムスの小森啓資さんはこの日がプロ初仕事をした、デビュー記念日とめでたい話しが「コロナくん いつまで元気な コロナくん」「コロナくん 実はコモリくん」と句?を詠み出す誰かさんズにタイコをバンと叩いて突っ込むのだった。

ベースの鳴瀬喜博さんははっきりとは言えないが9月にライブ、ここブルースアレイジャパンを「11月に一日キープ」と。後者は毎年恒例のだろう、が具体的には語らず。今回のスペシャルが「前からやりたがっていた」という氏の息子さんがゲスト、の発表にチャットは沸いた。画面には見えないが会場の観客も多分。「休む為」発言はギャグと本音がどんな配分かは分からないが、演奏する場をつくってあげたかったのかな、は私的想像の領域。

メロウな『GOODTIME GOODTHING』でのギターの心地良い音にうっとり、しかし時計は8時半だったり。サイトに告知された配信時間は“~9時”だっただけに、チャットしつつ一抹の不安。当人たちは「MCが楽しみでライブやってる」と“リアルライブ”の醍醐味を堪能中。直に顔を合わせ話すのはやっぱり嬉しい、に決まっているか。

ポップな『WILD DUCK WALK』にかわいい『ペンギンの発光』と鳥名タイトル曲が並んだ後、青いライトに包まれてキーボードソロから『哀愁のクジラ』は、さざ波が次第に大きな大波へと変わるイメージが浮かぶうねるようなギターの音が耳に残った。先月の配信が初野獣王国とチャットで言っていた方が、その時も演奏したこの曲を気に入ったと話したのも。

スペシャルゲスト鳴瀬貴喜さんが登場、99年生まれの息子に「生意気にも身長抜かれた」とぼやく喜博父さん。「こうして世代交代が」と言い出し「難波(さん)だけ残る」「センスオブ野獣」と発展してゆくのがシャレにならない。小森さん作ややこしめな『2000GT』のベースを息子に任せ、鳴瀬さんはパーカッションを叩く。難波さんの走るソロに食らいついていた辺りおぉと感心したが、チャット参加者みんな同様にそう感じ一同子を見守る親目線に。最後に親子でベースを弾いて「よー頑張った」と労った後で「パンクやな、ロックじゃなくて」としみじみする父は、他のメンバーと「あの頃には~、戻れない~」と茶化す風に歌うのだった。

そんな鳴瀬さんの曲『MOOLD BHEAT』はギター来てキーボード来ての鳴瀬さんソロと、カメラが切り替わる様が格好良かった。乱入がない分、演奏に音に集中しじっくり見られるのは先月も今回も思ったよいこと。楽しく弾く父の後を受け貴喜さんソロ。始めはメロディアスがだんだん熱を帯びベースが吠え出し、ガンガン激しく動く姿は重なった。誰って、勿論。

メロディアスに戻りそのまま是方さん作『マンモス』へ突入、貴喜さんがベースを喜博さんはパーカッションに専念。怒涛のような勢いで本編終了、会場は手拍子でチャットルームは言葉でアンコールを求める中、時計を見れば配信時間は当に。不安沸くが初日にしていたイベントがまだ行われてないから目を瞑り、アンコールと打ち込み送信を繰り返した。

4人が再び現れるや「ハッピーバースデー」が鳴瀬さんボーカルで奏でられ、ケーキがステージ前に運ばれた、がロウソクになかなか点火せずじらされたり。なんとか点り消して「是方さんおめでとう」と相成った。そしてこの曲が来たらもう“締め括り”な『LAST BLUES』が流れ、切々と語り歌うギターにじんわりし、ライブは終わった。

ステージ前面に出てメンバーと貴喜さんの5人で笑顔で挨拶をする画面に『Thanks to All of Fan』という言葉が流れてきて、泣かせないでよな気分で配信も終わった、予定時間47分オーバーで。大丈夫なんだろうかと呆れつつも、野獣王国の個性を配信で十二分に今回も満喫した。



本音は、爆音を体に直に浴びたかった、けどね。



結局ざっくりながら1に当たる7月のを序盤に書いての、8月のをメインにしてレポートをまとめました。セットリストは何曲か重なっていますが、8月の方が矢張りボリューミーです。トップ画像はこの夏買った野獣のライブDVDのジャケットをどーんと。レポ内容の記憶違いや聞き&スペル漢字間違いありましたら済みません。
どちらもイマチケというサイトを使って見ました、オットットリオも。此方は配信料金支払いと合わせアーティストサポートが出来るのが有り難いです。チャットルームも30人くらいいる中の何人かでまったりやり取りしてました。8月の時に参加していた方が事情を打って退室し、その後ステージで一連のチャットが読まれてしまい、あちゃーにも。コレもチャットならでは、にしたくないなぁ。
野獣王国も長くみてますが、メンバーちと変わりながらも根幹は変わらず続いていることが凄いわ。代替わりもギャグにならない現状、でもまだもうちょいこの4人で爆音を響かせてね。そして最後に吐いた通り、生で観なくちゃな、自分。