101本目「エルダリー/覚醒」【ネタバレなし】

※本文は全て無料です。

池袋シネマ・ロサにて

公開日:2024/8/30
監督:ラウル・セレッソ、フェルナンド・ゴンサレス・ゴメス(スペイン)

記録的な猛暑に襲われたスペインのマドリード。日に日に気温が上昇していくある日、ナイアの祖母ロサが、祖父マヌエルの目の前でバルコニーから突然身を投げた。その日を境に、マヌエルの様子もおかしくなってしまう。マヌエルの息子マリオは、ロサが飛び降りたことによるショックのせいだと考えるが、マヌエルの様子は日々悪化していき、ついにはマリオら家族に対して殺意を向けるようになる。一方その頃、最高気温を記録した街は、奇行を繰り返す老人たちであふれかえっていた。

https://eiga.com/movie/102249/

まえがき

私が小学生の時によく習った「社会問題」と言えば2つだった。
「地球温暖化」と「少子高齢化」である。「京都議定書」とか「ビアダル型」とか言葉だけは良く刷り込まれたものだ。

その二つを合わせたテーマの映画があるとなると、観るしかあるまい。
それが本作を観るきっかけである。

といっても、情報はそれしか持ってない。
具体的に言うと以前に「デッドストリーム」を観に行った新宿シネマカリテに置いてあったビラ一枚見ただけ。厳めしい顔の老人が傷口を縫っており、これは戦いによる負傷なのか、筒井康隆「銀齢の果て」をシリアスにしたみたいなノリで老人大戦争が勃発するのか、などと想像を掻き立てられていたのだっだ。

暑さよりも寧ろ台風による豪雨が心配な異常気象下で、劇場に向かった。

感想など

なんじゃこりゃ。散々待たせてこれかよ。
一言でいうとそんな感じ。

まず、「異常気象」が全くストーリーに影響してない。
話の面白さに寄与してないとかそういうレベルじゃなくて、本当に関係ない。ラストの描写から想像される限り、劇中の異常と関係ない。
その癖、意味深に温度カウントは表示する。ただの時間経過表示にしかなってない。

次に、前置きが長い。
1時間半の映画なのに、冒頭5分にバーン!と事件、その後1時間くらいずっと「真相はわからないし、ただのボケかもしれない、でも何かおかしい」程度の奇行を延々と見せられる。というか、ほとんど「ただのボケ」寄り。
その位の行ってしまえば普通のボケ老人と、それに一喜一憂したり激怒する一家族の生活をずーっと見せられる。話が動き出すのはラスト30分弱。
退屈だって、この構成。

真相についてはネタバレになるので詳しくは書かないが、唐突過ぎて納得感がない。「どういう存在が」「何の目的で」「どうやって」とかほぼ説明ない。ただ「アレのせいで起こりました」って感じ。伏線も何もあったもんじゃない。投げっぱなし。

こんなんだったら、ラスト30分の事件を冒頭に起こして、その中でレジスタンスする感じにした方が面白かったと思うわ。

ペーパーお勧め度

★1。
画面はともかく、話のクオリティが低い。
冒頭の(よくあるレベルの)衝撃から、終盤までもっていく過程がとにかく退屈で長い。ちょっと観るのが辛かったわ。

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