EXORCIST IN TOKYO

「ここ日本には八百万の神がいるって話だよな」

「ああ」

「だったら今回の依頼はどうしたらいいんだ?」

神殺し。そう俺たちの仕事は現し世に顕在しようとする神を殺すことだ。だが今回の依頼はよりにもよって日本。そこかしこに神がいて依頼の神を探すのが非常に面倒くさい。多神教とか精霊信仰みたいな国はこれだから嫌なんだよ。

「とりあえず蕎麦でも食いに行くか」

「おい無視かよ。うわっ…なんだってんだ?」

その時、轟音とともに少し先のビルが急に爆発した。それと同時に飛んでくる瓦礫。それにぶつかる俺。いてっ。

「ああ、アレだな。ちっ、蕎麦を食いそびれたか。いくぞ」

「ちょーとまてよ。俺いま怪我したんだけど」

「お前の腕ならどうせあいつらと戦ってる間に怪我する」

と、駆け出す相棒。

ビルの前まで辿り着く。もう今は元ビルだけど。元々吹っ飛ぶ前は寿司バーだったそこから溢れ出る異形の物体。クラーケンとか半魚人のバケモノみたいな奴らがウヨウヨ出てくる。あと逃げ惑う人々と逆に集まってくる野次馬達。

「うわー。なんかすごい数いるんだけど」

「たっぷり海鮮丼1000円ぽっきりの限定メニューだからな」

「蕎麦を食うんじゃなかったのかよ。値段まで把握してるし。そもそも目良すぎない?」

「実をいうとな迷っていてな。この爆発のお陰で蕎麦1択になったのはありがたい」

「うっわ。ひでーなお前。それでも聖職者なのかよ」

「元々の起源はそうらしいが俺は聖職者をやってる自覚はないな。結局は理解と技術だよ。あとは愛があればいい」

「だったら壊れた寿司バーの奴らも愛してやれよ。しゃーねーか。いくぞ」

支給されたガントレットを装着する。銀色に輝いて無駄に装飾が凝ってるんだけど制作部の連中が言うにはこの装飾の全てに意味があって力を増幅させているらしい。まぁ俺には理屈は良くわかってないけどこれがあれば殴れる。それで十分。

【つづく】

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