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小児科医だったら子育ては大丈夫でしょう?

そんなふうに言われることもありますが、全然大丈夫ではありません。

心配は尽きないですし、日々失敗と反省を繰り返しています。

子供の病気について知識がある小児科医にとっても簡単ではない子育て、

一般の方にとってはなおさら簡単ではないものでしょう。

そんな親の苦労をよそに、子供たちは突然熱を出したり、お腹が痛くなったりします。

子育てでは色んなことを考えなければならず、病気についてはそのほんの一部です。

一般の方が子供の病気について詳しく知ることは決して簡単なことではありません。

厚生労働省や大きな病院など一般向けにHP上で医療情報を公開していて、わかりやすい内容のものも多いのですが、

これらを全部を読むのは大変ですし、一度読んだだけでは覚えられません。

でも病気の知識は、本当にちょっとしたことを知るだけでもとる行動が大きく変わります。

例えばインフルエンザウイルスの鼻綿棒の検査は、発熱してすぐに検査してもはっきりわからないことも多く、検査するなら12時間くらいは経過してからが望ましいです。

知らずに受診すると「熱が出てすぐに受診したのに検査してもらえなかった!」ということが起こります。

このことはご存知の方も多いのですが、まだまだ受診時の説明で「初めて聞きました」と言う人も多いです。

患者さんにとっても医療機関にとっても困ったことが起こるので、みんなが共有するべき知識なのではないかと思います。

もう一つ例えを言うと、

精巣捻転症といって、男の子のタマタマが捻れる病気があります。捻れることで腫れがって痛みを伴い、血流は遮断されてしまいます。

できるだけ早く捻れを解除しないと、手術治療で摘出しなければならなくなってしまうものです。

これは病気の頻度として多くはないのですが、「男の子のタマタマが腫れたら緊急性が高い場合がある」と言うことだけでも知って置いてもらうと、もしもの時に対応できるのではないかと思います。

「知らなかった」だと、夜中に痛がった時に朝まで待ってしまうなど、必要な行動が取れないかもしれません。

でも少しでも「知っている」なら、最悪の事態を免れるかもしれません。

病気の知識を詳しく知ることは難しいですが、まず0を1にすることは難しくはないと思います。

このnoteではそんな記事を目指しています。

さらっと読んで、頭の片隅に知識を入れていただき、何か問題が生じた時に読み返してもらったり、より詳しい情報を調べるためのきっかけにしてもらえたら幸いです。

精巣捻転症についての情報↓


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